2015年11月15日公開
立冬は過ぎたが、やっと“秋シーズン”本格化といった感じの大阪湾のタチウオ。この時期は、数・型ともに狙え、大型は“メーター級”、“メーターオーバー”、“指5、6本”、“ドラゴン”などと称される。大阪湾人気No.1の“モンスター”タチウオを求め、4日、兵庫県・須磨浦港『仙正丸』に出掛けた。
「タチウオテンヤ」って?
大阪湾では、「船タチウオならテンヤやで~!」と言われる程一般的でシンプルな仕掛け。魚の頭に見立てた夜光のオモリから大きなハリが下向きに出たものを“タチウオテンヤ”と叫ぶ。オモリのサイズは30、40、50号等があるが、『仙正丸』では40号を使用する。最近では、“タチウオテンヤ”専用竿も発売されている。
24人の定員満杯!
午前5時45分集合。JR須磨駅から徒歩5分程なので電車釣行も可能だ。30人乗りの大型船にタチウオの定員24人満杯の釣り人が集まった。釣り座は若女将が持ってくるクジで決める。6時20分に出船。海上は波もなくベタナギ。ポイントまではゆっくり走って15分。到着までにパックに入った15cmくらいの冷凍イワシをテンヤに針金で巻きつけておく。乗り合い料金に2パック分が含まれている。まずは須磨沖の水深71mからスタート。「底から20~30m巻いて探ってみて下さい」と舵を握る辻久信船長がアナウンス。
ひと流し目から入れ食い!!
スタートから3分も経たないうちにタチウオが釣れた。ファーストヒットは常連の岸本さん。続いて地元須磨の大宅さん…間もなく順番が分からなくなるくらいに次から次へとタチウオが上がった。まさに入れ食いだ!間もなく掃部(かもん)さんが “指5本”クラスの大型を釣り上げた。
釣り方は比較的簡単だ。テンヤを底まで沈めて素早く2、3m上げる(ここでノンビリしているとオマツリする)。ここから船長の指示ダナ20~30mまで誘い上げながらアタリが出るタナ探っていけばよい。
1つのテンヤに2匹のタチウオ!?
ここで私も竿を出した。着底させて2m巻き、5秒待ってアタリがなければまた2m巻いて5秒待つ。これを3回繰り返した時、コツッと小さいアタリ。そのまま待つが引き込まない。また2m巻いて止めるとコッ、コツッとさっきより少し大きなアタリが来たが、合わせても掛かりそうもない感じ。そこでまた2m巻いてみると、コツッ、ガツッと明確なアタリ。合わせるとガツン!と重量感溢れる引き込み。この瞬間が堪らない。“指3本”クラスの綺麗なタチウオが上がった。2投目、3投目にもアタリがあったが合わせに失敗。4投目に同サイズが釣れたが、アタリまでに時間がかかることに気付いた。そこで竿を硬い調子に替え、同じように誘うと、いきなりグンッと来た。竿がひったくられる様なアタリを合わせると竿にドスンと重量感が伝わり、一気に締め込まれた。電動のスイッチを入れてもラインが巻けていない。「絡んでる?」と思いながら巻き始めると、フワッと軽くなるタチウオ独特の引きだ。何度かの締め込みがあり、上がってきたのは、“ドラゴン”には少し届かないまでも“指5本”サイズのタチウオだった。
ここで珍事。ご夫婦で来られた長嶋さんが「ちょっと!」と呼ぶ。行ってみると、何とひとつのテンヤに2匹のタチウオが掛かっていた。その後も順調にアタリか続き、この日は終始誰かの竿が曲がっている状況が続いた。
前日には137cm!!
私の釣果は、12時30分の時点で9匹。大型も交じって十分の釣果だ。他の乗船者は10~15匹といったところ。残念ながら“ドラゴン”級は釣れていない。しかし、船長の話では「前日は、137、124、122cmも釣れた」とのこと。その後、釣り場や狙う水深を替えながら“ドラゴン”を狙ったが、最大は105cm(数人が釣っていた)。
トップは26匹、2番手も23匹!
午後2時に終了。竿頭は、常連の岸本さんの26匹、2番手が23匹、3番手22匹と十分な釣果だった。この付近のタチウオは、例年年明け1月一杯まで釣れ続く。まだまだ楽しめるので、ぜひ“モンスター”を狙いに出掛けてみてください。
帰港すると、若女将がおしぼりとコーヒーを用意して船着場で待っていてくれた。若女将と常連さんの間で「明日は空いている?」、「満船です。ごめんなさい」、「明後日は?」の会話。『仙正丸』のタチウオ人気の高さが印象的だった。
※出掛ける時には予約を忘れずに。