弘漁丸・茨城県日立久慈港
2017.7.22号
水深5mの超浅場で横走りするマダイを釣ろう!
7月の茨城県日立久慈沖の釣り物と言えば浅場で狙える良型のショウサイフグがメジャーどころだが、7月前半からそれを凌駕するほどの釣味を楽しめる釣り物がある。それが浅場のテンヤマダイだ。驚くなかれ、狙う水深は平均12~13m。場所によっては5~6mの船底が付きそうな超浅場でも大ダイが釣れるのだ。7月も終盤に差しかかったが、状況を茨城県日立久慈港『弘漁丸』小泉大輔船長に聞いた。
20日の釣果はマダイ竿頭21匹!
「10m前後の浅場にマダイが入ってきたのは7月頭頃からです。6月までは水深20~30mくらいの場所でやっていたんですが、セグロイワシなど小魚の群れにつられて浅場に一緒に入ってきたみたいですネ」。と船長。どうやら全てのマダイがイワシ類を捕食しているわけではないようだが、そういった魚群と一緒にマダイも回遊しているようなのだ。「日立沖のテンヤマダイ釣りはコマセマダイの場所で出るような反応は魚探には出ません。
しかし、テンヤを動かしていると船の周りには確実によってきているようなんですよね。もし、こっちでそんなに大きな反応が魚探に出たら間違いなくマダイ爆釣ですヨ(笑)」と船長。7月20日の釣果は竿頭20匹。もちろん手のひらクラスも交じっての釣果だが、とにかくアタリは多いようだ。
岩盤エリアを狙うため根掛り注意!
「今釣れている場所は普段ショウサイフグをやる場所と同じようなポイントで釣れています。水深は12~13mが平均ですが、浅場へ浅場へと入っていっているために5~6mを攻める事もあります。水温は19℃くらい。数日前までは21~22℃くらいだったのが、数日前の風の影響で水温が下がったようです。ただ、マダイへの影響はなんらなさそうですネ」。と船長。
餌はサルエビ。浅場だが20~30mを狙っている時と比べるとアタリが多いので素人にも楽しめる状況だそうだ。「とにかく仕掛けを入れて着底させる事が出来ればアタる好調な感じです。
底質は岩盤の場所をやるのでシーアンカーもスパンカーも使わない横流しで流していきます。潮や風で船が程よく0.5~0.8ノットくらいで動いてくれると仕掛けが斜めになって流れるので釣果も伸びますネ。最近は水色も少し濁り気味で魚に警戒を与えないくらい。最高のコンディションかもしれませんね」。と船長。
浅場だからこそ!アタリが止まったら入れ直す
現在の日立沖のテンヤマダイのアタリのパターンはフォールや着底後2~3巻、つまり底から80cm付近でアタリが出る事が多い。そのため、基本的にはマメに底を取り直す事が重要だ。誘い方は着底後糸フケを取り、頭上までゆっくり竿先を上げて道糸を張りながらゆっくりと落としていく。落としていく時に“コツコツッ”とか“カンカンッ”とか言う小さいけど明確なアタリがあるそうだ。その小さなアタリがあったらすかさずアワセを入れて魚をフッキングさせ、そのままラインスラッグがでないようにテンションをかけて一定のテンションで巻いてこよう。
そうする事でバラシも軽減できるようだ。「21日に釣れた3.6kgの“本命”は小さいアタリでしたが、底ダチをとってゆっくり上げた時に“コツコツ”とアタリがありアワセを入れたら急にドラグを一気にだして横っ走りしたんです。
浅場だから魚も凄く元気!引きが強烈で潮上の方に向けて突っ走っちゃいます。20mも糸を出すとオマツリになったりしてバラシのもとになってしまいますので、ドラグは適度にしめて調整が必要です」
岩盤エリアを攻めるためゲストではクロメバル・アイナメ・ショウサイフグ・ヒラメ・カサゴ・ムラソイも交じるので様々な魚の引きが楽しめるだろう。アタリがもし止まるような事があったら水深は浅いので、一旦水面まで巻き上げて投入しなおすのがベストだそうだ。
浅場のマダイは強烈な横走り!どうやって釣り上げる!?
それでは前項のように浅場で大ダイが掛かった時にどのようなやりとりをしたら良いかをご紹介しよう。「コツはいたって単純です。下手に巻くのをやめたりポンピングをしないで、地味にずっと一定の速度で巻き続ける。これで大ダイは取れます」。海底の隆起がある所は特に一定の速度で巻きあげる事で少しずつ釣り人側が主導権を握り浮上してくるそうだ。2kgを越えてくると立派な横走りをするので、事前のドラグ調整がいかに大事かという事になる。「あと重要なのは孫バリの手入れです。
8~9割のタイは孫バリに掛かってくるので、孫バリの交換は特に重要です。前回の釣行で使ったテンヤの孫バリは絶対に交換した方が良いですね」極端な食い渋り時には小さいエビを親針と孫バリにつけるやり方も打開策になる事もあるそうだ。
テンヤ色は赤・金・オレンジが無難
テンヤで使用する竿は2.4mのテンヤ専用竿。M(ミディアム)よりもMH(ミディアムハード)の大ダイが掛かってものされる心配が少ない、ちゃんと竿のコシがあるタイプが良い。スピニングリールは2500~3000番がおすすめ。大ダイ狙いの人はなるべく大きめの3000番が良いそうだ。
道糸はPE0.8号、先糸はフロロ2.5号2.5~3m。大ダイ狙いは少し太くして道糸PE1号、リーダーはフロロ3号がお勧め。
「テンヤに結ぶ際にはサルカンはなるべく入れないで直でテンヤに結んでください。それがバラシの軽減になります。また、タイラバは水深が浅いためテンヤと比べるとかなり分が悪いです」と船長。
これからは日立沖のテンヤマダイの状況はどんどん良くなると太鼓判を押す小泉船長。7~10月一杯まで土曜日は午後テンヤマダイ船も出船中だ。