ZEST号・静岡県清水港
2016.7.22号
4本フックで攻略! 駿河湾・清水沖の夏タチウオ
駿河湾のほぼ中央、清水沖で一年を通して狙えるタチウオだが“夏タチ”(6~8月にかけて釣れる)の釣果が急上昇! 夏タチは例年であれば指2~3本の小型がメインであるが、今年は指3~4本が平均で1kgオーバー(指5~6本)も顔を出す。直近の釣果では実釣2時間で平均20~30匹と数も申し分無し。明け方にルアーで狙う清水港『ZEST号』の杉山彰浩船長に清水沖“夏タチ”攻略法を聞いた。
駿河湾のタチウオは河川に集まる傾向あり!?
駿河湾は安倍川沖、富士川沖、大井川沖等の大きな河川の河口付近がタチウオの絶好の釣り場になっており、その中でも清水港は巴川や興津川の大きな二河川が流入しており、栄養豊富な水が流れ込んでいる好釣り場なのだ。駿河湾の特徴はV字型の急深。少し沖に船を走らせればすぐに数百mの水深になる。
タチウオの魚道と呼ばれる回遊ルートは駿河湾のV字型の縁を通り、昼間は深い場所で生活し、夜に捕食しに浅場へと上がってくる。その浅場で釣るのが駿河湾の釣り方なのだ。水深は70m前後で狙いダナは30m近辺を釣る場合が多い。 夏タチのベイトは小型イワシ(カタクチイワシ等)を捕食しているケースが多いため、ルアーにも果敢にアタックしてくるのだ。
これが『ZEST号』の流し方の拘りだ!
『ZEST号』では海面にライトをあててタチウオを集めると言う“待ちの釣り”と言う考え方ではなく、動き回るタチウオの群れを船長が操船して魚探で反応を見つける“攻めの釣り”を展開していくのが船長の拘りだ。ルアーを見たことが無い魚であれば、ルアーに擦れておらず果敢にアタックしてくる可能性が高い。そう言った群れを探して釣果を伸ばして行くのだ。
「アンカーは打たない! これが僕の拘りです。タチウオって意外におりこうさんで、ルアーに対して簡単にスレるんです。反応はあるけど、見切り始めた群れは極端に食いが悪くなる。その群れに執着するのではなく、釣り人の方から動いてその群れじゃない群れを探す。群れによっては凄く反応の良い群れもあるので、ルアーに対して好反応の群れを探し当てた時がチャンスタイム♪ レンジ、ウエイト、カラーをあわせて逆に船に群れがついてくるように、常にそのレンジに釣り人のルアーが泳いでいるかのように、呼吸をあわせて次々に釣っていきましょう」。それにより船に乗った釣り人達の一体感を生んでいくのが杉山スタイルと拘りの流し方だそうだ。
タチウオのおすすめのタックルは?
船長お勧めの竿はタチウオ用ライトタックル6.6ft、リールはジギング用のベイトリールでシマノなら300番、道糸はPE0.8号300mにフロロ6号20~24lbを2ヒロセット。更にその先に100lbのナイロン30cmを電車結びでセット。その先大き目のスナップをつけ、そこにさらにそれより長めのスナップをセットする。2個目のスナップにはジャッカルの4本フックをセット。1個目のスナップに130gアンチョビメタルをセット。勿論テール部分にも4本フックをつけよう。
フックのサイズは80gの小さいジグを使う場合はSサイズ、130gの場合はMサイズ、160gの場合M又はLサイズを使用する。カラーは蓄光のピンクゼブラがマストアイテム!パープルゼブラも蓄光のカラーとして有効だ。ルアーは基本的に蓄光なので朝まづめに蓄光部にライトをあてて、光らせて釣るとより効果を発揮できるだろう。日が昇りきった時にはゴールドカラーにチェンジすると良いそうだ。
巻き上げ時もフォールの間(ま)を作る
浅い場所はゆっくり…スローでのワンピッチジャーク。ワンピッチジャークでは一瞬フワっとフリーに浮かすイメージで誘う。上げながらも一瞬ラインスラッグをわざと出す感覚だ。その瞬間にモゾッと上から下にクッと食い下げる、又はカップッとかんでそのまま動かないアタリもあるそうだ。 活性の良い時にはリールをサミングしながらのフォール中にもガツガツ止まる場合もあるため、その時には間髪入れず大きくアワセを入れよう。
パターンとしてはフォールで喰うのか巻きで喰うのかによってパターンを変えるのだが、フォールでのアタリが多いと感じた時には、巻きの状態でもフォールする状態を一瞬作ってあげる事で、巻き上げ時にもより魚にアピールする事が出来る。 フォールで喰うときには130~160gの重たいジグが有効だ。なぜかと言うと、重めのジグは落下スピードが速くなる。軽めのジグではタチウオがアタってもジグが弾かれてしまう場合がある。ウエイトがあればジグが弾かれずに4本フックが効果を発揮し、ナチュラルにフッキングしてくれると言うわけだ。また、例えばタナ30mでタチウオが他の人にヒットした場合は、30mからワンピッチで3~5回速いピッチでシャクリながら0.5秒くらいの短い“間(ま)”を作りタチウオが食う時間を与えて釣るのだ。
仕事前の一仕事で気分良くお仕事へ♪
「夜が更けて日が昇るにつれてタチウオのレンジはどんどん下がります。
最深部では120mでやる事もあります。それ以外の誘い方は船長に聞いていただければ誰でもお教え致しますヨ。
気軽に聞いちゃってください。皆様にご好評いただいている“仕事前の一仕事”(笑)平日もお待ちしております♪」。