船宿まる八・東京都平和島
2017.4.22号
GWレジャー釣行に最適! 東京湾のシロギスが上昇気配
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いよいよ大型連休“ゴールデンウイーク”に今週末の4月29日から突入。ベテラン陣は各々得意なジャンルを存分に楽しんでもらいたいが、グループやファミリーでワイワイ楽しむなら、おすすめは近場の小物釣りだ。昔からその王道を行くのがシロギス。ちょうど5月の初めころから水温の上昇とともに浅場に移行し始め、活性も上がって釣りやすく、さらに引きも強くなるから楽しさ満点。現在、シロギスを中心に出船する東京平和島『船宿まる八』の高橋広司船長から、GWの必釣術を聞いたのでご参考に!
活性上昇 ゴールデンウイークは狙い目!
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「春が来てようやく……本当に、ようやくという感じで少し上向いてきました。ここ数年は真冬でも落ちギスの食いはかなり良かったんですが、昨年の晩夏から食い方が少しおかしくなって、船長たちで少し変だねと言ってたんです。不安的中で、真冬になると極端に釣果が落ちましたから」と船長。
ここ数年は最低水温期の2月~3月でもトップが50匹前後になり、アジと並んで東京湾の超優良株と呼ばれていただけに、船長たちも悪戦苦闘の厳寒期だったようだ。
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しかしそれも、4月中旬へきて収まりつつある。「今までポイントの中ノ瀬の、大体18~19mあたりを狙っていたんですよ。そこの食いがいいので、オヤッと思ってちょっと浅い15~16mを流してみたら、そこでも食ってくれました。これは悪状況を脱したかなと感じましたネ。
だからゴールデンウイークも期待十分。ビギナーや女性、子供さんでも楽しめるはずです」と太鼓判だ。ちなみにGWを過ぎると富津~木更津沖や盤洲など10m以浅の超浅場へ乗っ込んでいく。これが真夏の最盛期だ。
ただし、現在は当たればすぐビビビンッと独特の鋭い引きで勝手にハリ掛かりするオートマチック・パターンにはちょっと早い。GW中はまだ、ほんのちょっとした方法で釣果が変わってくるのだ。そこのところを高橋船長に奥深く掘り下げてもらった。
シロギスに食い込ませるための仕掛け&餌
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まずはタックル系だが、竿はキス専用や先調子ゲームロッドなど。リールは小型両軸タイプは胴突き仕掛け向き、小型スピニングタイプは遠投、胴突きどちらにも向く。このセットはハイスペック、普及品とも好みでOK。道糸はもっかキスならPE1号が標準だ。
なお、道具も借りたいと言うお手軽にはレンタルもあるから安心。キス釣りはどの船宿でもほぼレンタル品が完備されているから便利だ。もちろん『船宿まる八』にもスピニングリール、両軸リール両方のタイプが用意されているから安心だ。
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「重要なのは仕掛け。活性が上がってきたとはいえ、まだ食いに不安定なことが多いので、食い込みを重視しなければなりません。私は胴突きか、天ビンなら中通し仕様をおすすめしています。胴突きはこの時期、意外とベテランも多用しているんですよ。竿操作で餌の動きを演出しやすく、より吸い込ませやすくできます。方法論は違いますが、中通し天ビンも吸い込みやすくさせるという点では、共通点があります」と船長。ただし、中通し天ビンはビギナーには扱いが難しい。
形状も小振りなので、うまく投げないと手前マツリ(天ビンと仕掛けの絡みなど)が多発する。まだ、遠投してガンガン仕掛けを引く釣りではなく、船の周りに仕掛けを落としていくやり方が中心なので、ビギナークラスは胴突きがおすすめだ。
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キーワードの“食い込み”に、もう一つ関連するのが餌。青イソメを使用するが、「この時期は頭部をカットした方が、私はいいと思う。やはり食い込みに影響します。実は以前、シロギスを飼っていたんですヨ。それで、餌の青イソメを水中に落としてみたことがある。すると頭部を付けたままのやつだと、吸い込んでから違和感を感じるのか吐き出すんです。
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改めて頭部をカットしたやつを落とすと、スッと吸い込んだままなんですヨ。だから、勝手に食いつく夏の浅場なら頭部があってもいいですが、現在はカットが正解です。ちなみに垂らしは2cm程度」とのことだ。
もたれのアタリを取れれば釣果倍増!
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「GWの釣りは述べてきたように、まだ最盛期の6分程度の魚が相手。いかに餌を吸い込ませるかにかかっています。そこで、仕掛けも弛ませ気味が功を奏します」と船長。胴突きなら真下かチョイ投げで仕掛けを投入し、着底したら竿を水面と平行にして、まずは道糸をゼロテンション。そこから若干竿先を下げて、道糸を弛ませてアタリを待とう。
中通し天ビンはキャストして着底後、サビキ入るが、サビいて道糸が張った後、気持ち竿を戻して若干道糸を弛ませる。そのサビキパターンで船下まで探ってくる。
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そしてシロギスがいれば食いつくわけだが、「ここのアタリの取り方がコツ。よくキスのアタリはブルルルッと明確に出ると言われますが、現在はそれではハリ掛かりしないことが多い。その前に竿を押さえ込むようなモタッとしたアタリがあるんです。これを察知して、スッと竿で聞いてみる。そうするとハリ掛かりしてググッと来る。
ブルルルッは餌を吐き出す時ですが、浅い食い込みなので、抜けてしまうことが多いんです」と話している。もちろん、日によって状況は違ってくるし、最盛期の超浅場でこんなことをするとハリを飲み込まれて外すのに一苦労する。あくまで現状での対処法なので、それを念頭に現場でいろいろ試してみよう。
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「まあ、GWは現在の状況が続けばトップが50~60匹ほどだと思います。ですからレジャー派でも15~20匹を目標にしてください」と船長。1人あたりがこの数字なら、グループで50~60匹にはなるから、アフターフィッシングにパーティーを開くにも十分な量。頑張ってくださいネ!