代々丸・和歌山県 白浜町 富田浦袋港
2016.9.22号
狙え大物! 和歌山県白浜沖の“アンダーベイト”
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日夜、海中で繰り広げられている弱肉強食の自然界の食物連鎖を利用した “アンダーベイト”の釣り。「このダイナミックでクリーンな釣りをもっと多くの人に楽しんでいただきたい」という和歌山県白浜町富田浦袋港から出船している『代々丸』の濱本浩二船長に聞いた。
“アンダーベイト”ってなんだ?
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はじめに“アンダーベイト”ってなんだ? という人のために、この釣りがどんな釣りなのかを船長に説明してもらった。
「カンタンに言うと、ベイト(餌になる小魚)の下(アンダー)にいる魚(フィッシュイーター)を狙う釣りのことです。白浜沖でこの釣りをやりだしたのは20年以上前。アジをサビキ仕掛けで釣っていたら、仕掛けに掛かったアジをハマチやカンパチが食いに来て、仕掛けをブチ切られることがよくあった。
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ならば…と、仕掛けを太くして沖でやってみたら大型の魚を釣り上げることができた。その当時はイシダイバリにハゲ皮やボラ皮、フグ皮、ビニールなどを付けた太いサビキ仕掛けにアジを食わせ、ハマチやカンパチをノマセ釣りしていました。それ以前はアジを釣り上げて1匹掛けして泳がせ釣りしていたのですが、餌のアジを人間が触ってしまうためアジの弱りが早く、食いも今ひとつでした。そこで太ハリスのサビキ仕掛けにベイトを直接食わせてそのまま底へ落とす釣りになっていったのです。ハリも魚によりアピールする大型の平打ちバリが使われるようになりました。
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ところが、ハリが大きくなるにつれて空バリではアジが掛かりにくくなりました。ナゼか? ハリが大きく重くなったために、ハリの動きが悪くなったのです。そこで、ハリが沈むスピードを遅くするため、フラッシャーを付けるようになりました。…こんな具合にして、現在の“アンダーベイト”の釣りへとどんどん進化していったんです」。
エダスの長さは究極の7㎝!
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“アンダーベイト”の釣りがどんなものかは分かった。では具体的にどんな仕掛けとタックルで釣りをするのか?
「サビキ仕掛けはエダスの太さが6~14号、長さは “7㎝”が今のところ究極の値だと思っています。白浜沖の釣りは糸をバーチカルに立てる釣りなので、長過ぎると枝バリが泳がずベイトの食いが悪い。短い方がいいというわけで、長年、試行錯誤した結果、ベイトが掛かりやすい最も短い長さで、しかもフィッシュイーターが掛かったときギリギリ取れる長さ、ということで “7cm”に落ち着きました。
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ハリは平打ちバリの13~14号、4~5本バリ仕掛けを使用します。ハリのサイズはベイトが掛かる最大の大きさで、大物が取れるギリギリ小さいサイズです。当船オリジナル仕掛けの“JFFジェイフラッグフィッシング) 『アンダーベイト 落とし込みスペシャル 鈎』”、ハヤブサの『強靭イサキ鈎』13号、5~6本バリ仕掛けなどがお勧めです。 PE道糸は基本3号以上を使用します。通常3~4号でOKです。“ライトアンダーベイト”ならPE2号でもOK(オモリは40号)です。PEを新たに巻き直すなら、各メーカーから発売されている新しい素材のものが感度がよく、ベイトのイワシが掛かっても瞬間に分かるのでお勧めです。
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オモリはベイトの大きさによって60~150号を使い分けます。リールは手巻きの人もいますが、電動ならシマノの『フォースマスター2000~3000番』か『ビーストマスター3000番クラス』。ダイワなら『300~400番クラス』。微妙なドラグ調整ができるものがお勧めです。
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ロッドは短すぎるとベイトが釣りにくく、長いと大物を掛けてからのやりとりが大変です。長さは2m前後が基本で、ダイワ・ゴーイン落とし込みS210やライトタックルなら、ダイワ・スリルゲームやシマノのモデラートがお勧めです。」
ベイトを掛け素早くフィッシュイーターの遊泳層を探る
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最後に釣り方について。
「まずベイトの掛け方についてですが、ベイトがどこで掛かったか手元で瞬時に分かるような仕掛け、タックルを使用することが理想です。 ベイトの群れは船下でじっとしているとは限りません。船を群れの上に乗せてもスッと抜けていくことも多いです。
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ですから素早くベイトのタナを探ることが重要です。ベイトが掛かったら、今度はベイトを下から狙うフィッシュイーターの遊泳層を探ります。魚探の反応を見ながら船長がアナウンスする、大まかな目安のタナを探っていってください。
アタリはベイトが逃げ回るようなアタリの後に、一気に底に突っ込むアタリもあれば、ベイトをもて遊ぶようなじれったいアタリもあります。
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アタリは魚種によっても違うので、アワセのタイミングは一概には言えませんが、早合わせはNG。基本向こうアワセでOKです。
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そして、フッキングさせたら素早く巻き上げる。ポイントによっては根が荒いところもあるので、モタモタしていると根に巻かれたり、逃げ込まれてバラシてしまいますので注意してください」。
今シーズンの白浜沖はベイトが多く期待できる!
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さて、気になる最近の釣況はどうだろうか?
「白浜沖は例年、GW明けからイワシの群れが回遊してくるんですが、今年はものすごくベイトがいて、サバ、イワシ類、アジ類が多過ぎるくらいの状態が続いていました。餌が豊富過ぎたせいか“アンダーベイト”は釣果がイマイチだったのですが、最近、イイ感じで魚が上がりだしました。
今年、和歌山ではカツオが久しぶりによく釣れ、カツオ狙いに走った船も多く、ポイントにあまり竿が入らなかったこともあるのではないかと思います。 ポイントの水深により魚のサイズはバラバラですが、カンパチの40㎝前後から50~58㎝、60~80㎝クラスも釣れだしています。また、ハマチ、メジロにまじってブリクラスも上がっています。“アンダーベイト”で釣れるのは青物だけではありません。マダイの60~65㎝も上がります。
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9月3日にはフィッシャーマンズワーフ白浜で、遊漁船10隻が参加した『ワンデーバトルin 白浜2016アンダーベイト大会』が開催されました。2枚潮の悪条件下、11.5kgの大ダイを釣り上げた船や、ハタの5~8kgを釣った船もあり大盛況でした。これから11月ごろまで(年末まで釣れ続いた年もあります)楽しめる白浜沖の“アンダーベイト”ぜひ大物を狙いにお越しください! お待ちしています!」。