釣りビジョン

2013.1.1号

石倉渡船・三重県紀伊長島
三重県・紀伊長島、レンタルボートでティップランエギング♪

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「ショア(陸)からアオリイカ釣りをしたことは何度もあるけれど、オフショアの釣りはまだ…」と言うアオリファンは意外に多い。“船アオリ”の乗合船もいいけれど、レンタルボートからのエギングって言うのはどうだろう?気の合った仲間とボートに乗り込んで、ライセンスを持っている人が操船。ポイント移動は自由自在。好きな時間にスタートして、好きな時間に帰港出来る。そんなレンタルボートからのアオリイカ釣りが冬場も大人気の、三重県・紀伊長島『石倉渡船』のティップランエギングを取材した。

名倉湾内のボート釣りでアオリイカや大型カマス上がる!

勢いよく昇る朝日に元気をもらい大漁祈願
『石倉渡船』は、年末年始も休まず営業する。大船長の石倉徳光さんのツイッターからは、早々とそんな年末年始無休営業のお知らせが流れていた。紀伊長島は冬場の季節風にも強い紀東の名礁が点在している。冷え込んで来ると、大型のグレを狙って釣行する釣り人も多い。波穏やかな名倉湾内には、“カセ"と呼ばれる固定式の釣り船が設置されていて、沖が多少シケてもクロダイやアオリイカなどが狙える。また、レンタルボートも船外機付きのボートと手漕ぎボートがそれぞれ30隻程あり、アオリイカやカマスのほか季節によってはアジ、シロギス、“青物”など色々な釣り物が楽しめ、年中多くの釣り人で賑わっている。

紀伊長島の『石倉渡船』ではレンタルボートでいろんな釣りが楽しめる
和田憲和さんペアは、まずお父さんがアオリを釣ってお手本を見せた
「ヤッター!!」和田翔平君にも待望のアオリイカ!寒さを忘れる瞬間だ
大人顔負けの釣りを見せてくれた“スーパー小学生”の住澤慧樹君
慧樹君の師匠で父親の住澤直樹さんが釣り上げた良型アオリ
親子対決?さあ、どちらが先に釣るか?

2歳でエギングデビュー!“スーパー小学生”住澤慧樹君

大船長のツイッターからは「ボート釣りでアオリイカを1㎏オーバー込みで20杯」とか、「手漕ぎボートでカマスの喰い復活」、「カマスが大きいので刺し身でもOKです」など、魅力的な戦況報告が届く。こうなると、じっとしていられなくなるのが釣り師。頬をさすような潮風を受け、吐く息も凍り付きそうな海に出てスッキリとした気分で新しい年を迎えたい―。と言うわけで、関西オフショアマガジン取材班は三重県紀伊長島へ走った。 今回は住澤直樹さん、慧樹君(12歳)親子と和田憲和さん、翔平君(11歳)親子が乗る船外機付きボートに同乗させてもらってのアオリイカのテイップランエギング。
慧樹君は小学6年生ながら、仮面ライダーに夢中になる前の2歳でボートエギングデビュー、3歳でタチウオジギングデビューという“英才教育”を父親で釣りの師匠である直樹さんから受けて今日に至る。12歳にしてベテラン並みの経験と実績で、最近は釣り雑誌、釣り新聞、TV、ラジオなどの取材まで受ける“スーパー小学生”なのだ。勿論、学校の先生も、そんな慧樹君を応援している。
慧樹君に簡単に釣り方の説明をしてもらいながら、手本を見せてもらった。
エギバッグの中から3.5号のエギをチョイスし、15gのシンカーをプラスして投入。ロッドが一定の心地よい風を刻む音を発しながら、ワンピッチジャークを5~10回ほど。そしてストップ。5~10秒ほど待ってエギが着底するまでにイカが乗ればアタリが出る。アタリが出なければ再びワンピッチジャークを5~10回。ストップしてアタリを待つ。この繰り返しを3セットくらい続ける。ボートはアンカーを入れない流し釣りなので、アタリがなければエギがだんだん離れていくので、一度巻き上げて一連の動作を繰り返す。勿論、アタリがなければエギをチェンジしたり、シンカーを交換するなどして様子を見る。こうした釣りを見事にやってのける慧樹君。大人顔負けの釣りで、まずまずの型のアオリイカを次々に取り込んでいった。

将来の夢はプロアングラーという慧樹君
友達の和田翔平君と仲よくWヒット!

専用タックルを使えば誰でも簡単に釣れ、冬場も熱くなれる釣り

4人で釣り上げたアオリイカを前に写真撮影
慧樹君の師匠、直樹さんに紀伊長島のティップランエギングについて聞いた。 「僕らは17、18年程前、まだ専用のエギがなかった頃から現在のような釣りをしていました。『ティップラン』という呼び方がされ出したのは数年前からです。オシャレな呼び名で、どう違うの?って逆にとまどったくらいです(笑)。この時期、紀伊長島の名倉湾ではこのティップランが主流の釣り方になります。ポイントの水深は深いところで24、25m。ボートで出られるのは“エスキの磯”と“大石の磯”を結んだラインより陸寄りです。専用のエギを使えば底も取りやすく、穂先部分が軟らかく感度がよいロッドを使用すれば、シャクって止めての5秒の間にイカが勝手に掛かってきます。誰でも簡単にイカを狙うことができます。サイズは0.5~1kgオーバー。数は良いと15尾前後といったところでしょうか。出船前に事務所で好調に釣れているポイントを聞いておけば、アテ外れが少なくなります(船外機付きボートは2級以上の小型船舶のライセンスが必要)。冬場も寒ささえ我慢すれば、この釣りは熱くなれます。もう少し先になりますが、春先には2kgオーバーの大型も釣れます。ボートエギングは難しそうだから…と敬遠していた方も、ぜひ、僕らと一緒にこの釣りを楽しみましょう!」

仕掛け図
この日活躍したエギ
レンタルボートは船外機付きと手漕ぎボートがある
女性のための更衣室もある
カメラを向けると「ヤッター!」。釣れたのかな?
休憩所には磯釣りで釣り上げられたグレの魚拓がズラリ

(上野 英輝)

今回利用した釣り船
三重県紀伊長島『石倉渡船』
〒519-3204 三重県北牟婁郡紀北町紀伊長島区東長島
TEL:0597-47-0712
詳細情報(釣りビジョン)
石倉渡船ホームページ
(交通) 名古屋方面からは東名阪~伊勢自動車道~紀勢自動車道紀勢大内山IC~R42で紀伊長島へ
    大阪方面からは西名阪~伊勢自動車道~紀勢自動車道紀勢大内山IC~R42で紀伊長島へ
出船データ
船外機付きレンタルボートは6時30分出船、14時納竿。5人乗りイケス付き(9.9馬力)10000円、保険料1人500円。4人乗りイケス付き(9.9馬力)10000円、保険料1人500円。このほか6~14人乗りまで各種有り。詳細は『石倉渡船』ホームページ http://www.turi1.com/yoyaku.htm
または電話確認。
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