釣りビジョン

2011.5.15号

山正丸・茨城県大洗港
40cm超え続々!茨城・大洗沖の肉厚マコガレイ

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例年、潮温の上昇とともに本格化する茨城・大洗沖のマコガレイ。今シーズンは東日本大震災の影響でスタートが遅れ、大洗港『山正丸』でも5月3日に初出船した。初日の竿頭は13尾の好スタート。4日、5日はシケ模様で6尾、7尾と伸びなかったもののウネリが収まった6日、7日には17尾、18尾と好釣果。「30㎝以下は交ざらないよ!」と言う小沼資平(おぬま・ただひら)船長の言葉に、産卵から回復した肉厚マコガレイを求めて5月8日に出掛けた。

総勢13人が乗船!

午前4時50分に大洗港へ到着。日の出も大分早くなり、あたりはすっかり明るくなっていた。『山正丸』船着き場に到着すると、やる気満々の総勢13人が準備万端で出船を待っていた。「準備が出来たら出るよー!」と威勢のいい船長の掛け声に慌てて船に飛び乗った。

震災の後だけに感動の出船シーンだ
「船底も潜水士に頼んでチェックしたので安全です!」と船長
このサイズが最近のアベレージサイズと言うから驚きだ

釣り場は、航程20~30分の大洗沖

受け付けは、船着き場横の詰所が津波によって流されてしまったため船長の娘さん(いくみさん)が船上で行う。船宿で販売している仕掛けは3種類、写真真ん中の仕掛けが“船宿推薦仕掛け”。「この仕掛けはね、本当によく出来た仕掛けですよ。市販の仕掛けより数段釣果が期待出来ますよ」と右舷ミヨシ(船首)に座った常連の益子保徳(ましこ・やすのり)さん。午前5時20分、予定より10分早く河岸払い。「ポイントまでは航程20~30分」と船長。

船宿で購入できる仕掛けは3種類
ウネリがあると底が波打って映る
女性にも手軽に楽しめる釣り物だ

“モタレ”がわかれば釣果も伸びる!?

釣り場に到着すると、「おはようございます。餌の青イソメは人指し指から小指の長さに切って少なくとも2、3匹付けて下さい。20~30回小突いたらゆっくり誘ってアタリを見て下さいね」と船長からアナウンス。この時期のカレイは大きければ大きいほど、アタリが明確に出ないのだと船長。小突いた後ゆっくり竿先を利き上げて来ると、少し竿先が入り、重みが増す。その微妙な重さの違いを“モタレ”と呼ぶ。言わば“前アタリ”だが、これが分かるようになれば確実に釣果は伸びるそうだ。

ファーストヒットに笑みがこぼれる
横に乗った友達もヒット!

2流し目にヒット連発!多彩なゲストも♪

この日は朝から南東のウネリが入り、底荒れによる喰い渋りが懸念された。船長が言うには、南東のウネリは北東のウネリよりもよくないそうだ。しかし、2流し目には、早くも左舷大ドモ(船尾)、左舷ミヨシから2番目でほぼ同時にヒット!どちらも期待通りの35㎝級肉厚マコガレイ。船長がキャビンから飛んで来てランディング。ところが、その後は船中あちらこちらでアタリは出るのだがハリ掛かりがしない-と言う事態が連発した。だが、そんな中、右舷ミヨシの益子さんにヒット!船中3尾目のマコガレイを期待したが、上がって来たのはショウサイフグのダブル。それに触発されたかのように左舷大ドモではカレイ釣りのゲストとしては珍しい良型のハナダイが釣れ、左舷胴の間(中央)では良型アナゴも顔を見せた。

ショウサイフグのダブルに苦笑いの益子さん
美味しそうなアナゴですね♪
カレイ仕掛けにまさかまさかのハナダイです(笑)

“モタレ”が分かったら再び小突く

船中で数尾のフグが上がったところで船長は移動を決断。実績のあるポイントに狙いを絞り、慎重に仕掛け投入のブザーを鳴らした。水深32m、水深は少し浅くなった。ここで益子さんに釣り方を聞いてみると、「ここのマコガレイ釣りは、“モタレ”が来てからが重要です。“モタレ”を感じたらすぐにスッと竿先を下ろし、もう10回程度小突きます。初めての方は、アタリが来ているのにまた小突くんですか?って驚かれるんですけどね。ここで小突くと、カレイは餌が逃げると勘違いして更に食い込むんですよ」と、丁寧に教えてくれた。すると、その直後、益子さの竿が大きく曲がった。「これはいい型ですよ!」。嬉しそうにやり取りを堪能しながら上がって来たのは紛れもなく大型のマコガレイ、何と47㎝!しかも、その後、右舷胴の間でも同サイズが上がったのにはビックリ。

お見事47cm!
立て続けに良型を捕えた

時合いの到来で33cmと40cmの2点掛け!

午前10時半、水深39mラインへ移動。5分と経たない内に右舷大ドモでヒット。それに続けと言わんばかりにヒットが連発。右舷大ドモから2番目、左舷胴の間でも。そして、圧巻だったのが益子さん。何と33cmと40cmのダブルで時合いを締めくくった。

40cm超えムシガレイも交じる
やりました!2点掛け!
貸し竿でも釣れました♪

最後の流しで全員オデコ脱出!

仕掛け図
「はい、この流しで沖上がりになりますからね」。と船長の言葉に俄然気合いが入ったのは左舷ミヨシの常連さん。ウネリに苦戦、右舷ミヨシの益子さんの6尾とは対照的にここまでゼロ。「えっ、オデコは自分一人ですか?」。その言葉に焦りが募る。しかし、そこでドラマは起きた。最後の流しでカレイの喰いが立ったのだ。左舷トモ、右舷胴の間とパタパタと40cmUPが上がり、ついに左舷ミヨシでもヒット!「いや~、危なかった~」。常連さん、釣り上げた40cmのマコガレイを手に胸を撫で下ろした。
最後に釣果を伸ばすコツを船長に聞いた。「とにかく飽きずにコツコツ小突くこと。粘りだね。後は疲れても集中力を切らさずに竿先を見てアタリを取ることです」。

マコガレイ釣りは8月まで

肉厚マコガレイの煮つけ
この日は、ウネリの影響もあって竿頭は6尾(2人)だったが、5尾も2人いて、13人でオデコはいなかった。今回は釣り人も多かったので竿を出さなかったが、大ドモの釣り人のご厚意で頂戴したカレイを、煮つけで頂いたが本当に美味かった。肉が厚いのは去ることながら、マコガレイならではのプニプニとした皮の食感が絶品!
大洗沖のマコガレイ釣り、例年8月初旬までロングランで楽しむことが出来る。夏に向けてどんどん美味しくなるターゲット、是非出かけてみては如何だろう。

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
茨城県大洗港『山正丸』
〒311-1301 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町1053-2
TEL:029-267-2341 定休日:毎週月曜日
詳細情報(釣りビジョン)
山正丸ホームページ
出船データ
(料金)マコガレイ船=餌2パック、氷付き10000円
(午前5時集合5時20分出船、正午沖上がり)
※船上での仕掛け販売あり
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