佐衛美丸・千葉県 洲崎港
2016.8.22号
解禁目前! バケで狙う南房・平砂浦のカンパチ!
千葉県・南房総では9月1日に平砂浦(へいさうら)が解禁になる。同浦ではカンパチ・イサキ・マダイと多魚種が釣れるのだが、今回はその中でも早朝活性が高いカンパチにフィーチャー。洲崎港『佐衛美丸』では“バケ”で狙うのだが、その扱い方や状況に応じた使い方を早川忠信船長に聞いた。
早川船長お薦めはバラフグバケ!
平砂浦のカンパチ狙いの適水温は24℃前後だと早川船長。しかし、昨シーズンは平均25℃前後の日が多かったが、例年通りの良い釣果が得られた。今シーズンは8月半ば時点の水温が26~27℃と昨年よりも更に高い。これがどう影響するのか…? 「良い日には船中100匹以上、各々10匹以上カンパチを釣ってクーラー満タンにして早上がりなんて事もありますからね。今年は水温は高めですが解禁が待ち遠しいですね」。と船長。
『佐衛美丸』で販売しているバケはバラフグのみ。バラフグバケは釣具店ではほとんど販売しておらず、船宿でしか購入できないレアなバケだそうだ。「このバケは通常黄色ですが、水につけて柔らかくなると白くなります。船宿では船長お手製のオリジナルが600円、既製品が500円で購入できます。
船に乗ったらまず、釣りの支度をする前に樽の中に水が張ってありますので、バケをその中に入れてふやかしておいてください。バケはふやけないと釣れません。バケツに漬けておくとちょうど釣り開始の頃には、良い按配にふやけて魚好みの柔らかさになります」。
バケにも当たり外れが若干あるため、水につけてからがお楽しみ。思ったよりも白くなるバケもあるし、少し黄色がかったままのバケもある。「喰うバケかどうかは長年バケを使っている人であれば、見ればすぐに分かります。釣りを開始して、自分のバケにアタリが来て魚が食いついたバケ=アタリバケです。そのバケをメインにして2本バリの下にアタリバケをつけて、上には当たらないバケをつけてみるのも良いですね。魚が暴れてくれれば喰わないバケも喰うバケに進化します。
竿でのカッタクリで釣ろう
カンパチのカッタクリ釣りで使用する竿は短めでコシのある竿。イサキ釣りとリレーで行うため、1.8m7:3調子、オモリ負荷30号くらいが良い。「あまり柔らかい竿はバケが動かなくなるので、割と硬め竿がおすすめですね。イサキ釣りの竿がベースであくまでそのまま1本でカンパチ釣りまで出来る竿が良いですね」。
リールは中型両軸、道糸はPE3~4号200~300mを用意しよう。電動リールでやりたい方は12V用の電動リールを用意しよう。船電源もあるがバッテリーがある人は持参しよう。そこに鋳込天秤もしくは腕長40cmの天秤に40号のオモリをセット。
クッションゴムはカンパチのハリ外れ時に跳ね返ってきたら危ないためとバケの動きも悪くなるため、つけないように船長がアナウンスしている。ハリスは6号3mの2本バリ、枝スは下バリから1m20cmに出し、枝スの長さは40cm。ジギングで釣る人は40gのイワシカラーで狙おう。
バケの種類と作成方法について
「“シロバラフグ”のバケはわりと食いますね。釣具屋さんで、2つで800~1200円でくらい購入できます。販売しているものはヘッドに目がついているタイプのものが多いです」。船長が自分で作成したバケはボラの皮、カンパチの皮、ヒラメの皮等と多彩でどれも実績がある。「バケを作る際には釣れた魚の身を削いで、皮だけにします。包丁はあまり切れるものを用意してしまうと皮まで切れてしまうので、身を削ぎ落したら中性洗剤を水に3分の1の分量で入れてかき混ぜて3日間漬けておきます。3日間後、取り出して皮が濡れたままバケツの回り、ビン、ガラスに貼り付けます。貼る際に皮の中に空気が入らないように空気を抜きながら伸ばして貼り付けてましょう。
そして、そのまま陰干しして約一日放置します。乾いたら約1年その皮がクシャクシャに曲がらないように電話帳や雑誌に挟んで1年以上保存すれば完成です。最低でも1シーズン以上は置くことが大事ですね。ヒラメは腹の白い皮が使えますので、自分で釣った魚で秘密兵器を作ってみてください(笑)。自分で作ってみて、やってみるのは楽しいですよね。作り方に興味ある人は船長に聞いてくださいネ」。
台風などの時化後がチャンス“新群”が到来!
「カンパチは回遊魚ですので、海が時化ると必ず新しい群れが入ってきます。時化ると海の中が引っ掻き回されて潮が濁ります。潮が濁ると底荒れして釣れなくなる魚もいますが、カンパチはその逆で潮が濁っている時こそチャンスです。更に潮の流れが0.8~1ノットくらい流れていればチャンス倍増! こんな日にスパンカーをたてて流せば広範囲を探れて釣果も伸びますヨ」。
それ以外に潮が流れない場合でも、魚群探知機にガッツリ本命の反応が出て釣れ続ける事もあるそうだ。船の中で近くの人が釣れているのに自分だけ釣れない場合は、バケが合っていない証拠。
そういった場合は恥ずかしがらずに船長に相談しよう。釣れるバケをこっそり貸してくれるかもしれない。10月末まで狙えるカンパチ&イサキのリレー船。もっちりしたカンパチの刺身を食べたい人は是非♫