第28回「釣りビジョン」番組審議委員会 議事録
-
開催年月日
2015年10月30日(金)13:30~15:30
-
開催場所
株式会社釣りビジョン(東京都新宿区西新宿三丁目9番19号 イマス西新宿第二ビル3階 TEL 03-3373-0753)
-
出席者
番組審議委員:9名出席
- 安藤栄信(一般社団法人日本釣用品工業会 専務理事)
- 岡田順三(JGFA名誉会長)
- 鎌田孝史(株式会社浪漫堂 代表取締役社長)
- 工藤貴史(東京海洋大学 准教授)
- 鈴木康友(株式会社つり人社 代表取締役社長)
- 松井義侑(公益財団法人日本釣振興会 名誉顧問)
- 山田邦子(タレント)
- 横溝弘史(経営コンサルタント)
- 來田仁成(一般社団法人全日本釣り団体協議会 副会長理事)
ご欠席:山田源太(敬称略、50音順)
オブザーバー:2名出席
- 清水司(一般社団法人日本マリン事業協会振興 室長)
- 飯島正宏(東京湾遊漁船業協同組合 理事長)
(敬称略、50音順)
(株)釣りビジョン:10名出席
- 有澤 僚(代表取締役社長)
- 野口哲雄(釣りルール担当部長)
- 吉田 諭(第一制作部長)
- 佐藤静雄(第二制作部長)
- 池上浩之(第三制作部長)
- 高橋和義(人事担当部長)
- 濱田充良(営業企画室長)
- 山本健次(編成制作管理部担当課長)
- 江守麻理香(デジタルコンテンツ部長)
- 塚越真美(事務局)
-
議案
番組に対する視聴者のご意見(クレーム)について
-
報告
(1) プレジャーボート協議会(仮称)について
(2) その他
-
審議
上記の議案に関して審議を実施した。審議内容については以降の通り。
当社 : 開会宣言 13:30
【議案 番組に対する視聴者のご意見(クレーム)について】
- 当社
- 2015年4月から2015年10月までに届きました視聴者からのご意見に基づいて、該当映像をご覧頂ながら個別に審議願います。
- 当社
- それではまず魚の取り込み方について、ブラックバスのボートでの釣りで、ハンドランディングは危ないのでないかというご指摘について審議願います。
- 委員
- これは難しいですね、でも普通にやっていますよね。
- 当社
- 海外でトーナメントに参加された方は、海外はランディングネットが禁止されているところが多くあり、ハンドランディングが悪いものという認識がありません。ネットを使って撮影している番組もあります。JBのトーナメントはみなさんネットを使用されます。
- 委員
- ネットを使った方が確実ですよね。
- 委員
- ハンドランディングは船から落ちそうなところが危ないのでしょうか。
- 当社
- それもあると思います。
- 委員
- ルアーをくわえたまま掴むので、慣れない人がやると危ないのだと思います。
- 委員
- それほど悪いものではないと思います。
- 委員
- ネット禁止の理由はうろこが剥がれるとか、ヒレが切れてしまうとか色々な理由があると思います。
- 当社
- 基本的に私たち撮影側から出演者へ「こうしてください」という強要は一切ありません。そこでのルール、食べる人もリリースする人もその方の釣り方・釣りの主義ということで、その延長線上で、ハンドランディングもネットを使うのも、その方の釣りのスタイルの一部ということで撮影を行っており、強要しているわけではありません。番組ごとにコンセプトはあって、「オカッパリ番組はオカッパリだけ」「ハードプラグ中心に」など決まりはありますが、魚の取り込み方までこちらから指示を出すことはありません。
- 委員
- それでいいと思います。そこまで規制するのは難しいと思います。
- 当社
- ではその方の釣りのスタイルの一部という解釈で、今後も注意深く撮影をしたいと思います。
- 委員
- わかりました。
- 当社
- 続きましてバスフィッシング番組「5Lton」について、あまりにも出演者をバカにしているのではないか、食べ物を取り上げるのはいじめではないかとのご意見について審議願います。
- 当社
- この番組はバラエティ番組として制作しております。ロケ中に食事をするシーンはよくあります。いじめているわけではなく、アングラーにも理解いただき、面白おかしく撮影しています。
- 委員
- バラエティだったら普通だと思います。
- 委員
- 見る人が「釣り番組」だとしか思っていないのだと思います。「バラエティ番組」だと言われたら、それでいいのではないかと思います。
- 委員
- 釣り番組がある限りこの問題は続くと思います。我々がテレビを見ているときバラエティ番組が始まるとテレビを変えるチョイスがありますが、この場合はありませんよね。釣りビジョンの視聴者は、若い人から高齢者まで幅が広く、若い人たちは楽しんで見ています。高齢者たちからは「面白くない」「よくない」と色々なことでの批判が続くと思います。だからと言っても楽しんでいる若い人たちもたくさんいますから、やめるわけにはいかないと思います。やれば批判は続きますが、理解を頂くしかないのではないでしょうか。
- 当社
