新修丸・神奈川県金沢八景
2017.10.08号
竹岡沖カワハギ大爆釣! 今期は数もサイズもウハウハ!
一年中楽しめ、そのうえ美味しくて釣趣も満点というカワハギ。関東では最近、三浦半島剣崎沖周辺から相模湾側にかけてが注目だったが、最盛期の秋は早くから千葉県の竹岡沖が束釣りを記録するなど大ブレーク。9月20日から乗合船をスタートさせた金沢八景『新修丸』もトップが40~50匹を記録するなど絶好調。さらに“尺ハギ”も交じるなどサイズでも申し分ない。そこでカワハギ担当の新明正義船長に釣況をインタビュー。
蓋を開けたら連日入れ食いにびっくり!
各地の沿岸に広く生息するカワハギだが、やはり条件が良くて生息に適しているため、ひと際、魚影が濃いエリアが存在する。そういう所が船釣りの好場所になっている場合が多く、三浦半島の剣崎沖や亀城根周りもその一つ。そして、千葉県側では内房の竹岡沖がスイートスポットとして知られている。特に数釣りは毎年秋口の竹岡沖と言われていたが、ここ数年は消化不良気味だった。それが今季は晩夏から入れ食い! トップが束釣りを記録する船宿も出るほどで、普通の日並みでもトップは30~50匹前後と、ここ数年の竹岡沖では出色の食いっぷりを見せている。しかも俗にいう“ワッペン”サイズはあまり掛からず、手の平サイズが中心というからうれしい。
「要因ははっきり分からないけど、ワキがいいことは確かで、大小、かなりいるみたい。現在食っているのは水深15m前後。いわゆる浅場ですね。このレンジは魚が散っていることが多いのだけど、ボコッとまとまっている場所があって活発に食う。
ただし、ポイント的には狭く、船も多いので、多少は日によるムラが出ちゃう。これがもう少し冷え込んで落ち気味になると、群れの塊のエリアが広がって、さらに良くなると思いますよ」とは正義船長だ。もっか水温は22℃から23℃あたりで例年並み。これが21℃、20℃のレベルまで下がってくると、少し深い水深20~25mに群れの塊があちこちにできそう。そうなれば、さらなるパラダイスが待っているという予想だ。この状態なら、難敵と言われるカワハギを初心者でも、少しは物に出来そう。絶品の肝も持ち始めているから、「入門するなら今でしょ!」という言葉を贈りたい。
初心者は餌付けなど実釣操作以外をしっかりやる
マニアックさが際立つカワハギ釣りだけに、タックルは竿、リールともかなり高価な物から廉価版までと、ピンからキリ。まあ、それだけにバリエーションは多く、予算に見合ったものが購入可能だ。
初心者なら釣具店でスタッフに相談すれば、あまり外れのない物を選んでくれるはずだ。「タックルや仕掛けは多種多様で、ケースバイケースでいろいろあるので、これといったものをお勧めしたりはできません。
それらのマッチングも大切なのですが、初心者クラスはそれよりも、ハリ交換など実釣で細かいことに気を配ったほうがいいですね」と船長。 具体的には、餌のアサリをしっかり付けるとか、カワハギは口が硬いのでハリ先を常に気にしておき、刺さりが悪いようなら交換する。 また、この釣りはハリ先が上を向いてないと掛かりづらいので、セットする時に気を配るとか。
要は高度な釣りテクニック以外の、誰でも実行できるルーチンをしっかりやろうということ。それだけで釣果も若干変わってくるのがカワハギ釣りなのだ。
もっかゼロテンから宙の釣りが効果的か
釣り方は浅場でまだカワハギ自体が相当活発、かつ餌取りの外道も多いので、ゆっくりした釣りよりは動きのある操作の釣りのほうがいいかも。「釣り方ばかりは、その日その時で違うので何とも言えない。それこそカワハギ釣りの真骨頂である“状況にピッタリ合った釣り”を実践してほしい……としか言えません。ただ、ゼロテンションの聞き釣りを基本に、50cmから1mタナを上げた宙の釣りをしている人が多いかなあ」とのことだ。
注意したいのは、この時期に浅場の東京湾で泳ぎ回るサバフグの攻撃。今期は多めでハリスプツンの他に、オモリをやられることも。少しハリが絡んだりしていると幹糸からプツンの場合もある。
このためか、少し上層の釣りをする人が多いのかも。「これも水温が下がってくれば、落ち着くと思うんだけどね」とのこと。状況にもよるが、タタキ釣りを交ぜてもいいかもしれない。とはいえ、今季の竹岡沖の魚影の濃さはピカ一。ベテランはもちろん、初心者も、いい思いをたくさん味わってほしい。