勇幸丸・千葉県片貝港
2016.6.8号
旬魚のダブルチャンス! 千葉太東~片貝沖のイサキ&ハナダイ
千葉県太東~片貝沖でイサキが旬の初夏を迎え本格シーズンに突入。北限と言われているだけに脂もばっちりで、そのうえ良型ぞろいだからうれしい。定数50匹の達成率もグッと上がってきた。コマセ釣りで狙う片貝港『勇幸丸』では、もうすぐ旬のハナダイも後半に狙えるからダブルチャンス。市東吉雄船長の基本レクチャーをお届けしよう。
6月後半までは解禁から好調のイサキがメーン
千葉県外房の太東~片貝沖はイサキを狙う北限だ。ここから北に位置する飯岡港や銚子港はもう、イサキを狙わない。というか、いないから狙えないと言った方が正解か。「他のエリアに比較して水温が低めなので、脂の乗りもいいですよ。もっかサイズは20~35cmですが20cmクラスはわずかで、ほとんど24cm以上ですから、お客さんも満足してくれます」と船長。4月1日の解禁から水温のムラがある割には釣果が落ち込まず、トップは30~40匹から定数50匹の達成もちらほらあるので、まずは順調と言っていいだろう。
もうひとつ、同沖のイサキはアミコマセ釣りで狙うため、同じコマセを使ったウイリーシャクリ釣りで、後半にハナダイも狙えるのが魅力。「ハナダイはまだ最盛期前なので、正直数は出ませんが、ヒットすれば30cm前後の“デコダイ”級良型ばかりです。結局、現在はイサキをメーンにしていますが、6月後半くらいのハナダイ乗っ込み期になれば、そちらをメーンにしていく予定です」とのことだ。
イサキ仕掛けは餌付けが基本
イサキのタックルは房総で流行の短竿LT仕様を用意する人が増えてきたが、まだまだ昔ながらのウイリー竿の60号ビシという定番タイプを使う人も多い。好みでいいと思うが、基本的に手持ち竿で釣り続けるので、持ち重りせず疲れない竿がお勧め。ただし、軽ければ疲れないというものでもないので、バランスをよく考えて選んだ方が良い。
同沖で特徴的なのは、あまりカラー針を多用しないこと。南房エリアではLT短竿に餌なしのカラーバリは定番だが、こちらは別にこだわらない。ノーマルのチヌが基本だが、カラーでも、もちろん可。餌を付けるから関係ないのだ。
「うちは南北に釣り場が広がっておらず、真沖から南へ狙うため、エリア的にはそう広くない。だから大流しなどせず、タイトにちょこちょこ小場所を釣っていきます。そうなると餌取りが寄る前に移動となることが多いので、餌取り対策に空バリにする必要がないんですよ。だから、餌を付けていた方が断然食いがいいんです」と船長。納得の意見である。餌はイカ短とオキアミを状況で使い分ける。なお、ハナダイは定番のウイリー4本バリ仕掛けで一番下がオキアミ餌用の空バリ。タックルはLT、通常どちらでもOK。
イサキはタナが命、ハナダイは食わせる間が大事
「イサキは一にも二にもタナが命です。うちは比較的タイトに移動を繰り返す釣りだから、コマセの煙幕を大きくしてしまうと命取り。効率よく釣りができなくなってしまいます」と船長。基本的には、指示ダナが出るからその下限から上限の間を守ってコマセワークをする。例えば「15~18m」と指示が出たら、18m以上はビシを落としてはいけない。まずは18mでピタッとビシを止め、そこで振ってコマセを出し、そのまま待つ。10秒前後待ってもアタらなければ、1mほど上層でやはり同じことをして待つ。狭い範囲にコマセの煙幕を作り、イサキを集中的に寄せる方法だ。「みんなで守ればイサキはきっちりハリのレンジに入ってくれます。好き勝手にやられるのが一番困ります」とのことだ。
後半のハナダイはウイリーシャクリ釣法。大体、イサキは太東沖、ハナダイは片貝沖に戻ってきて狙う。水深25~30mで魚礁周りをメーンに狙う。指示ダナは8~10mの幅で出るので、下限から上限までをシャクリ上げてくる。基本的には竿先海面の位置からスタートし、まずハリ間の60cm前後をシャクリ上げて竿を水平くらいの位置まで持ってくる、少し待って道糸を巻きつつ竿先を海面向きに戻し、再び同様にシャクッては待つ。これでコマセの煙幕の中にウイリーバリが微妙な動きを見せつつ漂うようになる。
ここで重要なのが、シャクッた後の待ち(竿静止)を必ず入れること。この動作でウイリーがピタッと止まった瞬間、食ってくることが多い。なお、先端のハリにオキアミ餌を付けるが、外れないようにしっかりと付けること。また、今のところ掛かれば大型のことが多いので引きも強烈で、面白いこと請け合いだ。まだ数は伸びてこないが、イサキの釣果が落ち着いて来れば、次はハナダイの出番。楽しみに待っていてほしい。