2018年11月01日公開
気づかぬうちに忍びより餌だけ綺麗に食べていく。“忍者”の異名を持つ餌取り名人カワハギ。
カワハギ釣りは、その誘い方だけでも「タタキ」、「たるませ」、「聞き合わせ」、「ゼロテンション」、「宙釣り」、「這わせ」など多様なテクニックが存在する。その日その時の状況に合わせ、いかに攻略するか、テクニカルなこの釣りはコアなファンも多い。朝夕はすっかり肌寒くなったが、20日(土)、東京都・東大井『船宿いわた』のカワハギ船に乗った。
駅から徒歩5、6分、駐車場は要予約
『船宿いわた』は京浜急行・鮫洲駅から徒歩5、6分と電車釣行でもアクセス良好だ。マイカーの場合は、駐車場が限られるため事前に予約が必要。駐車場は鮫洲入江広場の向かいにある『品川区シェアサイクルポート』(I1-11.鮫洲入江広場「品川区東大井1-13-2」)の奥に船宿の駐車スペースがある(手前の有料コインパーキングではないので注意)。
釣り座は先着順!
午前5時頃に船長が桟橋を開けてくれるので、先着順で船に乗り込み釣り座を確保する。船宿で受け付けを済ませ、餌を受け取る。カップ麺のサービスもある。お湯は、船に用意されているので心配無用。これからの季節、船上で食べる暖かいカップ麺は格別だ。
船に乗り込むと氷が配られ、船長からライフジャケットの着用と乗船名簿への記入確認がある。
出発準備が整った7時20分、左舷9人、右舷8人での出船となった。鮫洲橋を潜り抜け、京浜運河を下り、東京湾へ。ポイント到着まではおよそ1時間20分、暫しのクルージングを楽しむ。
A級ポイント・竹岡沖の様子はどうか
8時40分過ぎ、竹岡沖のポイントに到着。水深17mからスタートとした。天気予報通りの北風。多少波気がある中、船中最初の1匹を釣り上げたのは、右舷ミヨシ(船首)の森山哲治さん。オモリが着底したら一瞬弛ませ、素早く聞きあげる。丁度小突き釣りのような独特なスタイルだ。続いて、右舷トモ(船尾)で上げたのは幸道(こうどう)和幸さん。「ゼロテンションからゆっくり聞きあげで来たよ。」と教えてくれた。9時を過ぎるとポツリポツリながら船中両舷でアタリが出始めた。
“ゲスト”対策も肝心、釣り方は十人十色
右舷胴の間(中央)で良型を釣り上げた米田信一郎さんに釣り方を聞いた。「オモリが着底したら1m程底を切り、カワハギに餌を見つけてもらうイメージでフワフワとタタキを入れます。その後、ゆっくりオモリを底に着けゼロテンションで食わせの間を与えてから聞きあげます。また、底を切るのは、“外道”避けにもなりますね」と教えてくれた。
皆さんの釣り方を見ていると本当に十人十色。それぞれの思いで独自のメソッドを探求できるこの釣りの奥の深さが人気の原因だと思わされる。私も後半少しの間竿を出した。
見様見真似で着底後糸フケを取り、ゼロテンションから一瞬弛ませ聞きあげてみる。“カッカッカッ”と金属的なアタリ。巻き上げると小型ながら“本命”のカワハギをゲット。続けて運よく2匹目も。しかし、その後が続かずベラやサバフグばかり。それならばと宙釣りを試してみたが、餌が無くなるばかりで全く掛けられなかった。カワハギ釣りは魚の興味を惹くための寄せ、小さな口にハリを掛けるための食わせ、加えて“ゲスト”を避けることも重要な要素のひとつのようだ。また、サバフグがいるとハリごと切られるので、やはりハリの替えが容易なハリス止め仕掛けをお勧めする。
海水温が安定すれば…
「ここ数日北風で水温が落ちたから渋かったね。今後、南風が吹いて水温が安定して、群れが固まってくれば釣りやすくなるよ」と船長。竹岡沖は、実績ポイントだけにこれからの本格シーズンに向けて期待大だ。秋が深まるにつれてカワハギの肝も大きくなり食味も上昇。奥の深いカワハギ釣り。この秋、是非チャレンジして頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
料金:9,800円(税込)(餌、氷付き)
女性、子供(小中学生)割引あり。貸し道具あり
出船:AM6時30分集合 AM7時15分出船 PM2時30分沖上がり
駐車場:要予約。仕立の場合は1隻当たり2台まで
定休日:毎週火曜日
この記事を書いたライター
マルイカ、ティップラン、ワカサギなどを中心に海水淡水を問わず釣りの帰りに温泉に立ち寄り、「釣り&温泉」をテーマに釣り歩く。