釣りビジョン

2010.7.15号

豆や・東京都江戸川区鹿骨
東京湾の“最高ブランド”マダコがスタート!

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東京湾の“ブランド魚”と言えば、誰もが思い浮かべるのはアナゴだろう。しかし、“最高ブランド”ということなら、断然マダコである。あの“明石のタコ”を凌ぐ浜値(卸値)が付くことも珍しくはないのだ。そのマダコ釣り(夏ダコ)がスタートした。7月3日、東京・江戸川区鹿骨の船宿『豆や』の今季初出船に乗った。

嫌な予感が頭を過ぎる

旧江戸川を経由して東京湾に注ぐ新中川、旧江戸川との合流点からざっと3km程上流に架かる鹿本橋下流左岸側に『豆や』の船着場はある。首都高速7号線・一之江ICから目と鼻の先である。
6時45分、2008年就航の大型快速船は、小生を含め14人を乗せて出船した。船着場を離れてすぐに気になったのは、新中川の水色が茶色く濁っていたこと。上流で大量の雨が降った証拠で、真水を嫌うマダコには決していい条件ではないからだ。嫌な予感が頭を過ぎった。

最初のポイントでは空振り

マダコ道具(テンヤは1個700円)
東京湾のマダコは、例年6月下旬にスタートし、8月から9月に一旦終了、11月に再び乗合船が出始めるのが例年のパターンだ。“夏ダコ”は、シーズン当初、前年残りの良型から釣れ出し、徐々に前年の秋頃生まれた子ダコ(300、400g級)が釣れ出す。つまり子ダコが釣れ出せばある程度数が伸びるようになる。
まずは“海ほたる”付近の根回りから釣り始めた。ここは夏も冬も良型のマダコがよく釣れるポイントだが、残念ながら空振り。舵を握る細川秀幸船長は、船を富岡方面に移動させた。

餌のイシガニはこう付ける
仕事熱心な細川秀幸船長
懸命にコヅキを繰り返し“アタリ”を待つ

左舷ミヨシ側の釣り人に待望の初獲物

マダコのポイントは、基本的に海底に根(岩礁)などの障害物がある所に限られる。ベテランの細川船長は、実に丹念にそうしたポイントを1箇所、1箇所探っていった。そして何箇所目めかのポイントで左舷ミヨシ(船首)側の釣り人に待望の初獲物(600g級)が釣れて来た。少々小さいが、明らかに前年の残りである。
再びポイントを移動した第1投目、小生の指先にモゾッとした違和感が伝わって来た。少し道糸を送り、思いっ切り合わせると、根掛かりした感触、ガッカリしながら次の一手を手繰ると、海底から剥がれる感触で間違いなく何かが掛かった。慎重に手繰ってくると、海面下に足を広げたマダコが見えた。一気に引き抜いたのは、800g級のまずまずサイズ。少々足が細かったが、実に美味そうなマダコだった。

船中の初獲物にニッコリ
この日最大の1kg級をゲット

3尾中一人で2尾をゲット!

しかし、出船直後に感じた嫌な予感は的中して、後が続かない。釣り始めて3時間以上経った時点で船中2尾だけ。その内、雨まで降り出し、まさに踏んだり蹴ったりの状況。この日を待ちかねて乗船したベテラン達も気持ちが折れかかっていた。
そんな状況にカツを入れてくれたのが、船中初獲物を釣り上げた左舷の釣り人。何と船中3尾目のマダコ(900g級)をゲットしたのだ。14人も乗っているにも拘らず、3尾中一人で2尾を釣ってしまった。
沖釣りではよくあることなのだが、周りの釣り人は心穏やかでなくなる。その効果か、間もなく右舷胴の間(中央)の釣り人が、小型(300gと500g級)ながら立て続けに2尾をゲット、左舷側でも1尾が追加された。

立て続けに2尾をゲット
このサイズは身も柔らかく絶品だ

初出船の翌日から一気に好転!!

結局、午後3時の納竿時間まで数十箇所のポイントを巡ったが、今シーズン初出船の成績は、14人で6尾(2、2、1、1尾)に終わってしまった。ところが、翌4日には、300gから3.5kgを0~5尾(船中25尾)、翌々日の5日にも5人で4、3、2、2、2尾の好成績が記録された。
初日の不調が、小生の懸念通り、真水の影響だったか否かは定かではないが、2日目以降の釣果は、“夏ダコ”の成績としては十二分に満足出来るものである。
『豆や』の代表・矢作香一さんは、「初日の釣果を聞いた時には、どうしようかと考えましたが、この分なら暫くはやれそうですね」と、乗合船の継続出船を決めた。1kg前後のマダコが1尾あれば、3、4人家族でも十分に東京湾の“最高ブランド”を味わえる。是非とも1度お試しアレ!!

(野口 哲雄)

今回利用した釣り船
東京都江戸川区鹿骨 豆や
東京都江戸川区鹿骨6-1-1
電話番号03‐3679‐2065 (定休日:毎週火曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
豆やホームページ
出船データ
料金=9,000円(氷付)
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