釣りビジョン

2010.7.15号

かめだや・東京都羽田
中型アジと抱卵サバに大満足!

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東京都大田区羽田。羽田空港の目と鼻の先、多摩川左岸側には屋形船と釣り船を併営している船宿が軒を連ねているが、今回訪れた『かめだや』は、多摩川下流に土手が出来る前から、貸しボート業を始めたという老舗。現在のメーンターゲットはアジ。6月からクリスマス頃までは水深10~20mの浅場を中心にLT(ライトタックル)で狙っており、今シーズンは比較的安定した成績が上がっている。

京浜東北線・蒲田駅東口交番前に送迎車

7月9日(金)午前7時、『かめだや』の駐車場、釣り人の車は3台だけ。「平日だから釣り人も少ないのかな?」と思いながら待合所へ行くと“かめだや”と大きくラッピングされた車が停まり5人の釣り人が降りてきた。「はい、着きましたよ。準備をして下さいね」と野口嘉雄大船長。
『かめだや』では、朝6時40分~7時までJR京浜東北線・蒲田駅東口交番前に“電車組”のために送迎車を待機させている。勿論、帰りも駅まで送ってくれる。当日乗船した人は、「こう暑くなると船の上で冷たいビールくらい飲みたいじゃないですか。電車なら一杯やりながら釣りが出来るからいいんだよね」と嬉しそうに話していた。
『かめだや』では、手巻きの竿とリールは無料で貸し出してくれる。当日の“貸し竿組”は4人。沖釣りの中でも手軽な釣りのひとつと言えよう。

『かめだや』駐車場、船宿へ向かう道の約20m手前、左手にある。
ラッピングの送迎車
無料で借りられる貸し竿

最初のポイントは水深13m

定刻の7時半、総勢10人を乗せて河岸払い。多摩川を下り、左手に羽田空港を見ながら東京湾に入り、航程30分程で横浜沖に着いた。
「魚探反応があるのでアンカリングしたら、始めますから準備して下さいね」。野口勝弘船長からアナウンス。最初のポイントは水深13m。「いいですよ、底から2mをやって下さい」(船長)。
間もなく右舷胴の間(中央)で歓声が上がった。釣れてきたのはかわいいカサゴ。すると、左舷胴の間でも20cm程のカサゴが釣れた。船長は、カサゴの連発に苦笑い。アンカーを打ち変えた。
「昨日は、朝の内ここで10尾程釣れたよ」と常連の武内嗣夫さん。2日連チャンの乗船だ。間もなく、その武内さんの竿先がククンッと入り、18cm級のアジが釣れて来た。

アジの看板を掲げて出船だ!
最初のポイントにつく前に常連どうしで話が弾む
船中第1号の“本命”に心躍る

餌はイカの赤タンと青イソメ

LTアジはテンビン仕掛けで狙う。コマセカゴ(網目ビシ)やテンビンは船宿で貸してくれる。オモリは40号。仕掛けは2本バリと3本バリの2種類が用意されている。餌はイカの赤タンと青イソメの2種類。青イソメは、チョン掛けで垂らしは2、3cm程度。赤タンは真ん中にハリを刺せばよい。

餌の青イソメと赤タン
40号のビシとテンビン、仕掛けは2本バリor3本バリをお好みで
ナイスサイズに思わずウインク♪

タナの下げ過ぎに注意!

ダブルできましたよ!私こう見えて70歳!元気でしょう!?
船中のあちらこちらでアジが釣れ始めたところで竿を出した。コマセを8分目程入れ、3本バリに青イソメをチョン掛けして投入した。底から1m巻いてコマセを振り、アタリを待ったが反応がないので、置き竿にすると、ピンピンと竿をはじくようなアタリ。慎重に上げてくると釣れて来たのは18cm級のシロギスだった。続いてまたシロギスが釣れたところで「狙っているタナが低いんだよ。仕掛けが2mだからキッチリ2m上げないとアジは食ってこないよ」と、船長から納得の一言。
そこで船長にどのように誘ったらよいのかを聞いてみた。「アジの誘い方は2パターン。着底後糸フケを取り2m巻いてからコマセを振るパターンと、着底後1m巻いてからコマセを振り、また1mゆっくりと竿をきき上げて待つパターンです」。この2パターンを試してみて、その日はどちらがいいか見極めることが肝要だそうだ。
その後、10時過ぎまで横浜沖を狙ったが、順調に数を伸ばした武内さんの10尾が断然のトップ。

35~40cm級の抱卵サバが入れ食い!

次に狙ったのは中ノ瀬の水深18~19m。着いて早々、サバの入れ食いが始まった。船中あちらこちらで竿が曲がり35cmから40cm級の白子と卵を孕んだ丸々太ったサバが次々に釣り上げられた。「この時期のサバは、抱卵していて脂が乗っているので最高のお土産ですよ」と船長。

このサバ、美味そうでしょう!
僕にもサバきましたよ。すごい引きでした!
40cmの丸々太ったサバ。脂の乗りもよく美味でした。

アジも入れ食いタイムへ突入!

サバの入れ食いを堪能したところで本牧沖へ移動した。水深は15m前後。前日はここで1人30尾以上釣れたと聞き、俄然気合が入った。アンカリングが終わり、コマセが効き始めたところで、右舷ミヨシの釣り人の竿がしなった。アジのダブルだ。
「海底に落ちたコマセをアジが拾うようになったら、もっと入れ食いモードになるんだけどね。昨日は、それが丁度3時の沖上がり前だった。30分程で20~30尾ずつ数が伸びたんだけど…」と船長。最後の30分に期待が高まったが、潮ぐあいは毎日違う。この日は最後の入れ食いタイムはなく納竿となった。

ちょうど食べごろのサイズだね
アジ釣りは初めてなんだけど楽しんでますよ!
野口勝弘若船長

武内さん、41尾で堂々の竿頭

この日、船長に教わった2パターンの誘い方の2つ目を実践していた武内さん。最後は、「サバの入れ食いで疲れてしまった」-と竿を早めに仕舞っていたが、41尾のアジを釣って堂々の竿頭だった。

この時期の“〆サバ”は絶品
この時期のサバの味は絶品だ。釣ったらすぐに血抜きをして魚を〆るのが基本。帰ったらウロコをとらずに3枚に卸し、半身に塩をまぶしてラップで包んで冷蔵庫に30分程寝かせる。塩をさっと取り、酢に30分程漬け込めば“〆サバ”の完成だ。

(吉田 洋一郎)

当日、私の釣果の一部。これだけいれば料理のレパートリーも広がる
仕掛け図

今回利用した釣り船
東京都大田区羽田『かめだや』
東京都大田区羽田2-31-13
電話番号03-3741-1258 (定休日:毎週火曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
かめだやホームページ
出船データ
料金=7時集合 7時半出船 15時沖上がり
乗船料金:9,500円(コマセ・餌・氷付)手巻きの貸し竿は無料
※JR鎌田駅まで送迎希望の人は必ず午前7時までに集合
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