利八丸・千葉県勝山港
2016.4.8号
ロングスパート!洲崎沖のヤリイカ
今期は高水温の影響もあり、シーズン序盤は釣果が伸びずスロースタートだった千葉県・南房、洲崎~白浜沖のヤリイカ。1、2月で水温がグッと下がり4月上旬現在、安定した釣果が出ているが、今シーズンはいつまで狙えるのか。千葉県勝山港『利八丸』の舟宝康弘(ふなとみやすひろ)船長に聞いてみた。
“折れ”や“スジ入り”のヤリイカがまだ1匹もいない!?
「例年なら4月に入ってくると、手で持つとクニャって折れてしまったり、スジが入った身の薄いイカも少し交じってくるのですが、今年はまだ1杯もいません」と船長。今シーズン、例年通り11月からスタートしたヤリイカ釣りだが、12月までは水温が20℃を下回らずに釣果がパッとしなかった。しかし、1月に入り水温は16℃台までグッと下がり釣果も急上昇。水深100m前後で連日1人90杯の釣果が出ていたのだとか。4月上旬現在、水温は16℃台で安定しており、洲崎~白浜沖水深150~200mで小~大型(20~45cm)が交じって釣れている。船長は、「この様子だと今年は6月前半まではヤリイカ狙いで行けそうですね」とロングスパートの太鼓判を押す。
ツノのカラーは薄い色で攻める
ヤリイカ釣りで船長お勧めの竿は長さ1.5~1.8mの8:2~9:1の先調子。アタリが明確に取れるので慣れていない人ほど先調子が良い。リールは電動3000番クラスに道糸PE4号を300m巻いてあれば深場でも対応できる。仕掛けは幹糸フロロ5、6号、枝間1.2~1.5m、枝スはフロロ3、4号約10cm。『利八丸』のヤリイカ船ではプラヅノ11cmで1シーズン通せる。ツノの色は薄い色がお勧め。薄い青、水色、蛍ムラの3色をベースとして、スッテは入れるとしたら紅白7cmが良い。カンナはシングルが定番だ。
サバの邪魔が無いからブランコでも安心
オモリは通常150号、タナが浅い時は120号を使用する。仕掛けは中級者まではブランコがお勧めだ。中級者であれば「俺は直結でも取れる!」と言う人もいると思うが、今年は例年に比べるとサバがほとんど邪魔しない。一日釣りをして船中約5匹程度なので、バレの少ないブランコが手堅いだろう。『利八丸』は土、日になれば10人中1、2人はイカ釣り初めてのビギナーがいる船宿。イカ釣り初めての人でも安心して乗船でき、“お土産”には十分なりそうだ。
着底時が乗りのチャンス!
船長にコツを聞いてみた。「何と言っても着底が大事ですね。流しかえて最初の投入。これが一番大事です。最初の投入の着底した瞬間に乗る事は良くあります。とにかく移動中には次の投入ができる準備をして待ち、着底時に集中して下さい」との事。着底して仕掛けが下を向いて真っ逆さまに落ちていたツノがフワッと海底付近を漂う。この瞬間にヤリイカが触ったり乗るのだろう。船長お勧めのツノは“カラフル”や“ミラクル”が良い。ツノ数は慣れている人なら10本、慣れていない人は5本程度にした方が無難だろう。
お楽しみは豪華な塩辛で♪
イカ釣りの醍醐味の一つは、船上での仕込みだ。「狙いはヤリイカなのですが、スルメイカが数杯交じるのでその肝を大事にとってクーラーに入れて持ち帰り、新鮮なヤリイカの身と和えて塩辛を作る。これが常連さんの間で人気です」と船長。南房総のヤリイカ釣りはまだまだ楽しめそうだ。