吉野屋・千葉県浦安
2017.6.22号
東京湾で人気の湾フグは白子のラストチャンス!
東京湾で"フグ"釣りを楽しめる数少ない船宿のひとつ、千葉県浦安市にある老舗中の老舗船宿『吉野屋』。「数釣り」、「引き味」、「食味」の三拍子揃ったターゲットとして、平日でもたくさんの釣り人が足を運ぶほど、近年人気の釣りである。もっか絶品の白子を味わえる乗っ込み期の終盤だから、チャレンジするなら今がチャンスかも。そこでフグ船担当の?野公大船長に基本ノウハウを聞いてみた。
白子を持つオスを釣るのは時の運?
カワハギ、マルイカと並ぶ繊細系の釣りで、一度ハマるととことんやり込んでしまうほど、釣り人を虜にする東京湾のフグ釣り。通称〝湾フグ″。
これほどまで釣り人を夢中にさせる理由は「シンプルでライトなタックル」、「繊細なアタリ」、「釣果に数倍の差が出るほど腕の差がはっきりと出る」ためか。テクニカルな釣りゆえにマニアックな釣り師の心をくすぐっているといえよう。
湾フグのターゲットはほぼショウサイフグ、アカメフグ、トラフグ。メインはショウサイフグで、これに続くのが主に冬に狙うアカメフグ、そして最近では春の4月に爆釣があるトラフグ。まあ一年を通じて交じって釣れるから比率は何とも言えないが、?野船長曰く「今の時期は水温、水色の影響で釣果にムラがあるが、種類を問わず白子を持ったオスの良型が釣れますよ」とのこと。
ここ数週間の状況を見ると、トップが10匹以上の釣果がコンスタントに出ているから、もう少しは白子ゲットのチャンスが続きそうだ。ちなみに、白子が入っている確率だが、10匹釣って10匹入っていた人もいるし、10%くらいの確率でしか入っていない人も。
要は時の運というしかない。なお、今後は一時的に釣果は一段落するが、9月頃になると小型の数釣りが楽しめるようになる。
繊細でゲーム性が高く、釣り人を虜にする〝湾フグ″
主にオモリ、テンヤバリ、カットウバリから構成される〝カットウ″という仕掛けを用い、テンヤバリに付けたエビ餌を食わせ、カットウバリで引っ掛けるという釣り方。エビ餌をフグが食べているアタリを取る釣りで、外房でも盛んだが、こちらは海の荒さなどから常時アタリを取れる状況にはなく、時間を決めてしゃくるタイム釣りも多く行われるのが現状。
それに対して、比較的静かな東京湾内はアタリが取りやすい状況にあるということで、よりライト化し、そして繊細化していった。これにカワハギやマルイカなどを好むマニアックなアングラーが飛びつき、今の人気がある。
なお、カットウの上に〝食わせ仕掛け″という3本程度の枝バリを付ける方法もある。エビ餌を小さくカットしてハリ付けし、カットウとは違い食わせて口に引っ掛ける方法。付けるか否かは自由だが、ハリ数が増えるということは確率を上げることにもなるだろう。
また、秋になると一部のポイントではカットウ無しの食わせ仕掛けのみという場合もあるので、その時の練習として付けておくのも一手だ。
敏腕船長によるレクチャーと、丁寧な捌きサービス
釣り方については、フグ船専門の船長として常連客から絶大な信頼を得ている?野船長が、毎日出船前にきっちりとレクチャーをしてくれるから、全く問題なし。初心者でも心配せずに果敢にチャレンジしてほしい。そのレクチャーの一部をご紹介しておくと、次のようなものだ。
① 仕掛けを着底させ、オモリが動かない程度に糸を張りながら10~15秒ほど待つ。
② その後50cmほど仕掛けを持ちあげ、1~2秒ほど待ってからゆっくり仕掛けを下げ、再びオモリを着底させる。
③ それ以降は①と②を繰り返しながら、アタリや違和感があったら迷わずアワセを入れる。 なお、アワセに大きなアクションはNG。わずかに手首を返して竿先をカットウのハリス分(15㎝前後)程度シャクルだけだ。大きく合わせると周りにフグが居た場合、散ってしまう。
実際に竿を持ちながらのレクチャーの方がよく分かるので、初めて乗船される場合は是非とも受講して頂きたい。より詳細なコツや注意点を聞く事ができるし、質問にも親切に答えてくれる。また、帰港後には釣ったフグを全て捌いてくれる有難いサービス(フグ処理師免許あり)があるが、吉野屋さんの捌きは特に丁寧できれいと評判!