伊達丸・静岡県御前崎港
2016.4.8号
御前崎マダイ乗っ込み中、タイラバでナナマル(70cm)オーバーを狙え!
東海のマダイの聖地、静岡県・御前崎沖ではもっか乗っ込みの真っ最中。ニューフェイスのタイラバ釣法で狙っている御前崎港『伊達丸』でも、2月中旬から目標とする70cmオーバーの大型が頻繁に上がり、現在でも継続中だ。やはり“大ダイ”ヒット率を考慮するなら、体力に勝っている大型が先に動き出す、春の乗っ込み期が一番。伊藤嘉朋船長にアドバイスを聞いてみた。
浅場から深場まで広いレンジを攻略中
「まあ、どちらかというと越冬期の深場、つまり水深80~100mの方が、当たり外れが少ないんですよ。低活性とはいえ群れてますから。とは言っても、大型一発を狙うとなれば、やはり乗っ込み期でしょう。春は三寒四温で、水温もムラがありながら上昇していきますが、この安定しない状況にしっかり対応できるのが、体力があって口を使える大型なんです」と話すのは、磯釣りトーナメンターを経て数年前に遊漁船を始めた伊藤嘉朋船長。御前崎沖にタイラバを導入した新進気鋭の船長だ。
もっか、大型は水深80~100mの落ち場からふわりと浅場へ浮上中。全ての大型がそうとは限らないが、水深30~50mでもヒットしているところをみると、まずは順調な乗っ込み期を迎えているとみていいだろう。
「ただし、難しいシチュエーションでもあるんですヨ。一日の開始は乗っ込みダイを狙って浅場から攻めていくんですが、やはり当たったり当たらなかったりとムラがあるんです。お客さんも乗っ込み魚狙いですから、極力粘ってみますが、どうしようもない時は、依然として安定している深場の越冬場所へ行ってみたりもします。型は別にして、ある程度の数は釣ってもらわないと、お客さんに申し訳ないですから」と船長。
タイラバは軽めから重めまで多種用意
このため、広いレンジに対応するタイラバの重さが必要になり、『伊達丸』では現在、40g前後の浅場用から200g前後の深場用まで、なるべく多くのバリエーションを持参してくれるよう、予約時にアドバイスしている。なお、タイプは現在主流の遊動式。同じ重さでもシルエットが小さくなるタングステンタイプがいいそうだ。 重さの他に、タイラバには玉(オモリ部)、ネクタイのカラーバリエーションが大切というか、一番の重要項目。
「一番重要なんですが、一概に断言できないのがこの項目。定番のオレンジ系は持っておいた方がいいし、春は潮が濁る時期だから派手系もあった方がいい。ここの傾向としては、3~4月はチャート系の色がお薦め。玉、ネクタイどちらかをチャートにして他方を変えたバリエーションですね。あと、ゴールドネクタイもいいですよ」と船長。これについてはアングラー個人のこだわりもあるので、情報を基に“自分色”を出してチョイスするのがよさそう。
その他のタックルについては図のようなもので、タイラバ釣法のベーシックと言えるもの。ただし、ライン(道糸)だけは300m以上巻いてきてほしいとのこと。ドテラ流し(船を横にして流すこと)なので、ラインは余計に出る傾向があるのと、乗っ込みの大ダイ期だけに、フッキング後のファイトで無理できないためだ。その意味ではリーダーとPEの結節システムも、しっかりとやっておくことが大切。
がっちりフッキングするベストスピードを探れ!
この釣りは、海底へタイラバを沈め、上層へ巻き上げてくるのが基本。初めのころは、とにかくスローリトリーブと言われていたが、現在は多少アクションをつける場合もある。そして数年前からは玉(オモリ)とラバースカート&ネクタイが分離して、玉が遊動式の方法がスタンダードになった。固定式もふくめ、アタリがあってもリトリーブを止めず、ググッと“本アタリ”があったときに、大きくはないが腰が入った、持ち上げるような合わせを入れる。
遊動タイラバで圧倒的にアタリは多くなったが、それがフッキング率と連動しているかといえば別問題。スロー引きや斜め引きは玉とネクタイが離れることになり、ネクタイの動きが良くなるので、アタリは多くなる。しかし、玉とフックのあるネクタイ部が離れているので、その分フッキングしにくいのだ。半面、速め(というか適正速度)のリトリーブで玉とネクタイをくっつけた状態で巻くと、アタリは離している状態より少なくなるが、フッキング率は格段にいい(図参照)。
「その日、その日のマダイの活性によって、アタリもよく出て、フッキングもしやすいリトリーブスピードがあるんです。そこを見つけることが、まずは大ダイへの第一歩といえますね」と船長。乗っ込み期は中盤に入りつつあるが、大場所の御前崎沖だけに、まだまだ型モノは沢山いる。頑張ってチャレンジしてほしい。