不動丸・茨城県鹿島港
2017.3.22号
茨城県・鹿島沖のヤリイカは上から攻める!
今冬はヤリイカが今ひとつでファンをやきもきさせていたが、終盤に来て大注目エリアが出現。今回のキャプテンズレポートはヤリイカ大特集でその2ポイント、常磐&南房を紹介しよう。まずは春先から浅場で乗る茨城県・鹿島沖。もっか絶好調で連日竿頭70杯以上を記録し、最盛期の釣れっぷりを見せている。通常のヤリイカ狙いと言えば水深200m前後を釣る場所が多い中、鹿島沖は65~80mと極浅場。ライトタックルやセミライトタックルでも狙えるこのエリアでは、ヤリイカのアタリも明確に出て初心者やベテランにも楽しめる釣りである。現在の鹿島沖の状況や船長おすすめの釣り方を鹿島港『不動丸』加瀬秀和(かせ ひでかず)船長に聞いた。
鹿島沖~大根周辺に新群到来!
「ちょっと前までは鹿島港の真沖でパラソル級の大型が釣れていたんですけどね。現在は港から航程30~50分、少し南の“大根”寄りで釣れています。ヤリイカの新群れが入ってきたみたいで型こそ小~中型が中心ですが、数が結構出ています。状況は良いですよ」と『不動丸』のイカ船の舵を握る加瀬船長。
今シーズンのヤリイカ狙いは2月頭から開始して日によりムラがある感じだそうだが、例年よりも魚影は濃いそうだ。
「船中で全然ヤリイカが釣れないと言う日も例年あるんですが、今年はほとんどありません。ヤリイカは底付近を好んで生息するので、良くも悪くも時化(うねり)後に状況が一変する事が多いですね。最近で言うと16~17日が時化で、18日が出船できたんですが釣果があまり伸びなかったです。しかし、19日、20日と日を追うごとに釣果が竿頭68杯、77杯と上がってきましたね」。凪が続くことによって底荒れが落ち着き、平間(ひらま)と呼ばれる場所にヤリイカの群れが産卵にどんどん固まってくるそうだ。つまり時化後の2日目、3日目、4日目は大釣りのチャンス大と言う訳だ。
ガチガチのイカ竿より7:3の柔らかめの竿がおすすめ
ヤリイカ狙いと言うと通常の水深は200m前後の釣りなので、それに慣れている人はどうしても9:1の先調子の竿で仕掛けを強めに動かそうとする傾向がある。しかし、鹿島沖のヤリイカはタナが浅いので、そのイメージでは仕掛けが動きすぎてしまう。初めて鹿島沖でヤリイカを狙う人は水深200m台のヤリイカ釣りのイメージではなく、もっと優しいライトなイメージで来て欲しいそうだ。船長おすすめはセミライトヤリイカタックル。リールはシーボーグ200Jに道糸PE1.5~2号200mをセット。竿は1.7~1.8mで9:1などのガチガチの先調子ではなく、がまかつのライブラなど7:3調子ぐらいが良く、仕掛けは5本ヅノでオモリは80号を使用する。
ノーマルタックルの場合はPE3号300mを中型電動リールに巻いて竿は8:2調子くらい。仕掛けは5~7本ヅノでブランコ仕掛けが平均的な仕掛けだ。オモリは120号、水深だけみればオモリは80号でもできるのだが、鹿島沖のヤリイカ釣りは反応釣りなので、底まで早く到達させたい。そのため早く着底できるように重めのオモリを使っているそうだ。
「投入器のレンタルはヤマシタの7連結のものを多数用意してありますので、わざわざ持ってこなくても大丈夫です。人数が多い土日には一人一個までの貸出しとなります」。仕掛けに関してだが、浮きスッテなどの見せヅノは1本程度。「ライトだと3本ヅノくらいにおさえないといけないので、セミライト5本ヅノくらいが個人的には好きですね」と船長。電話予約時には必ずライトやセミライトでやりたい人は口頭でそのように伝えよう。船長が乗船時にオマツリ防止のため席を配慮して決めてくれる。「一口でライトと言ってもどういうものを使いたいのか電話では確認させていただいています。
小型電動リールで3本ヅノで狙うのか?それともスピニングリールで一つスッテ(イカメタル)でやるのか?全く釣り方はそれで異なりますのでそれを予約時にお伝えください。プラヅノは11cm、スッテは2.5号がお勧めです。プラヅノは定番の色が入っていれば良いですが、浮きスッテの赤帽は外せませんね。スッテは見せヅノや寄せヅノの効果があるので、仕掛けの真ん中に入っていた方が良いですね。カンナはシングルで十分です」。と船長。
ヤリイカの反応の高さがある時は上から釣ろう!
「ここ最近で言うと底から10mぐらいヤリイカの魚影が濃く魚群探知機に映っている事があるます。
そのような時の釣り方は、水深70mで60~70mに反応が出ているとすると、船長がマイクで反応が出ているタナを言いますので、投入をしたらカウンターを見て60mまで沈めてください。
そこでクラッチを切ってとめて、1杯乗ったなと思ったら、1m刻みくらいでサミングしながら10回くらいに分けて落とし込んでいきます。落とし込んで行くとブランコ仕掛けでも釣人はヤリイカが外れてしまうと思うので、やりたがらない人が多いのですが、上から落とした方が格段に着きが良いですネ。
もし、着底まで何もアタリが無ければあとは底から30mくらい電動で巻いてから再び落と直してヤリイカに飽きさせないようにすることも大事ですね。今はヤリイカの反応を見て完全にやっています。イワシは多いですがベイトの反応はあんまり関係ないと思います。反応の高さがある時にはチャンスと言う訳です」。
水温の安定でより一層の釣果も!?
「ヤリイカ狙いの時の海水温は13~14℃くらいですね。今は14℃付近のところを狙っていますが、1℃下がっただけで、13℃の場所ではまるっきりヤリイカの反応が出なくなったりします。時に時化後は水温が急激に下がったりすることもあるので、水温が安定する=凪が良くなる。この2つともがほぼイコールでどちらも大事ですね。
家の金魚も水を取り替えるとじっとして動かないですから、海の魚やイカも水温の変化が一番応えるんでしょうね。だから、水温が安定することが一番大事ですね」。船長経験では一番長い年では5月まで狙え、4月くらいまでは確実に出船できるヤリイカ釣り。釣果の良いうちに早めの釣行を!