浅八丸・神奈川県平塚港
2017.5.22号
平塚『浅八丸』で同船発祥のライトルアー船スタート!
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神奈川県湘南平塚港の『浅八丸』はGWからライトタックル(LT)ルアーのショート船を開始した。このジャンル、『浅八丸』が十数年前に始めた、いわば元祖。主なターゲットはサバで、昔は外道とも思えるこの魚をメインしたのは、引き味は強いし食べても美味しい割にはさほど難しくなく、ビギナーが楽しむには持ってこいだから。そんな船釣りの門戸を広げる船宿の意図は見事にハマり、現在では相模湾エリアで大人気ジャンルになっている。担当の石井信幸船長にノウハウを聞いたのでビギナーの方はご参考に!
手軽に引きの強さ、美味しさを満喫できるライトルアー船
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釣りの楽しさを、気軽に一人でも多くの人に体験してもらいたいとの浅八丸の考えから生まれたこのジャンル。扱いやすいライトなタックルに、メタルジグを装着したシンプルな構成なので、よく考えてみると、ビギナー向きと言われる餌のキス釣りやLTアジより扱いやすいかもしれない。
メインターゲットのサバにしても、昔からの釣りファンには外道扱いされるかもしれないが、とにかくライトタックルでやるには引きが強くて面白いし、世間で認知されている美味しい魚だ。最初は一部の船宿から「なんだサバなんか釣って」などという陰口も聞かれたそうだが、体験したビギナーは純粋に面白く、美味しかった……そんなところが人気が出た理由といえる。加えて、ショート船で約3時間というのも、常時竿を動かすルアー釣りだから、ダレないで楽しめる適度な時間なのだ。
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ともかく初夏~夏のサバから、夏~冬のイナダと釣りをしやすいシーズンに釣れ盛るから、土日祝は2便が出るほどの盛況ぶりだ。 「今期は開始早々が好調でトップ30匹超を連発しましたが、GW明けはちょっと群れが抜けている状態。ただ、今年も例年通り好況になると思います。水温は18.5~19℃で問題ないし、シコイワシなどベイトの魚探反応も水深10~30mあたりにバッチリ出てますから。
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何かのきっかけ、つまりシケや潮流の寄りなど何かが変われば、サバはドッと入ってくると思います。そうなれば本番。ベイト反応や鳥山を追って、ガンガン行きますよ~」と信幸船長は話している。
40~80gジグ使用のシンプルタックル
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タックル&仕掛けはシンプル。まず竿は使用ルアーが40~80g表示のルアーロッド。同gのメタルジグを使用するためで、これに中、小型スピニングリールか小型両軸リールを組み合わせる。
「基本的にジギングで真下(バーチカル)を狙うので、両軸リールが便利。ただ、鳥山が立ってキャストで狙うときもあるんですよ。その場合はスピニングが有利。 ベテランは両タックルを持ってきますが、ビギナーでどちらか1本と言えばスピニングかなあ。
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スピニングで真下狙いは可能ですが、両軸リールでロングキャストするのは難しいですから」と船長。
全くの初体験なら、船宿でレンタルタックル(1000円)があるから借りるのも得策で、店でジグも500~600円で販売している。なお、竿は硬めのバスタックルでも流用可能だ。
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ラインはPE2号、リーダーはナイロンかフロロ6~7号を1.5~1.6m。ジグの色はブルー系とピンク系は必須。後はグリーン系やオレンジ系、チャートなどお好みで。「オマツリが多いので、フックはシングルのフロント装着をおすすめ。
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安全のため返し(バーブ)は必ず潰しておいてくださいね」と船長。ルアーフィッシングは魚が水面でバレた時、自分の方へフック付きのルアーが飛んでくるので、できれば偏光などスポーツグラスと帽子着用は安全のため、おすすめしたい。
短時間の釣りだから早くパターンをつかめ!
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「ビギナーさん向けに始めた船ですから、基本の釣り方自体はそんなに難しくはありません。ただし、何かしらの条件変化で、日によって食いに差が出るんです。その対策パターンを考えるのが、面白さともいえます。釣り時間が3時間ですから、アクションをいろいろ試して、バッチリはまるパターンを早く見つけるのが好釣果への道です」。まず、朝の開始直後は船長の指示ダナの下限までジグを落とし、上限まで早めでショートピッチのジャーク&ジャーク。
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これが基本になり、ヒットすれば活性が高いとみてよく、同パターンが通用するまで、それでいく。なお高活性だと落とし込み途中での食い上げもあるから注意。この場合すぐ糸フケを巻いてテンションをかける。フックアップすればそのまま竿が突っ込まれるはずだ。 「ジャークの、巻きながら竿をあおる操作がビギナーさんには意外と難しいんです。ですから、うまくいかない人には、リールの巻き方でやってくださいと教えています。ゆっくり巻き→グリグリ高速巻き→ゆっくり巻き→グリグリ巻き、を繰り返すと、似たようなアクションになります。これで慣れたら、竿でのジャークにしていけばいいでしょう」と船長。
早いショートピッチで駄目なら遅めのショート、次いで早めのロングピッチ、遅めのロングピッチ……などなど、積極的にヒットパターンを探っていこう。3時間の釣りなので、のんびり構えていると貧果に終わる場合もあるゾ。なお、鳥山やナブラがたったら船長はキャストを指示することも(必ずアンダーキャストで!)。その場合、リトリーブ(リールを巻くこと)かカーブフォールで、指示されたタナを通過するようにしよう。
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浅八丸では事前に予約しておけば釣った魚を調理してくれ(一人前500円)、希望で御飯セット(御飯、みそ汁、お新香=一人前500円)もプラス可能。楽しいランチも満喫できる。いっぱい釣ってもスタッフおよび“サバマシーン”がヒラキにしてくれるから大助かり。ビギナーの皆さん、是非ともチャレンジを。楽しいですよ~。
※今季は寄生虫のアニサキスが流行っているので、釣ったサバはすぐ首折りなどにして血を抜くとともに、内臓も一緒に取り除いておくのが得策。ご賞味する前に下記のURLを参照ください。
厚生労働省HP「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html