ふじ丸・静岡県戸田港
2016.4.22号
シーズン開幕!駿河湾・戸田沖のムギイカ
4月1日からスタートした駿河湾・戸田沖のムギイカ(小型のスルメイカ)。昨シーズンは4月下旬頃には束(100杯)超えの好釣果が続いたが、今シーズンは果たして!? 直近の状況やお勧めのスッテ&プラヅノ、釣り方を静岡県・戸田港『ふじ丸』の山田真一船長に聞いた。
今シーズンは昨年よりも2週間遅れてのシーズンイン!
「今シーズンのムギイカ船は、4月1日スタートでした。例年並みと言えますが、昨年よりは約2週間遅れですね」と、山田船長。例年だと、4月20日頃には1束、2束と釣果が安定してくる時期なのだが、今年はまだ大きな群れが回遊していないせいか、4月初旬に竿頭90杯が一日あったのみ。束超えの釣果はまだ見られていない。「ムギイカは例年、土肥沖周辺から始まり、週を追うごとに沼津湾奥へと入っていきます」。今シーズンは沼津湾奥まで入ったムギイカの群れはまだ多くないようだが、今後、潮回りごとにムギイカの群れが入ってくる可能性は高い。ムギイカの新群が入ってくるのが確認できる場所でもある『ふじ丸』の釣果は要チェックだ。
浮きスッテ2.5号直結仕掛けで数を伸ばそう
「オーソドックスな釣り方は、竿での浮きスッテ2.5号直結仕掛けですね。慣れている人なら10本前後、一般的には5本程度が手返し良く、お勧めです。枝ス間は約1mあればOKです」と船長。ムギイカが釣れ始めるこの時期は“春濁り”の潮と呼ばれモスグリーンのような色をした特徴的な潮色。そのため潮色が暗いが、その中でもムギイカにアピールする事が必要になる。一般的にこの時期には全体的なフォルムが大きく、アピール出来る浮きスッテが良いと言われる。そして5~6月と季節が進むに従って潮色が澄み、透明度の高い潮で威力を発揮するプラヅノにも乗る日が徐々に増えていくのが、例年の傾向だ。船長曰く、浮きスッテの色は特に気にしなくて良いそうだ。状況次第ではプラヅノ11cmのブランコ(ヤリイカ仕掛け)や一つスッテの方が、釣果が伸びる事もあるので余裕がある人は用意をしておこう。
一晩中のシャクリに耐えられるタックルセットで挑もう
「竿の長さは2.0m程度の短めの軽い竿がお勧めです。一晩中シャクるので、電動リールがあればなお良いです」。使用するオモリは60~80号のため、それを背負える竿であればOK。竿の調子はそれぞれ好みがあるため、その人にあったものが良いそうだ。ここ数日の釣り場はボトムが110m。仕掛けは底までは沈めずに60mまで沈め、海面まで1m刻みくらいでシャクリをかけていく。電動巻き上げを使う場合は、自動巻きの中速(シマノ電動であれば8~10)程度が良い。乗りが悪い時には80mまで沈めて同じ動作を繰り返そう。
どれだけ貪欲になれるかが釣果を伸ばすコツ!?
「ムギイカ釣りだけではなく全ての釣りに共通して言える事なのですが、その釣りものに対してどれだけ貪欲になれるか。それが釣果を伸ばすコツだと思います」と船長は熱く語る。ムギイカといえども時合が短い場合が少なくない、その時合をどれだけ有効に手返しよく釣る事ができるか。また、乗りが渋い時にも飽きずに、浮きスッテをプラヅノに変えてみたり、水中ライトの色を変えてみたり、電動リールの巻き上げ速度を変えてみたり、どれだけ試行錯誤を繰り返して貪欲に1杯を取りにいけるか。それが竿頭への近道となり、束釣りへの近道にもなるそうだ。「本当に乗りが渋い時の“特攻餌”として餌巻き仕掛けでタナを探りつつ、置き竿で釣る方法が有効な場合もあります(笑)」と船長。 4月下旬からムギイカ好期に突入! 「爆発的な釣果は希望的予測になりますが、例年ですと4月下旬頃には新しい群れが入ってきて1束、2束の釣果が出ているので、今シーズンも期待できるでしょう」と、船長。7月の中旬までは狙えるムギイカはこれからが楽しみな釣り物だ。