釣りビジョン

つり幸・神奈川県川崎

2017.1.22号

東京湾のルアーシーバス、底ベタに固まって再び好機!

表紙

例年通り晩秋から好況が始まった東京湾のシーバス。序盤は勝負が早い高めのタナで入れ食いを演じていたが、年が明けてグッと水温が落ち込んだ現在、低層へ固まって、また違った面白さを味わえる好機第2弾に突入した。そこで午前&午後の半日船で好釣果を連発する神奈川県川崎「つり幸」の幸田一夫・大船長に、厳寒期の攻略法を聞いた。

東京湾で人気定着のルアーシーバス船は今期も好調

やったね60cmオーバーの良型ゲット

小魚やエビ類を主食とする魚食魚のシーバス(スズキ)。東京湾の釣り船では、昔はサルエビなどエビ餌で狙うのが主流だったが、エビ網漁師の老齢化による激減などで年々減少。代わって陸釣りで定着していたルアーフィッシングが、船からも通用するというか、かなり有利なことが判明。以来、釣り船はどんどんルアー化し、いまや東京湾ではルアー船が完全に主役となった。その一角を担うのが『つり幸』だ。

レギュラーサイズなら連チャンヒットもある

「1月に入って水温がグッと落ち込んできたから、上のタナの釣りは一段落して、底の釣りになってきました。餌になる小魚もちょっと深めのストラクチャーに固まりだすから、それに吊られてシーバスも沈んでいく。小魚同様、シーバスも固まりだすから、狙いどころがはっきりしてくるんです。

まあ、水温が下がりますから、活性も多少は低くなるんですが、それらをどうやって食わせるかという、晩秋とはまた違った面白さが出てきますね」と船長。

現在狙っているポイントは主に2ケ所。40~50cmとやや小さめだが、数が出る羽田沖。同沖より若干数は落ちるが60cm級から80cm超のランカーサイズまで交じる木更津沖。これらを状況に合わせながら探っている。

メタルジグはピンク系と赤系交じり物が実績あり

東京湾の遊漁船のルアーシーバスは、多人数で狙うことが多いため、障害物など細かなストラクチャーに単体で付いている浮き気味の魚をタイトに狙っていくわけではなく、ある程度大きな群れを目指すため、レンジが深めになる。このためトッププラグなど軽いルアーは使わず、主にメタルジグなど重め系だ。

定番のメタルジグの一例。右はイチ押しのピンク系、左がブルー系

竿も陸釣りのように遠投を必要としないうえ、取り回しの良さから6~7フィートと短め。要は船用の専用タイプを選べば間違いない。リールは現在、船の真下へ落とし、細かな操作をする場合があるので両軸リールが船長のお勧めだ。

「メタルジグのほかスピンテールジグなども使いますが、厳寒期の底ベタ狙いには、ほぼメタルジグでいいでしょう。重さは60~80gが東京湾遊漁船の定番。色はピンク系が特に実績があります。他にブルーなどナチュラル系に、アクセントで赤いラインなど赤系が交じっているものが、なぜかいいですね」と船長。昔から陸釣りには鉄板ルアーとして“レッドヘッド”という頭部が赤いものがあるが、それと共通性があるのは面白い。

連発に心は熱いが、厳寒期なので防寒はしっかりと

予算に余裕があるなら多種多様持っていた方が安心というのがルアーファンの性だが、最低限というなら上記を用意すれば、何とかなりそうだ。

厳寒期はタダ巻きが鉄板パターン!

釣り方は狙うレンジが底ベタだと分かっているので難しくない。まずはリールのクラッチを切ってフリーにし、ジグを落とし込んで着底させる。魚群がベタ底から、そのちょっと上層までとレンジが狭いので、レンジが広い晩秋~初冬ほどは、糸フケアタリは出ないらしい。「タダ巻きがいいんですよ。巻く速度については絶対的にこれというスピードはありませんから、いろいろ試してください。そのうち、今日はこのスピードだ!というのが把握できればしめたもの。パターンをつかんだらいい釣りができます」。リトリーブスピードは厳寒期なので、ゆっくりが常道。

2秒でハンドル1回転くらいで、後は微調整で試していく。なお、竿先が海面へ向けて下がった状態で巻くのがセオリー。 もうひとつ、やるとしたら竿を小さな幅であおりつつ(トゥイッチ)巻き上げてくる方法だが、厳寒期なので、あまり派手にやらずソフトめに。タダ巻きもこちらも、指示ダナの上限まで行ったら止めて、また底まで落とし込もう。

アタリは竿先を押さえこむようにググッとくる。ここでビックリしていきなりアワせるとスッポ抜ける可能性大で、特に厳寒期は顕著。しっかり竿に乗った(抑え込む)状態まで待ってから、竿を引き戻すようにアワせよう。前述した竿先下向きで巻くのは、アタリがあった時点で竿が水平前後になっていると、そこから上部(頭上)への竿操作でアワセを入れなければならず、フッキングへしっかり力が伝わらないという理由がある。シーバスは口周りが硬いのと、受口なので、それほど捕食が上手ではないため、慌てるとフッキングが甘くなり、バレル確率が増すのだ。

「あと、水面でバラす場合も多いのでなるべくタモで取り込んだ方がいいです。ベテランさんは一人でやりますが、不安なら隣の人などに頼んでくださいね。バラすと、その人自身も悔しいでしょうが、それが多発すると、群れが散ってしまうことが多いんですよ」と船長。

みんなで協力して、食いを持続させることを心掛けよう。 厳寒期のマニアックなシーバスジギングは、水温がグングン上がり始める4月後半まで続くから、チャレンジしに出かけてはいかが。いい日並みなら20~30匹と快釣が見込めますヨ!

今回紹介した釣り船
釣り船

神奈川県川崎
「つり幸」

〒210-0864 神奈川県川崎市川崎区池上町9-12
TEL::044-266-3189
詳細情報(釣りビジョン)
「つり幸」ホームページ

出船データ

ルアーシーバス船
乗船料金:午前船、午後船とも6,500円(氷付き)、女性は3,500円
レンタルタックルあり:500円
午前船:6時30分出船で12時帰港
午後船:12時30分出船で17時帰港
定休日:毎週木曜日

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