釣りビジョン

2012.6.15号

野毛屋釣船店・神奈川県金沢八景
人気急上昇中!東京湾の“ひとつテンヤ”マダイ!!

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全国各地で人気爆発中の“ひとつテンヤ”。横浜市・金沢八景の老舗船宿『野毛屋釣船店』では、東京湾内で大潮と中潮まわり限定で“ひとつテンヤ”マダイの乗合船を出している。外海とはひと味違う東京湾スタイルの釣りが楽しめるとあって、現在人気急上昇中。勿論、私も未経験で興味津々。大潮3日目の6月5日(火)に狙いを絞り出掛けた。

乗船までの流れ!

『野毛屋釣船店』で船に乗る場合、まずは船宿(店)で受け付けを行い釣り座を決める。駐車場は店の横にあるがスタッフの指示に従って駐車しよう。電車組は、京浜急行・金沢八景駅から徒歩6分。因みに、店と乗船場所は少し離れているが荷物は全て軽トラで桟橋まで運んでくれる。余裕を見て出船1時間前に船宿に到着していれば万全だ。分からない事は女将さんらに聞けば優しく教えてくれる。

『野毛屋釣船店』店舗
この札を取り釣り座を決める
大型快速船が釣り人をサポート

釣り場は近場の「第三海堡」跡地周辺!

釣り大好き!黒川勇治船長!!
出船は朝7時15分。「野毛屋釣船店/第二忠丸」の舵を握るのは黒川勇治船長。この日乗船したのは私を含め7人。その中に、以前釣りビジョンの番組に出演して頂いた事のある加藤義司さんとその奥さんが偶然乗っていらっしゃった。船は定刻通り桟橋を離れ、途中、餌となる活きエビを海上でピックアップ、航程10分程で釣り場の「第三海堡」跡地周辺に到着した。水深37m。「“素直”で良い潮だな~!」と船長が絶賛する好条件の中、いよいよスタートした。

釣れるときは連チャンで!

船中1尾目の“本命”!
釣り開始から約30分、沈黙していた船中でのファーストヒットは、船べりにリモコンを置いて遠隔操船しながら竿を出していた勇治船長に訪れた。しかし、残念ながらこれは型の良いホウボウ。と、その直後に左舷大ドモ(船尾)の常連さんの竿がギュンギュン!と絞り込まれ、1㎏弱のキレイなマダイが上がった。10号のテンヤで仕留めたそうだ。更にその30分後、再び勇治船長の竿が曲がり、今度はきっちりと“本命”をタモに収めた。これをきっかけに、バタバタと3連発で美しいマダイが船中に舞った。「良い場所を流しているんだからさ、釣れるときは続くんだよ」と船長。

船長もしっかりゲット!!
加藤奥様は“鴨居式”で!
2枚目ゲットの常連さん

東京湾の“ひとつテンヤ”釣りとは!?

これが東京湾流!
船長に東京湾スタイルの“ひとつテンヤ”について聞いてみた。外海との大きな違いは、常に潮の速い状況下で釣るということ。大潮と中潮の時にだけ出船するのだから当然だが。勿論、“底ダチ”が取れなければ釣りにならないのは外海と同じ。そのため、テンヤも10~18号と重いものが基本となる。釣り方は、アタリを取ってから合わせるのではなく、底ダチをとったらすぐに1~1.5m程軽くシャクルのだと言う。「基本はこの繰り返しでOK」と船長。

船長オリジナル『勇治のタイテンヤ』

「勇治のタイテンヤ」
テンヤは東京湾専用に作られた船長のオリジナル。実戦から導き出された理論や経験を基に拘り抜いた完璧な実戦仕様だ。その名も『勇治のタイテンヤ』。このテンヤは船の上だけで販売している限定品。そして『野毛屋釣船店』では、“ひとつテンヤ”の他に“タイラバージグ”、中オモリを介して豆テンヤを使う“鴨居式”でも釣りが可能だ。加藤さん夫妻は全てこの“鴨居式”でマダイを釣り上げていた。それぞれの釣り方にはそれぞれの趣があり十二分に楽しめるのが“マダイ釣り”の懐の深いところだろう。

拘りが詰まった逸品!
仕掛け図:ひとつテンヤマダイ用
仕掛け図:鴨居式用

好条件でワンバイト・・・!さて、その後は!?

