第八幸松丸・静岡県沼津静浦
駿河湾・沼津沖、ムギイカの夜釣りが面白い!
何と平日の深夜に12人!
沼津静浦港は、東名高速・沼津ICから車で30分程の距離。『第八幸松丸』の乗船場は静浦漁協建物近くの岸壁、駐車スペースは乗船場のすぐ近く。深夜船の集合時間の船のライトが点灯すると、平日にもかかわらず、私を含めて12人もの釣り人が船に乗り込んだ。
タックルと仕掛けは様々
小型電動リールやベイトリールをセットしたLT(ライトタックル)、ノーマルタックル、イカメタル用タックル、手釣り道具、布巻きスッテやプラヅノを使った直結仕掛けや直ブラ仕掛け、イカメタル仕掛け等々、釣り人のタックルと仕掛けは実に様々だった。また、複数のタックル/仕掛けを用意している釣り人もいた。
船の周りにイワシの群れ
午後11時過ぎ、松坂孝憲船長の操船で港を出船、釣り場の沼津沖は航程10分程と目と鼻の先。海上はベタナギで雲は無く、上弦の月が見えていた。水深約100mのポイントでアンカーが投入された。船が安定すると、集魚灯の効果でイワシの群れが船の周りに現れ、トビウオやダツの姿も見えた。「タナは40mから上を探って」と、船長から仕掛け投入の合図が出た。“月明かり”の影響?序盤は厳しい状況
序盤の釣りは厳しく、開始から1時間半程で釣れたムギイカは船中で数杯だった。夜釣りには“月明かり”が影響する。「月の位置がまだ高いから、もう少し辛抱するように」と、船長からアナウンス。暫くすると、ムギイカがポツリポツリと釣れ始めた。
タナが広く、難しい釣り
常連の村上友規さん(長泉町)はLTの電動シャクリ(布巻きスッテ直結仕掛け)で、永井秀夫さん(品川区)は手釣りで、着々とムギイカを乗せていた。直ブラ仕掛けの釣り人もポツリポツリと釣っていた。ムギイカが釣れるタナは広く、60m以上のタナで乗ることもあれば、10m以下で乗ることもあった。狙うタナが絞れず、難しい釣りが続いた。
終盤、時合いに盛り上がった船上
午前3時過ぎ、船上が俄かに盛り上がった。"入れ乗り"とまではいかないが、船中でバタバタとムギイカが乗り始めた。永井さんは、4点掛けから2点掛けを4連チャン。村上さんも、ペース良く安定してムギイカを乗せ続けた。
相模湾と駿河湾のムギイカ釣り、釣り方の違いを実感
取材の合間の短時間、私も竿を出した。マルイカ用タックルとスッテ(5cm)5本の直結仕掛けを使い、シェイクからの"止め"や、"巻き落とし"など、相模湾での釣り方を試したが、全くアタリが出なかった。電動シャクリを真似た釣り方で、やっと1杯のムギイカが釣れた。相模湾の日中ムギイカと、駿河湾の夜ムギイカ、釣り方の違いを実感するに終わった。最終釣果
午前4時過ぎ、空が明るくなり始めるとアタリが遠のき、沖上りとなった。竿頭は電動シャクリの村上さんで31杯、次頭は手釣りの永井さんで30杯、10杯台の釣り人が多かった。ムギイカのサイズは胴長17cm前後が多く、12cmくらいの小型や、20cm以上の“ニセイカ”と呼ばれる大きさも少し交じった。
村上さんの仕掛けと釣り方
常連で竿頭の村上さんに仕掛けと釣り方を聞いた。取材日に使用していたタックルは、約2mのLTロッドに小型電動リール(PEライン2号)。仕掛けは、布巻き浮きスッテの2.5号8本の直結仕掛け。幹糸(スッテ間)はフロロカーボンの8~10号(大型スルメイカ対策)1.2~1.5m、水中ライト、オモリ60号。スッテは「夜光ボディが良く、赤帽を基本に赤/緑などを交ぜ、鉛ヅノを仕掛けの中程に1本入れると効果的」、シャクリ方は「イカの活性に合わせたスピードでリズミカルに誘うと良い」との事。
『第八幸松丸』のムギイカ釣り
『第八幸松丸』は、早夜船(午後5時集合、土・祝前日のみ)と深夜船(午後10時30分集合)を出船している。今シーズンのムギイカ釣りは絶好調!4月28日にトップ106杯、29日にはトップ246杯と"爆乗り"、5月6日にもトップ60杯の好釣果。「今シーズンのムギイカは例年に比べて型が小さく、まだ暫くムギイカ釣りに出船する見込み」との事。
夜ムギイカのLT直結/直ブラ仕掛けやイカメタルは、ここ数年で進化した釣り方。従来の手釣りやノーマルタックル(ブランコ仕掛け)に加え、釣り方の選択肢を広げた。まだ進化途中のムギイカ釣り、釣り方を開拓するのも面白い!
(釣りビジョンAPC・野中 篤)
今回利用した釣り船 |
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静岡県沼津静浦港『第八幸松丸』 〒410-0105 静岡県沼津市馬込135-1 TEL:090-2578-8218 定休日:毎週木曜日 詳細情報(釣りビジョン) 第八幸松丸ホームページ |
出船データ |
ムギイカ乗合(予約制) 乗船料金:9,000円(氷付) 早夜船:午後5時集合(土・祝前日のみ、要確認) 深夜船:午後10時30分集合(要確認) |