2022年02月16日公開
節分も過ぎ、暦の上では春。寒さがピークアウトしたとは言い難いが、梅の花が咲き始めたとの便りもちらほら。この時期のお楽しみと言えば、ヤリイカやスルメイカを狙う“春イカ”釣り。
春の知らせを求めて、千葉県・南房は乙浜港『しまや丸』に出掛けた。
午前5時30分に船宿へ集合
「しまや丸」が停泊する乙浜漁港は、房総半島の南端。富津館山道路の終点・富浦ICから車でおよそ40分弱。取材日は立春の2月4日。都心は冷え込んだようだが、港の気温は5度と意外なほどしのぎやすい。集合は午前5時30分だが、5時を過ぎる頃から船着場の前には“太公望”の車が集まり、道を挟んだ船宿に明かりが灯るのを待っていた。
集合時間の少し前から受け付け開始。乗船名簿に記入して、乗船料を支払う。釣り座は予約順に割り振られているので、釣り座表を確認して積み込みの準備に船着場へ戻る。オモリは重く、仕掛けは嵩張り、投入器など荷物の多いイカ釣り。船着場の目の前に車を停められるのは助かる。
やがて船長が船に灯火を点してから、氷を受け取って乗船。手際良く出船準備は整い、東の空が白み始める頃「第三しまや丸」は出船した。
竿入れからクライマックス!
ややウネリのある海を走ること1時間15分。前日調子が良かったという洲崎沖に到着。釣り場には船団が築かれ、名だたる船宿の船が大集合。
期待の第1投、最初に竿を曲げたのは右舷ミヨシ(船首)の西本さん。胴長30cmクラスのスルメイカを2点掛けにした。この流しで船中半数以上の釣り人がスルメイカを取り込み、左舷ミヨシの城野さんは5点掛けに成功。幸先の良いスタートを切った。
この日のアタリは18cmの直結仕掛け
潮の流れが速く、サバが邪魔をするタイミングも多かったこの日。手返しの良さでも直結仕掛けが有効で、ハイアピールなプラヅノ18cmへの反応が良かった。
サバの回ってこないタイミングで11cmツノのブランコ仕掛けも投入してみたが、これには抱卵した雌のヤリイカがポツリポツリと乗り、待望のヤリイカも群れが形成されつつある模様。大型の雄の個体が釣れ出すのも決して遠くは無いだろう。
船長に訊く、“春イカ”釣りのアドバイス
これからイカ釣りを始めたいビギナーへ向けて、島野一男船長にアドバイスを求めた。
「ツノ数は最初5本くらいで、手返しに馴れるしかないよね。ヤリイカに関しては底から1mくらいでもやってれば大体乗るからね。ホントは4、5mまで探って、乗らなかったらまた落とす。スルメの直結は18cmが良いよ。なまじ11cmとかだとノリが悪い」とのこと。
取材日はスルメの反応が広範囲に渡るタイミングもしばしばあり、電動リールを中〜低速で巻きながら竿を煽る“電動シャクリ”にも反応が良かった。日によって釣れ方も様々な“春イカ”釣り。「ブランコ仕掛け」と「直結仕掛け」の両方を準備して、状況に合わせてセレクトするのが得策だ。
春近し、ベストシーズンはこれから!
かくして、この日の竿頭は45杯を釣った城野さん。波風強く釣り辛い海況だったにも関わらず、船中半数以上が30杯超えの釣果で笑顔の沖上がりとなった。
「本格シーズンはこれからだからね」と語る船長。開幕当初は釣果にムラこそあるが、魚影濃く期待充分。治具(ジグ)にイカヅノを巻きながら、釣果情報から目の離せない日々が続きそうだ。
今回利用した釣り船
出船データ
料金:1万1,000円(氷付き)
集合:午前5時30分/出船:午前6時頃
※貸し竿:電動リールセット(キーパー付き)2,000円
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他