豆や・東京都江戸川区鹿骨
「1粒で2度美味しい」“リレー船”、タチウオ&アジ
新中川を下り東京湾へ
『豆や』は、千葉県・浦安で東京湾に注ぐ新中川に架かる鹿本橋の袂にある。11月20日の午前6時過ぎに待合所に到着すると、7、8人の釣り人が乗船名簿を書きながら、のんびりした雰囲気で談笑していた。早朝の船宿待合所に在りがちな殺気立った雰囲気など微塵もない。まったりとした感じが心地よい。
この日の乗船者は私とカメラマンを含め11人。我々は2人で1組の道具を出したので、両舷に5組ずつの道具が並んだ。就航して2年足らずの大型快速船である。隣の釣り人とは十二分な間隔があり、釣りやすそうだ。
6時半過ぎに船着き場を離れ、新中川に架かる橋を次々に潜り、東京湾に出た。天気予報では「朝の内雨」と言っていたが、幸いにも雨が落ちて来る気配はない。少々寒かったが、キャビンに入らず東京湾クルージングを楽しんだ。
“指5本”級交じりで好スタート
午前8時を少し回った頃、観音崎沖に到着。既に30隻近い釣り船がタチウオを狙って船団を作っていた。「水深は80m、タナは下から15m以内です」。舵を握る細川秀幸船長からアナウンスがあり、我々の船もさっそく仲間入りした。80号のオモリを付けた天ビン2本バリの仕掛けに餌のサバの切り身をチョン掛けにして沈めた。周りの船では、あちらこちらでタチウオが取り込まれ、食いはいいようだ。リールの水深計が91mを指したところで着底。潮の流れは結構速い。それでも底を5、6m切ったところでアタリを待つと、間もなく竿先がククッと入るアタリ。そのまま竿を立ててリールを巻き出すと、確かな手応えが伝わって来た。初獲物は1mを少し超える“指4本”弱のサイズ。
同乗の人達にも次々にタチウオが掛り、中にはダブルで釣り上げる人もいた。釣れて来るタチウオのサイズには相当なバラつきがあり、“指5本(115~120cm)”クラスもいる反面70㎝前後の小型も交じって来る。これだけ型にバラ付きがあるのは、魚影が濃い証拠である。半径100m程の中に犇めく30隻程の船で絶え間なくタチウオが釣り上げられ、それを実証していた。
タチウオの成績は7~17本
午前10時を過ぎる頃になると、流石に食いが悪くなり、固まっていた船団が徐々にバラけ出し、タチウオの群れを求めて散って行った。我々の船も何度となく、場所替えを繰り返しならが、ポツリポツリではあったが、全員が数を伸ばしていった。
「大分食いが悪くなって来たので、少し早めにアジに行きますよ」。11時少し前、船長からアナウンスがあり、後半戦に突入した。
タチウオの成績は7~17本。我々も2人で代わる代わる竿を握って9本を釣り上げた。海面で3、4本バラしており、3時間足らずの釣りとしては十分な釣果である。
丸々と太った良型アジが好調!
アジの釣り場は、観音崎沖から少し東京湾を北上した猿島の沖当たり。「水深は50m前後、タナは下から2、3mです」と船長。この日は大潮回りと言うこともあり、潮の流れが速く、130号のビシでも道糸が斜めに落ちて行った。我々は右舷側に座っていたが、運の悪いことに、この日の潮は右舷側から左舷側に流れていた。
「最近は、ライトタックルのアジ釣りが流行っていますが、ウチのお客さんは、数はいいから型がいいのを釣りたいって人が多くて~」と船長が、130号のビシ釣りに拘る理由を教えてくれた。間もなく、左舷側で22、23~25㎝級を中心に丸々と太ったアジが釣れ出した。我々の道具にも時折アタリがあり、型のいいアジが釣れては来るが、左舷と右舷では歴然とした差が出ていた。潮は右舷後方から左舷前方に流れており、最も割を食ったのは右舷のトモ(船尾)側の2人。逆に最も幸運だったのが、左舷のミヨシ(船首)側だった。それは釣果に明確に現れ、右舷側の2人が3尾と5尾だったのに対し、左舷のミヨシの人は何と40尾のアジを釣り上げた。
アジのトップは何と40尾!
午後2時半前の定刻に納竿となったが、アジの釣果は20~35㎝を3~40尾、我々は2人で9尾だった。しかし、右舷側でもミヨシ寄りの2人は、20尾以上釣っており、タチウオ同様、アジの魚影の濃さには太鼓判が押せる。 この日の状況を見る限り、タチウオ10尾にアジ15、16尾を釣る気なら、それ程シッチャキになる必要はなく、のんびりと楽しめる。タチウオとアジの“リレー船”、少なくとも1月一杯は楽しめるとのこと。日並みのいい日を選んでのんびりと出掛けてみてはいかがだろう。
(野口 哲雄)
今回利用した釣り船 |
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東京都江戸川区鹿骨『豆や』 〒133-0073 東京都江戸川区鹿骨6-1-1 TEL:03-3679-2065 (定休日:毎週火曜日) 詳細情報(釣りビジョン) 豆やホームページ |
出船データ |
6時40分出船 ¥9,500(税・餌込み)女性・中学生以下¥7,500 |