釣りビジョン

長崎屋・神奈川県横浜本牧港

2017.9.22号

東京湾・浅場の大物マゴチはハゼ餌シーズン真っ盛り!

表紙

暑い時期の東京湾といえば浅場のマゴチ釣りは外せない。生き餌を使ったスリリングな釣りとして人気が高いが、最近では早くも春先からオープンして秋までとロングランになるから、ファンにとってはうれしい限り。初期の餌はサイマキ(クルマエビ)だが、8月を過ぎるとメイン餌になってくるのが江戸前の象徴とも言えるハゼ。しかも9月頃からは大物が釣れると評判だ。マゴチ船担当の長崎功船長に秋のハゼ餌釣法を解説してもらった。

8月から餌のハゼが釣れる晩秋までロングラン出船

60cm級の大型に大満足

マゴチは俗にいう真夏の魚。バリバリに照り込んだ浅場の東京湾に入ってくるため、昔は“照りゴチ”などと呼ばれていた。しかし、最近は少し様変わりした。春先に釣れることが分かってからは乗合船スタートがどんどん早くなり、今や3月中旬。餌になるサイマキの持ちが良いこともあり、体力のある大型の方が口を使いやすいためもあり……など、いろいろな好都合もあるが、実は夏場になるとエビ餌が持たないという一面もある。乗合船の中には真夏の一時期、休止するところもある。そんな状況を尻目に、東京湾のウオーターフロントでハゼが釣れ出すと乗合船を始めるのが横浜本牧港の『長崎屋』だ。昔から夏はハゼが特効餌呼ばれていたが、それを地で行く『長崎屋』は、今年も8月8日から乗合船をスタートさせた。 「生きたハゼをそろえておくのは、なかなか大変なんですが、常連さんや知り合いにも頼んで、何とか乗合船が出せるくらいの数を確保しています。昔はメゴチも特効餌でしたが、今は激減してしまいましたから、もっぱらハゼが真夏以降のメイン餌ですね。ハゼ餌は大型が来ると言われますが、今季はまだちょっと小さめで60cmくらいまでかな。

50cm級のレギュラーに納得顔

まあ、ハゼが釣れる11月くらいまで出船しますから、これからに期待ですネ」と功船長。もっか水温は例年並みに降下して9月20日現在、22~23度。普通はこの水温だと水深3~5mの超浅場をメインにやるが、もっかの中心は第二海堡周りから富津沖の10~20mラインと深め。 「水温がそう高いわけでもないのに、今年は水深3~5mにサバフグがごそっといて、すぐ餌をやられてしまう。一日必ず1回はトライしますが、ダメなら10~20mに鞍替えするわけです。でも、サバフグもそのうちいなくなるはず。そうなったら浅場で大型が食うかもしれませんよ」。もちろん、現在主流の10~20mラインでも問題なく食ってくるので心配はない。

チヌバリでハゼを元気よく泳がせよう

やったぜ50cmオーバーをゲットだぜい!

タックルは基本的にエビ餌と変わらない。浅場で大物と対峙するので道糸はPE2号が安心でおすすめ。 1号や1.5号ではプッツリの可能性は大いにある。他に替わると言えばハリの形状くらいか。エビ餌ではご存知、エビの口に上手く縦にセットできるスズキバリだが、対してハゼ餌は『長崎屋』ではチヌ5号。

口の中へ浅く入れて上アゴに刺し通すため、ハリがネムッていなく、しかも軸がハリ先部とほぼ平行なチヌバリの方が刺しやすく、かつ、ハゼが泳ぎやすいとのことからだ。

なお、前述したが生きたハゼ餌は無数に用意しているわけではないので、なるべく長持ちするよう注意を払うこと。元々ハゼという魚は強い魚だが、船の移動時など、水張りバケツなどにいれてケアをしておかないと弱りは早い。

引き込みの本アタリは竿を持つ手で察知!

釣り方の基本は、鋳込み天秤のオモリが着底後、1mタナを切ってキープし、アタリを待つ。竿の位置は、アワセのストロークを考えて、竿先海面向け。水深の変化もあるので、そのまま待ち続けるとタナが狂ってくるため、3~4分くらいに一度、タナの取り直しをしよう。ただ、あまり頻繁にやるのは逆効果だ。このように、基本的な操作はエビ餌釣りと同じである。そして、竿先に小さめの前アタリ(違和感も含む)が出て、次いでググッと食い込む本アタリが出る。ここで竿を起こすように大きなストロークで頭上まで竿をあげ上げ、合わせていく。瞬間的な鋭いアワセはNG。スッポ抜けの原因だ。

最近は高級外道のヒラメが掛かることも多い

マゴチ釣りでよく言われることに、エビ餌は勝負が早いがハゼ餌は遅いなんていう説がある。これはエビ餌が前アタリから本アタリまで早く、ハゼ餌はそれが遅いと言う意味だが、あまり関係ないと言うのは功船長。「ハゼ餌もエビ餌も変わらないです。マゴチは軟らかいだの硬いだのと考えて捕食するわけじゃないですから。ゆっくり食いつく奴はハゼでもエビでもゆっくりだし、せっかちに食いつく奴も、どちらの餌でもせっかちなんですよ。要は本アタリをいかに的確に合わせるか、ですよね」と船長。面白い話、常連はあまり失敗しないが、かといってビギナーが一番ダメかというと、そうでもない。

「ベテランはさすがにうまい。ただ、言うことを聞いてあまり考えずに合わせてくれるビギナーも、結構うまくいくんです。残念なのが中間クラスの経験者。この方たちは自分のスタイルというか先入観が出てくるのか、異常に迷ってしまう。その結果バラシが多発する」というのだ。そこで船長が、しっかり本アタリを合わすコツを伝授。

目で見ているのは前アタリまで。本アタリは竿を持つ手で察知するのがいい。つまり、前アタリの後、両軸リールをパーミングしながら保持している手に、何らかの負荷を感じたらアワセ時だという。「そのくらいの感覚でいいんです。本アタリは眼で見ようとすると多種多様な出方ですから、やはり迷うのです。壁にぶち当たっている中級者の方は一度、やってみてください」と船長。これから暑さも和らぎ、絶好の釣りシーズンがやってくる。ぜひ皆さんも参考にしていただきたい。

今回紹介した釣り船
釣り船

神奈川県横浜本牧港
「長崎屋」

〒231-0822 神奈川県 横浜市 中区本牧元町33-4
TEL:045-622-8168
詳細情報(釣りビジョン)
「長崎屋」ホームページ

船宿データ

タイラバ&ジギング船
ハゼ餌マゴチ乗合船
料金::9,500円(ハゼ餌5匹、氷1個付き)。女性&高校生6,000円、小中学生5,000円。
ハゼ餌の追加は1匹100円。レンタルタックル有り
集合:8時30分ごろ集出船~15時から15時半ごろに帰港
沖上がり:沖上がり13時

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