釣り船 魚英・兵庫県明石港
秋はコレ!兵庫県・明石沖の青物ジギングで興奮!
船長のアドレナリンがドバドバ噴出!
平日にもかかわらず、明石港の釣り船『魚英』はこの日2隻のジギング船が出船した。若い釣り人が多いが、年配の釣り師もちらほら。港を抜け出すと、すぐ目の前に明石海峡大橋。吊り橋の美しさに見とれている間もなく、船は加速してSWにコースを取り、夜明けの海を鹿の瀬に向かった。
全員「釣ったるでぇ~!」モード全開でアゲアゲ。船のエンジン音がさらに釣り人のハートを鼓舞する。鹿の瀬は播磨灘の好漁場だ。海底は大きな砂丘のイメージで、ところどころに岩場がある。水深は30~40m、浅いところは10m以下。そんな広大な鹿の瀬に、イカナゴ、チリメン、イワシが大群をなして泳ぐ。それを追って回遊魚が集まる。空からは海鳥たちが、ご馳走が群れ泳ぐ海にダイブする。穏やかに見える海の中では、食うか食われるかの壮絶なバトルが日夜繰り広げられているのだ。
釣り人と船長が一緒になって鳥ヤマを探す。「昨日は港の前でブリやメジロがイワシを追いかけてバシャバシャやっとったけどなぁ~」と常連さん。「アレ見たら興奮するでぇー!」と身振り手振りで話す。と、急にエンジン音が高くなり、船はベタナギの海を滑走した。前方に鳥ヤマ発見!船長のアドレナリンがドバドバ噴出!乗船している釣り人も同様だ。
「めっちゃ沸っきょぉーやん! エエ反応出てるでぇ~!」
魚探もベイトの反応を色濃く映しだしていた。ボールベイト。要するにイワシダンゴだ。イワシの群れがフィッシュイーターから身を守るため、ダンゴ状になって海面を盛り上げる。竹竿を挿しても倒れないほどの大きな群れに遭遇することもあるという。バシャバシャと水シブキが上がる。海面下で青物が狂ったようにイワシを追い立ててバクバクと捕食しているのだ。こんな光景を見たらもうじっとしてはいられない。船のホースピットに陣取った常連の伊東さんが堪らずキャストを始めた。
「めっちゃ沸っきょぉーやん! エエ反応出てるでぇ~!」と魚谷吉伸船長がマイクパフォーマンスで釣り人を煽りまくる。魚も必死で捕食しているが、釣り人も無我夢中。シビレる瞬間だ!
ジグに反応したツバスが抜きあげられた。ハマチと呼ぶにはまだ顔が幼いが、口からはみ出るほどの大量のベイトを食って、一潮ごとにぐんぐん成長する。時折ハマチクラスがロッドを曲げるが、バラシが多い。
明石沖ではお盆の頃、サワラが数釣れた。ヤナギクラスにサワラがまじって楽しい釣りができたと伊東さん。その頃に比べるとサワラは減ったが、現在もメジロ、ブリにまじって上がっている。
船長の「家の前」のポイントでブリ、メジロ!
ツバス、ハマチをある程度釣ったところで、船は明石沖に向かった。メジロ、ブリ、サワラ狙いに転向だ。船長は「家の前」とこのポイントを呼ぶ(エエなぁ~!“家の前”でブリ釣れるんか…)。確かに『魚英』の港は目と鼻の先、近っ!プレジャーボートも青物を狙って出船してきている。いたるところにイワシの群れが出没。海面に青物が鼻を持ち上げ波立つ。そんなところにキャストすると、必ずといってよいほどハマチかツバスの兄さんクラスがヒットしてくる。しかし、すぐに群れがどこかに行ってしまう。
「アカン!すぐ消えてまいよるな~。結構シブキ上げよんでェ~!メジロとブリが沸きまくっとるけどなぁ~」と、苛立ちを隠せない船長。
イワシの群れと鬼ごっこだ。こちらと思えばあちら、あちらと思えばこちら。じれったいことこの上ない。
別船ではブリが2回ヒットし8kgをGET!
別船ではブリを2回ヒットさせ、トリプルフックをのされてバラした人がいたと言う。無事にキャッチしたのは8kg級1尾。こちらも負けてはいられない。
船長のムチが入る。「今エエ反応出とっけどなぁ~!」と魚探の反応が出るたびに船長が実況する。そんな時、ホースピットで執拗に攻めていた伊東さんについに大物がヒットした!
「おお来た!」ハマチやツバスのように簡単には寄ってこない。ブリか?メジロか?サワラか?
やがて海中に青白い魚体が見えた。いい引きだ。寄せると走る。しかし、ついにギブアップしてネットイン!イワシをタップリ食べてプリプリに肥えた美味しそうなメジロだった。
潮温下がって魚動き出し、いよいよ本番!
「キャストして、ジグがスライドし出す前に1度ジャークを入れてラインを張ると、次のスライドしかけた時にゴン!とヒットする」と伊東さんが、この日のパターンを説明する。トモ(船尾)で釣っていた潮田さんにもメジロがヒットして、ハマチ、ツバスもポツポツと釣れ続き、この日の釣りは終了。「家の前」での釣りだけに、帰港は滅茶苦茶早かった。
その後は豪雨の影響で潮に濁りが入り、食い渋った日もあったが、潮温が高かったのが下がり出して魚が動き出して来ている。いよいよ青物シーズン本番だ。メジロ、サワラがよくなってきているだけに今後も楽しみ。例年のパターンなら、12月ごろまで釣れ続く。今のところ、トップはハマチ、ツバス、メジロを合わせて10尾前後だが、ハマチは大きいもので50㎝クラス。大潮まわりは青物、小潮まわりはこれからタチウオ釣りにも出船する。
なお、『魚英』ではジギングダービーを開催しており、参加者を受け付けている。詳細は電話で。
(上野 英輝)
今回利用した釣り船 |
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兵庫県明石港『釣り船 魚英』 TEL:078-917-1285 携帯:090-2356-7314 (交通)車は第二神明高速道路『玉津I.C』より約10分。電車はJRまたは山陽『明石駅』より徒歩10分。 詳細情報(釣りビジョン) 釣り船 魚英ホームページ |
出船データ |
明石沖のジギング乗合船 平日1人7,000円、土・日・祝1人7,500円。 なお、狙いもの、時間により料金の変更有り。氷別料金。ロッド・リールセット2,000円。 |