2016年06月01日公開
毎年GW開けから期間限定で楽しめるショウサイフグの白子。「白子祭り」などと称され、その魅力的な食味から、心待ちにしている“湾フグ”ファンも多い。「今年は白子率8割!」という情報をキャッチ、5月18日、金沢八景『野毛屋釣船店』に出掛けた。
『野毛屋釣船店』へは高速を降りて10分!
首都高速道路の幸浦IC、又は並木ICで降りて、『野毛屋釣船店』へは10分程。電車組は京浜急行・金沢八景駅下車、徒歩5、6分だ。平潟湾へ注ぐ川沿いに待合所があり、大きな看板が出迎えてくれるので分かりやすい。待合所の向き合いに車を停めて待機していると、シャッターが5時半に開く。希望する釣り座の札を取り、受け付けという流れとなる。バッグやクーラーは、軽トラで桟橋まで運んでくれる。
船までは徒歩2、3分
案内された場所に車を停め、待合所を右に見て川沿いの歩道を直進、2、3分で桟橋に到着する。軽トラで運んでもらった荷物を持って乗船する。乗船して驚いたのは、船の掃除が良く行き届いている事。「船は1日の大半を過ごす場所だからね。きれいな方がいいでしょ」と船長。気持ちよく釣りができる。
“健流”仕掛けのこだわり
“湾フグ”釣りに熱い情熱を傾ける黒川 健太郎船長。彼が考案した仕掛けは“湾フグ”釣り師に一目置かれている。餌のアルゼンチンアカエビの寸法から割り出されたカットウまでの長さ、“湾フグ”の摂餌を鑑みての丸型オモリの採用、果ては竿までもプロデュースしているほどだ。
平潟湾を出て大貫沖へ!
定刻に舫いを解かれた「第一忠丸」は、平潟湾を抜け“湾フグ”釣りの大場所、大貫沖へと船首を向けた。当日は北東寄りの風が7m前後、ほぼ左舷側に風を受けながらの航行だ。30分程でポイントに到着、エンジンがスローになり上乗りがスパンカーを張り、船長からの丁寧なレクチャーのアナウンスに耳を傾けながら餌付けする。慎重に船を操る船長からアンカー投下の合図、イカリ綱を固定し、待望のスタート。直後からアタリが止まらなくなった。
朝から絶好調!
短いインターバルをおきながら、誰かしらの竿が曲っている好調振りが続く。時には複数の竿が曲り、船内が活気付く。浅場を攻める“湾フグ”釣り、産卵を控えたこの時期は大型も多く、掛かった後、底へは逃げられないフグは、横っ走りを見せる。この引きがこの時期の特徴で、真下で掛けたフグが船下に潜り込み、反対舷から上がってくることもある。この日は水深7mのポイントを攻め、アタリから合わせ、取り込みまでが、短い場合は5秒余りだろうか、カメラマン(私)は額に汗して船内を駆け巡った。
潮止まり迄好調は続く!
アタリが遠のくこともあるが、ポイント移動しなくともまたアタリが出始めた。しかし、9時頃の潮止まり頃からアタリが遠のくのだが、上げた仕掛けに餌が無かったり“湾フグ”釣り特有の「気配が無いのに餌が無くなる」といった、難しくもあり、面白くもある状況になってきた。
中盤以降はテクニカルな時間帯へ
中盤以降は、風向きに相反する上げ潮の時間帯となった。しかし、潮が全く流れない。ここで私も竿を出した。仕掛けは「チラシバリ」と呼ばれる、餌を幾つかに切り3本のハリにそれぞれ刺すようになっている。どの餌をフグが食いに来てもハリがあり、アタリを大きく出す工夫だ。
1時間以上嵌れない神経戦を制す
右舷ミヨシ(船首)で竿を出したが、1時間余りは餌さえ取られない絶不調な状況。それに反して、左舷ミヨシの上乗りさんは、この1時間で6、7匹のフグを上げている。たまにある(よくある?)、構築してきた自分の釣技の崩壊の瞬間だが、今回初めて訪れた“湾フグ”釣りの老舗、『野毛屋釣船店』で、このままでは、自分が許せない。オモリを重くして向かい風にキャストしたり、はたまた軽くしてアタリを出そうと攻めるも、上がってくるのは付けたままの餌だけ。そんな状況を打破しようと、過去の“湾フグ”釣りの経験の引き出しを引っ張り出し冷静に分析、その中の誘いのバリエーションの一つに反応があり、餌が空になって上がってきた。その誘いをヒントに展開し、それからの2時間足らずで“ツ抜け”を果たすことが出来た。
最高の白子率と凄腕船長
フグを捌いているところを見せて頂くと、8割近くのフグが白子を持っており驚かされた。そしてこの日、船長は1度もポイント移動をすることなく、トップは30匹を超えるフグを釣り上げていた。噂に違わぬ凄腕、そして今季の好調振り、大貫沖のポテンシャルの高さを窺わせた。周年狙える“湾フグ”だが、白子は今が真っ盛り、7月初旬位までは十分に楽しめるとの事。是非、出掛けて頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
ショウサイフグ:9,300円
一つテンヤ:10,500円
LTアジ(半日):6,500円
※女性1,000円引き、中学生以下半額、前回の乗車券の半券で500円割引
有料駐車場:500円
氷:200円