こなや丸・千葉県長浦
2016.8.8号
夕マヅメにバリ食い! 木更津沖のLTアジ絶好
入道雲が連日もくもく湧き上がる真夏。暑さもピークに差し掛かり、船釣りもちょっと軽めの半日船がちょうどいいかも。そう思っている釣りファンにお勧めなのが、千葉県長浦『こなや丸』が出している午後LTアジだ。短時間ながら、ばっちりマヅメ時を狙えて、連日トップが50匹から束釣りと釣果はメガトン級。そこでアジ担当の小沢一滋船長に入れ食い術をレポート。
夕方のスウィートタイムを狙うために午後船
半日釣り、特に東京湾のLTアジ船は、ともすれば午前船が人気。気温が上がり切らない時間帯と、午後から自由になる気軽さが受けていると思うが、ではなぜ、『こなや丸』は午後船か。「マヅメ時の前後を狙いたいからなんですヨ。東京湾のアジは全般的にいつもよく食いますが、やっぱりマヅメ時をピークにその前後の時間帯が一番食う。ですが、特に夏の場合は午前船だと日の出が早過ぎて、マヅメ前後を狙えないんですよ。
午後船でも、やはり日没は遅いわけなので本当のマヅメは駄目ですが、納竿が午後5時ごろなので、その近辺は狙えるんです」と船長。実際、夏場は陽の高い出船直後はあまり食いが立たないが、午後3時過ぎくらいから俄然、食いが立ってくることは日常茶飯事。同船は翌年の1月まで出船するが、日没のマヅメ時がばっちり納竿までに被る秋以降は、食い気のスイッチがはっきりわかるほどだという。
「水深はわずか7~8m。海が茶色の濁りにならない限り、うちが狙う一番浅い水深です。何の変哲もない平場のようなポイントなんですが、夏は例年、大群が来る。今年も安泰なようで、開始時に大した魚探反応がなくても、ある程度潮があってくれれば、アンカーを入れて少しすれば、グワッと反応が立ち始めますヨ」と太鼓判だ。
「水深はわずか7~8m。海が茶色の濁りにならない限り、うちが狙う一番浅い水深です。何の変哲もない平場のようなポイントなんですが、夏は例年、大群が来る。今年も安泰なようで、開始時に大した魚探反応がなくても、ある程度潮があってくれれば、アンカーを入れて少しすれば、グワッと反応が立ち始めますヨ」と太鼓判だ。
浅場のアジは掛かると横走りする
もうひとつ、そんな浅場な割には大型が結構掛かる。最大38cmクラスで、30cm級も頻繁だ。まあ、夏アジだから15cm前後から25cmが主体だが、船長曰く「東京湾に限ったことではないが、水深の深さで大きい小さいはないと思いますよ」とのことだ。ともかく、この浅さで25cmより大きいアジが掛かるとスリルは満点。そこで仕掛けに少し特徴が。
東京湾のLTアジでは今や、ハリスの太さは1.5号が定番だが、『こなや丸』では2号を標準としているのだ。これは浦賀水道など東京湾口の通常ビシのアジ釣りの昔の定番号数で、同エリアでは現在1.5号あるいは1.75号などを使う人が増えてきているため、逆行しているかに見えるが……。
「大きくても、深さがあって真下に引く分には1.5号で十分なんです。ですが水深7~8mになると浅すぎて、掛ったアジは横走りする場合がある。特に大型は顕著です。ですからハリスを太くして、ある程度強引に竿をためていかないと、隣とオマツリしちゃったり、根ズレで切れたり。その防止なんです」。なるほど、サバの対処の仕方に共通点があるわけだ。ただし、相手はサバより数段、口が弱いアジ様だ。ぶっきら棒の強引ファイトで通用するほど甘くない。「そこのところが、なかなか奥が深くて。浅場のアジって、そう簡単じゃないんです。でもそこが面白い」と船長はいう。
ビギナーのダブルヒット用仕掛けも用意
いくら魚探反応が立つと言っても、やはり勝手にコマセワークをしていてはタナがボケ始める。タナボケとは、魚が拡散してしまい効率よく釣れなくなることだ。「浅いから簡単だと思うでしょうが、なかなかどうして。警戒心が強いからタナはシビアだし、変な風にコマすと大タナボケします。だから必ずビシは海底まで落としてもらっています」と船長。 基本ダナは下から2mだが、50cmか1m刻みでコマセを振り、振った後、少し待ちを入れて探りながら、2mへ持っていくようにする。
そして、やはり好釣果を叩き出すにはダブル、トリプルでヒットさせるのがコツ。食いダナが狭いから、1匹目がハリ掛かりしてからは、ごくゆっくりとリールを巻いて、コマセ帯を通過させるようにしよう。ただし、ビギナーの場合、ダブルやトリプルで掛っても取り込みに苦労することがままある。やはり仕掛け全長2mというのは、経験がないとやっかいなもので、これにお騒がせのサバなどがヒットしようものならひと騒動である。そんな不安を吹き飛ばすために、『こなや丸』ではビギナー用に全長1mの2本バリという特製仕掛けを用意している。これなら経験が浅くてダブルヒットしても、難なく取り込めて数も伸びるというわけだ。
「夏アジのポイントはほぼ、アンカーを入れて釣りますから、場所を決めてしまえば船長は操船する必要がないんです。だから、どんどんサポートしますから、気軽に声を掛けてください。
レンタルタックルのお客さんでも、30~40匹行く可能性は十分ありますからね」とうれしい言葉をくれた船長。是非とも夕マヅメのバリ食いを味わいに出かけてみてほしい。おっと、夕方と言っても釣り始めはまだ真昼間の炎天下だから、飲み物は十二分に用意し、帽子やサングラスで身体の保護を忘れずに。