- この手の番組ばかりというわけではなく、非常にシリアスなドキュメンタリーもありますし、大会で一人に密着し、その人の苦悩を番組にしたりもしますので、両極端の番組があり、両方必要なのです。シリアスな番組が見たい人もいらっしゃいますし、見たくない人もいらっしゃいます。鮎の大会についても放送しますが、釣れない時間でもありのままを放送しておりますので、それをみたい人もいらっしゃれば、見たくない人もいらっしゃるかと思います。
- 委員
- そうですね。
- 当社
- 今後も度を越さない中で制作を続けたいと思います。
- 委員
- わかりました。
- 当社
- 続きまして、バス釣り番組「バーニング帝国」で、女子高生を無断で撮影しているシーンについて、どのような意図で撮影しているのかとのご意見につきまして審議願います。
- 当社
- この番組もバラエティということで取り組んでおりまして、女子高生の後姿が映っているシーンはありますが、わざと女子高生を撮影したわけではなく、景色を撮影中にちょうど女子高生が通った、その部分を使ったという状況で、ナレーションで女子高生についてコメントをしております。
- 委員
- ギャラリーが映ってしまうことがありますよね、今の場合は通りすがりですよね。
- 当社
- 雑景の中に人が映り込むケースのときは、放送に使用することがあることを事前にご本人に告知をすることになっています。
- 当社
- 個人を特定されるかされないかで線を引くべきだと考えています。
- 当社
- 今回の場合はナレーションで扱ったので、女子高生がクローズアップされ雑景ではなくなり、その場合は女子高生の親御さんに使用の許可をとらないといけなかったのだと思います。
- 委員
- コメントを入れなければ風景の一部だったのだと思います。コメントを入れることによって肖像権よりもセクハラの風景に見えてしまったのだと思います。雑景を雑景にしなかったのだと思います。
- 当社
- はい。社内で規定やルール等を再度確認、遵守するよう徹底いたします。
- 委員
- わかりました。
- 当社
- 続きましてインターネットベース企画の番組「釣りはじめます」で、ライフジャケットを使用していないことへのご指摘、出演者が運転している車が、ウィンカーを出してから車線変更が早過ぎるのではないかとのご指摘について審議願います。
- 当社
- この番組は制作人も試行錯誤しながら制作している番組でありまして、今回頂いたご意見は、企画についてのご意見が多く、我々もいつもと違った手法でまだ発展途中のものですので、今回は安全面でのご指摘についてのご意見を議題として取り上げさせていただきました。
- 当社
- 以前審議頂いたように渓流釣りはライフジャケットを使わないという慣例にならって、他の番組と同じように撮影させていただいております。若干足場が高かったかなというところはありますが、管理釣場で通常は長靴でもいけるような場所ですので、ライフジャケットの必要性は感じませんでした。
- 委員
- 管理釣り場ですので、管理釣り場としてルールがあるのであれば着用が必要ですが、ルールがないのであれば、何も問題はないと思います。渓流釣りでもあまりつけないですよね。
- 当社
- わかりました。
- 委員
- 番組自体は、主人公は女性お一人で進めていく感じですので、その方のパーソナリティーがでればいいのであって、その好き嫌いはご理解いただいて、厳しくしてしまうと面白くなくなってないですよね。
- 当社
- 見ていただいた他の釣具店の方からは「勉強になった」というお声も頂いておりますので、この形は基本崩さずに進めさせていただきたいと思います。
- 委員
- 情報を探して釣りに行こうというところから、釣り道具を探して選ぶ、実際に釣りに行く、釣った魚を料理する、最後はネットでブログとかSNSとかにアップするという一連のプロセスが「釣りが面白い」ということだと思いますので、その一連のプロセスとテレビで放送するのはこういう面白さがあるのだなと気づいてもらえていいのではないかと思います。
- 当社
- これまでの番組とは違い、いろんな予想できなかったことが起こります。想像以上に釣りを始める時に釣具店に行くことはまずありません。お店の方は釣りのお話をするのが好きなのですが、釣りを知らない人と話したことがなく、「サビキ」もわからない、「ライン」というとスマホのラインだと思われてします。
- 委員
- この番組は非常に評価できると思います。釣り業界は例えば大型店などは非常に敷居が高いのだと思います。初心者が来ても対応できる店員さんがいません。それは釣り業界の大きな欠点のひとつだと思います。こういう形でそれを指摘していただければ、ようやく釣具店の方も一般人の次元までおりてきてくれた、非常にありがたいと思います。車線変更が早いこともそれほど問題ではないと思います。
- 当社
- 全国の釣具店にご理解いただけるよう何度も足を運び、ご理解頂いた釣具店には「釣りはじめます」のシールを店舗にはらせていただき、のぼりを立てさせていたただいております。そうすると視聴者の方も協力店だとわかりますので、そこから関係がうまれると考えています。