その後も「第三海堡」跡一帯を流し続け、“本命”のマダイは勿論、カサゴやホウボウなど順調に釣果を伸ばしていった。船長は一緒に竿を出し状況を探り、常に的確なアドバイスが飛ぶ。潮も“素直”に流れ続け、好条件のまま進行した。私もある程度マダイの撮影が出来たので、ここで竿を出した。東京湾スタイルは初めて。「ビギナーはベイトタックルを使って、まずは14号のテンヤからやってみなよ」と船長のアドバイス通りに始めた1投目、いきなりバイトがあり竿に重みが加わったが、あえ無くフックアウト。テンヤには明らかに噛み潰されたエビの残骸が・・・。ただ、“本命”かどうかは不明。「勿体ない事をしたな」と軽く考えたが、その後にそれが大きな後悔になろうとは・・・。「トンッ!(着底)、ヒュン!(軽いシャクリ)、スー・・・(竿を下ろしながらのフォーリング)、トンッ!・・・」。船長の教え通りにこのリズムでシャクリ続ける。水深は40m前後だが、たまに投入直後に糸が出過ぎて14号のテンヤでも“底ダチ”を取るのに苦労することがあったがほぼ問題なく釣りが出来た。慣れてきて、繊細なスピニングタックルで軽いテンヤを扱えれば、更に微かなバイトを感じ取ることが出来るなとも思った。因みにこの日、船長や常連さんたちは10号のテンヤを使っていた。

「かわいいサイズ」と苦笑いするも立派な“本命”!
カサゴは嬉しいゲスト♪
中乗りさんもマダイゲット☆

この日の最大魚浮上!

「やったね加藤さん!」1.2kg☆
再び静かになってしまった船中。時計が正午を30分程回った頃、これまで沈黙していた右舷ミヨシ(船首)の加藤さんにようやくバイト!「おっ!結構良い型かもな!?」。グングン!ググン・・・!マダイ独特の三段引きを見て船長が嬉しそうに言った。これまで一貫して“鴨居式”で狙い続けた加藤さん、実は開始直後に“大ダイ”らしき大物をバラしていて、汚名返上とばかりに静かに闘志を燃やしていたのだ。慎重にやり取りし、タモに収まったのはこの日一番の1.2㎏。リベンジ達成の瞬間だった。「やったねー加藤さん!釣りは顔じゃないんだね~!」と船長のジョークが飛び出し、船内が大爆笑に包まれた。

好条件はやはり好結果に繋がる!!

本日3尾目の常連さん!
船長の言葉通り、誰かが釣れるとその後はヒットが続く。やはり良いポイントを流している証拠なのだ。しかもこの日のアベレージ、1kg前後の食べ頃サイズがポロポロと顔を出す。そして、14時前後に最後のヤマがきた。右舷大ドモの釣り人がカサゴ、ホウボウと掛けた3度目の正直に待望の“本命”をゲット。更に加藤さんの奥さんが“鴨居式”で1㎏オーバーを釣り上げ、仕上げに左舷大ドモの常連さんが手跳ね竿でやはり1kg級を仕留めた。この人、本日4尾目。そして沖上がりの15時を向かえ終了となった。私は残念ながらワンバイトノーフィッシュ…。お約束のように悔やまれる結果だったが、最終成績は0~4尾/0.6~1.2kgで船中12尾のマダイが上がり、十分な釣果だった。

3度目の正直でゲット!
本日2尾目の加藤さんの奥様♪
最後は手跳ね竿でキメてくれた!

次回の出船日は・・・!

タイドグラフを見ると6月15日(日)以降の出船可能日、すなわち大潮と中潮は16日(土)~25日(月)の10日間。船長に確認すると次回は17日(日)から出船開始予定とのこと。ただ、出船日程は若干前後する事があるようなので、詳しくは『野毛屋釣船店』のHPか電話で問い合わせて頂きたい。6月9日(土)には2kgオーバーを頭に1kg以上のマダイが8割も交じり船中20尾の大釣りも記録されている。東京湾スタイルの“ひとつテンヤ”マダイ。外海とは違った魅力を認識した。今後は更に人気に火が着くことだろう。私も是非リベンジを果たしたい。

(鈴木 恭介)


今回利用した釣り船
神奈川県金沢八景『野毛屋釣船店』
〒236-0026 神奈川県横浜市金沢区柳町7-5
TEL:045-781-5964(定休日:毎週木曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
野毛屋釣船店ホームページ
出船データ
料金:10,000円(エサ付き、氷別)※貸し道具¥500-
出船時間:7時15分~/沖上がり:15時
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。
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