釣りビジョン

釣り味と食味の二刀流! 東京湾中ノ瀬でLTアジ&シロギスのリレー船

2016年08月01日公開

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東京湾のLTアジが釣れている。アジフライを食べたいが、シロギスの天ぷらもいいなと食い意地の張ったことを考えていたら、東京・羽田の『かめだや』で釣り味、食味どちらも2通り楽しめると言う欲張りに答えてくれる、LTアジとシロギスのリレー乗合船を出していると聞き、梅雨明け間近の7月21日に出掛けた。

雨模様でもリレー釣りは人気

数日前の天気予報では曇りのはずだったが、当日は朝から雨模様。それでもアジとシロギスを求めて、釣りガールも交じって9人の釣り人が『かめだや』に集まった。人気の高さを窺わせるリレー釣りだ。釣り人達は氷をもらうと店前の土手を越えて桟橋へ行き(水門工事中で水門内の係留所が使えない)、「第16号かめだや丸」に乗り込む。操船は鈴木祥太船長だ。右舷に5人、左舷に4人が座り、私たちスタッフ2人は空いていた左舷のミヨシ1、2番に席を取った。釣り座の前にコマセ(イワシのミンチ)の入ったバケツ、アオイソメとアカタン(小さく切ったイカを食紅で染めたもの)の入った容器が置かれている。定刻の午前7時30分、小雨の降る中の出船となった。

まずはアジ釣りでスタート

雨ですぐ横を通過する羽田飛行場も霞んで見にくい。釣り場は東京湾の真ん中、中ノ瀬寄りの本牧沖まで45分ほど。オレンジ色のクレーンやらシーバースが見える沖でエンジン音が低くなった。ポイントの本牧沖だ。走行中、キャビンに避難していた釣り人が各々の釣り座に着くと、40号のビシカゴにコマセのミンチを詰め始める。餌はアオイソメかアカタンか? 潮の濁り具合からアオイソメがよさそうだ。船足が止まり、船首が風上に向けられると「やってください、水深20m、底から2mで誘ってください」と鈴木船長の合図と指示。ハリス2号2mで3本バリの仕掛けを海中へ。小雨の降る中で一生懸命、竿を振ってコマセを撒きアジを誘う。

 

コマセが効きだすと……

全員黙々と竿を振った甲斐あって、投入開始から10分ほどでコマセが効きだし、両舷のトモ(船尾)寄りで竿先が引き込まれる。右舷のトモから4人は東京都板橋区在住の同級生で、定年になってから誘い合わせてよく釣りに行くと言う。「先日は皆でタチウオを狙って全員オデコ(釣果ゼロ)でした」と笑っていた。その仲間の石田修二さんと田中雅之さんの竿先がクンクンと持ち込まれた。同時ヒットかと思いきや、2人の絡んだ仕掛け(オマツリだった)に20cm弱のアジがぶら下がっていた。どちらのダ?
左舷でもトモの竹ノ内学さん(大田区)が22cm級を、胴ノ間の村上栄雅さん(武蔵野市)が釣りは2回目と言いながらも20cm級を取り込む。4人仲間の1人で右舷トモの紅一点、佐藤佳子さんが苦戦していたので、タナ取りとコマセワークをお教えする。するとまもなく、コマセが効きだしたか直ぐにアタり、良型を取り込んでニッコリ。隣にいるご主人・佐藤隼夫さんも負けじと竿を振る。「アジはタナを釣れ」の格言を思い出した。

絶え間なくアタリが続くがバレが多い
本牧沖20mダチは多点掛けとはいかないものの、絶え間なく誰かが取り込むのが見える。左舷胴ノ間の岩崎勉さん(さいたま市)も船縁から手をいっぱいに伸ばし、大きく持ち上げて中型をバケツに投げ入れる。雨は朝から強くなったり弱くなったり。私も竿を出すことにした。ビシが底に着いたら2m上げ、2回ほどタナの取り直ししてからコマセを振る。竿先を見ているとクンクンとアタリ、ヨシッとばかりリーリング……が途中でバレてしまった。3度ほどバレが続いた後、4度目はじっくり待って竿を立てるとヒット。心地よい引き込みを感じてまあまあサイズを取り込む。その後は順調、たまに可愛いサイズも交じるが、体形がコロッとして掴むと脂なのかヌルッとする。美味しそう。「毎週来ています」と言っていた右舷ミヨシの西谷寛さん(世田谷区)も、マイペースで数を伸ばしている。船中ではたまに2点掛けもあって、11時半までこのペースで釣れ続けた。

リレー釣り後半はシロギス釣り

11時半を過ぎたところで「そろそろシロギスに行きます、準備してください」と切り替えの合図。少し沖の中ノ瀬に移動すると言う。雨の中、シロギス仕掛けの仕度だ。2m前後の竿に大半の方が天秤仕掛けでオモリは15号、ハリス1号80cm。餌はアオイソメで、5cmほどに切って切り口からハリ先を入れ、3cmほど垂らす。準備しているうちに10分ほど走り、中ノ瀬でスタート。水深は16mだ。
開始からまもなく左舷トモの竹ノ内さん、その隣の飯沢幸雄さん(世田谷区)がパールホワイトの魚体を手にした。右舷の4人組もポツリポツリ釣り上げては足元のバケツに放す。トモのバケツには23cm前後の良型が暴れていた。しかし一段と雨が激しくなり、風も波も騒いできた。時折うねりも出て寒いくらいで、戦意喪失でキャビンに逃げ込む人も。

船下で良型が引き込む

チョイ投げで誘っていた竹ノ内さんが「おー、ダブルだ」の声。操舵室の窓からは「いい型だね」と鈴木船長も顔を出している。見ると岩崎さんが24cm級を取り込んだ。岩崎さんら左舷の方たちは前方へチョイ投げして船縁下まで誘って来ると、ひったくるようなアタリが来る。右舷は雨で4人がキャビンへ。石田さん一人が孤軍奮闘し、目の前から前方に払い出す潮に仕掛けを乗せて1匹、2匹と釣り上げている。

残念!キス好調も雨と風で早上がり
竿を出し続けている釣り人には、小型のアジも交じって良型シロギスがポツポツと釣れていたが、海もだいぶ波模様となり、小さなウネリも出てきた。雨が激しくなった午後2時過ぎ「少し早いけど上がりましょう」と船長の判断で沖上がり。リレー釣りの船中の結果はアジ15~28cmの食べごろサイズが4~28匹、シロギス12~24cmが0(船酔いの人)~30匹。雨模様で潮も余り良くない状況で、この成果は上々だったといえよう。本牧沖のアジも安定、シロギスも状況で浅場での数釣りが可能。釣り味、食味の二刀流を楽しみに出掛けてみては如何だろうか。

今回利用した釣り船

東京都羽田『かめだや』
〒144-0043 東京都大田区羽田2-31-13
TEL:03-3741-1258
定休日:毎週火曜日(祝日は営業) 釣果・施設情報 かめだやホームページ

出船データ

LTアジ・シロギス・リレー乗合(毎週木曜日出船)
出船時間:午前7時30分~沖上り15時
乗合料金:9,300円(コマセ・氷付き)
※女性・中学生以下割引有り
     
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