松新丸・愛知県片名港
2017.11.08号
三河湾の多彩な魚種と出会えるウタセ五目
秋になると釣り物が多くて、何を釣りに行こうか悩んでしまう人は多いのではないか? 贅沢な悩みではあるが、そんな悩みの救世主となってくるであろう釣りがある。シンプルな胴付き仕掛けに活きエビを付けてマダイや根魚、青物などを釣る愛知県の名物「ウタセ五目釣り」だ。釣り方もシンプルで、手巻きリールで十分なほどタナも浅いので、初心者からベテランまで楽しめる上に、釣り以外のサービスも充実。県下最大級の大型船で毎日出船している、南知多・片名港の『松新丸』の松下丈弘船長に話を聞いてみた。
マダイを中心に五目以上も狙える
松新丸のウタセ五目釣りは9月頃から始まり、近年では12月初旬頃まで楽しめる。
タナは手巻きリールで十分なほど浅く、定番魚種は20~30㎝程度のマダイ。
その他時期によって比率は変動するが、マゴチ、イシダイ、ハマチ、メバル、カサゴ、キジハタ、ヒラメなど、様々な美味しい魚が釣れる。
松下船長曰く「最近はハマチがよく釣れてますよ」とのことで、青物の強烈な引きを楽しめる絶好のチャンス!
待つのも良いが、誘いがキモ
釣り方は至ってシンプル。仕掛けを海底まで落とし、底付近で(ハマチは底から数メートル上で釣れる事が多い)アタリが来るのを待つだけだが、ゆっくりと誘いを入れるのも釣果を伸ばすコツ。
誘い方は3秒ほどかけて竿を持ち上げ、3秒ほどかけて下ろしてくる。フワフワと小刻みな誘いを入れて釣果を伸ばす釣り人もいるが、いずれにしても、水中でエビが回転しないように動かす事が重要。そして、慌てないことが第一。基本的には向こうアワセだが、アタリがあっても掛かりが悪いようなときは聞きアワセをする。くれぐれも早アワセは禁物。
餌の付け方は、エビの尻尾を切り落とし、切り口からハリを刺し、お腹からハリ先を出す。この時、エビが真っ直ぐになるように付けるのがキモ。丸まっていると水流を受けた時にエビが回転してしまい、釣れない上に枝スがヨレて仕掛けがグチャグチャになってしまう。
ハリをエビの口から刺し、脳みそを刺さないように気を付けながら、ハリ先を頭から出す付け方もあるが、松新丸ではエビが回転しにくい尻尾から指す方法を推奨している。また、エビを回転させないためにも、仕掛けは出来るだけゆっくり落とす方が良い。
また、松下船長曰く「釣れる人と釣れない人の一番大きな差は、まめに餌や仕掛けをチェックするか否か。」とのこと。
餌取りもいるので、知らぬ間に餌が無くなっている事もよくある。気長に糸を垂れているより、釣れない時はまめにチェックするよう心掛けてほしい。
魚種だけでなく、サービスも多彩な松新丸
土日や仕立船ではウタセ五目&タチウオなど、2種類の釣りを組み合わせたリレー船も楽しめるので、欲張りな方にはうってつけである。また、「友達や家族と海釣りがしたい!釣った魚をその場で食べたい!」という、そんな欲張りな要望にも応えてくれる。
港近郊で3時間釣りを体験した後、船の上で海鮮バーベキューを楽しめる「釣りベキュー」というサービスがあり、釣り道具も食材も用意してくれるので手ぶらで行けてしまう。ただし予約人数に条件があるため、必ず状況を問い合わせて確認していただきたい。さらに「松新」という旅館を営んでおり、遠方から泊りがけで来る釣り人もよくいる。釣った魚を持ち込めば料理してもらえるので、釣りをして魚料理に舌鼓を打ちながら美味しいお酒を飲み、ゆっくり泊まって帰るという贅沢な休日の過ごし方もたまには良いのではないだろうか。