2020年01月15日公開
2020年が明け、賑やかな初売りも一段落、正月気分もようやく抜けて日常が戻ると、釣りに行きたい気持ちが高まって来た。今年の釣運を占うべく縁起物の魚・マダイを狙って神奈川県・金沢八景『弁天屋』へ向かった。
電車釣行でも大丈夫!
品川から京浜急行で40分、アクセスの良さも人気の一つである金沢八景。ここには駅から徒歩数分圏内に多くの船宿が点在している。午前5時30分、『弁天屋』に到着。店に入ると女将さんから「先に場所を取って来てくださいねー」と声を掛けられ、船へ向かいクーラーボックスや荷物を空いた場所へ置いて釣り座を確保。その後、受け付けで支払いを済ませたら切り離し式の乗船券が付いた乗船票と氷券を貰う。乗船票に必要事項を記入、回収箱に入れ完了(ここで乗船券は自分で切り離して持っておく)。店入り口で氷券を氷と交換して船へ戻ると既に座布団やタオルなどが釣り座に置かれていた。
今年一年の願いを込めて出船
定刻の7時15分、4人の常連さんと4人グループ1組の合計8人を乗せて出船。途中2つの橋の下を潜ったところで寝かせていたスパンカーマストを立て、速度を上げて浦賀水道へ向かった。7時40分、猿島沖のポイントに到着。船長から「どうぞ!水深57m、下から10mね」と、声が掛かった。曇空で気温は1桁台だが、風も波も大したことはなくまずまずの釣り日和。この日は中潮の2日目、横須賀の干潮時間は午前8時14分。さあ、2020年初釣りの開始だ。
楽しみのひとつが“ゲストフィッシュ”
最初のポイントに到着して少し経った8時5分、右舷胴の間(中央)でタイラバで狙っていた小倉さん(川崎市)の竿が曲がった。上がったのはタチウオ、それも“指4本”はあるたっぷりとしたお腹で美味しそうな“ゲスト”。その後も定番“ゲストフィッシュ”であるホウボウや高級魚のトラフグ等があちらこちらで上がり始める。“ゲスト”が釣れるのだから魚の活性は低くないはず。後はマダイの小気味いい引きを待つだけ-その瞬間を楽しみにしながら焦らず構えた。
遂にこの日初のマダイが上がる!
11時少し前、最初のポイントから潮回しを繰り返していた船長が、船を20分程南下させた。久里浜港が見えるポイントで一旦仕掛けを下したが、サバフグの猛攻に合い、再び小移動して11時25分に水深80mのポイントで仕切り直した。すぐに左舷胴の間でタイラバを使っていた櫛山さん(横浜市)の竿が曲がった。これまでとは違う力強い引き、上がって来たのは50cmを優に超えるオオニベだった。この魚は個体数が少なく市場にあまり出ることはない魚だ。その後、紅一点の倉本さん(横浜市)の竿が曲がった。竿先を見るとあのマダイ特有の引きが続いている。そして遂に、この日1匹目のマダイが上がった。倉本さんの仕掛けは一つテンヤだ。直後にオオニベを釣った櫛山さんの竿がまた曲がった。ゆっくりと上がって来たのは、これも食べ頃サイズの綺麗なマダイ。「マダイは釣れ出すと続く」のだと改めて実感した。櫛山さんに仕掛けについて訊くと、「オオニベにスカートを少し齧られたので新しいスカートに変えたばかりだったよ」との事。
船長に訊いてみた
マダイのアタリが出たところで、本田和芳船長に話を訊いてみた。「潮は流れているけど、中々ポイントに嵌っていない。嵌るとさっきのようにすぐに釣れるんですけどね。下げ潮と上げ潮なら上げ潮の時のほうが当たりますね」。仕掛けについては、「今の時期はタイラバなら80gと100gのヘッドを持って来てくれれば大丈夫。一つテンヤなら10号から15号で」との事だった(4月を過ぎるとタイラバで120gが必要な時も出てくるそうだ)。この日は一つテンヤ仕掛けが6人、タイラバ仕掛けが2人と一つテンヤの使用率が高かったので最近の割合を訊くと、「いつもは一つテンヤもタイラバも半々くらい」との事だった。
終盤に再び光が見えた
マダイのアタリから暫く静かな時間が続き、「アタッたと思ったらやっぱりホウボウかい!」を繰り返していた倉本さんの竿が又曲がった。沖上がりの時間が気になり出した15時過ぎだった。上がって来たのは今回も綺麗な食べごろサイズのマダイ。ほどなくして15時30分の沖上がりの時間となった。結局、この日の竿頭はマダイ2匹を釣り上げた倉本さんとなった。
予定通り16時に帰港すると船宿には暖かい味噌汁が用意されていた。こうして2020年の“初釣り”は終わったが、その後、1月10日にはトップ3匹最大3.1kg、1月11日にはトップ4匹最大3.4kgと釣果は上がっていた。条件さえ整えば好釣果も十分期待出来るはずだ。
今回利用した釣り船
出船データ
集合時間:午前6時半までに
出船時間:午前7時15分
乗合船料金:1万700円(氷付き)
駐車場代:500円