- 委員
- この趣旨を業界の方や釣具店の方に理解させるのに時間がかかること自体、釣り人人口が増えない大きな原因のひとつではないでしょうか。
- 当社
- ただロケに入ると釣具店の方は完全に気がつきます。できればもう一度やりたいとおっしゃる釣具店の方もいらっしゃいます。釣具店の方や他の団体の方々は、初心者向けの釣り大会を開催したりしておりますが、それはそれとして、私たちは媒体として情報を集めて情報を発信する能力を持っていますので、まずはインターネットの中に山ほど情報を集めようということでやっております。
- 委員
- わかりました。
- 当社
- 続きましてバス釣り番組「Make?」で、出演者がバスが釣れたシーンでバスロッドを投げるのは見苦しいというご意見ついて審議願います。状況を説明しますと、まったく釣れない状況が続き、ようやく大きいのが釣れてアングラーは喜んでおり、下はコンクリートですが雑草が生えており、その上にロッドを投げたという状況です。
- 委員
- ようやく釣れて、そのシーンをカットすることはできないですよね。それほど気にしなくていいのではないでしょうか。
- 委員
- 今の場合は嬉しい感情ですので、それほど見苦しいものではないと思います。
- 委員
- ちょっと置く動作にすればなんでもないことだと思います。今後気をつけてください。
- 当社
- わかりました。
- 当社
- 続きましてアジ釣り番組「Az-ing Lab.2nd」で、ライフジャケットをつけていないのではないかというご指摘について審議願います。
- 当社
- ライフジャケットが見えにくいシーンが一部ありましたが、常に着用しております。番組冒頭部でも、「ライフジャケットを着用しましょう」というテロップも流しております。
- 委員
- わかりました。
- 当社
- 続きまして、タチウオ釣り番組「ドラゴン8」で、撮影の際、視聴者の方が同船されており、その方が番組のナレーションで自分のことを「おっさん」と呼んでいたことに不快を感じたというご意見について審議願います。
- 当社
- 乗合船で竿頭になろうという目標でやっております。その中で同船している方と友達になり、撮影の許可をとり、こういう脚色をして、こういう放送をする予定ですと伝えております。しかし、今回の方についてはその説明が行き届いていなかったのだと思います。
- 委員
- おっちゃんという呼びかけは関西ではごく普通だと思いますが、関東の方からみると抵抗があるのかもしれませんね。
- 当社
- 今回のロケは静岡県でした。ご本人には謝罪のメールをお送りしております。事前の説明をきっちりと行うよう気をつけていきます。
- 委員
- わかりました。
- 当社
- 続きまして、シーバス釣り番組「Seabass Journey」で、釣った魚を乾いた地面に置くというのは非常識という指摘について審議願います。
- 委員
- サイズからいうとタモを使うほどではないですから、ついつい置いてしまうこともあるかもしれませんね。
- 当社
- 今回のシーンで釣れた魚はそれほど大きなサイズではありませんが、それまでなかなかいいサイズが出ず、カットすることもできなかったという状況です。
- 委員
- あのサイズだとぶら下がってしまうので仕方ないかと思います。
- 当社
- あのシーバスのサイズであのシーバスロッドだと引き抜けてしまいます。ロッドをあげた瞬間にロッドの弾力でシーバスもあがってきてしまうので、空中キャッチするしかない状態だったと思います。
- 当社
- シーバスのアングラーさんは直接シーバスを触らないようにする方が多いので、一度地面において掴んで、直接魚体に触れないでという考え方でやられているケースも多いです。あの長い竿でやっていると水中で魚の口だけ出してグリップでというのも難しい状況でした。現場の方はこの番組に限らず、色んな方が見ているというところを重点において気をつけて制作を進めていきたいと思います。
- 委員
- わかりました。
- 当社
- 続きましてバス釣り番組「Bass Gallery」で、釣りをしている場所が、ライフジャケットを着けているからと言っても高すぎるのではないかというご指摘について、ご審議願います。
- 委員
- 高さはどれくらいですか?
- 当社
- 2メートルちょっとだと思います。釣り禁止場所ではありません。
- 委員
- これを危険だと言われると、磯釣りは全部できなくなってしまいますよね。釣り自体がなくなってしまいますよね。
- 委員
- やる人はやる、危険だと思う人はやらないでいいのではないですか?
- 委員
- 釣りは危険な場所でやることが多いですからね。
- 当社
- 合法の範囲以内で気をつけて釣りをするということで今後も撮影をしていきたいと思います。
- 委員
- わかりました。
- 当社
- 続きましてバス釣り番組「Bass Gallery」で、出演者のしゃべり方、言葉遣いが悪く不愉快というご指摘について審議願います。
- 委員
- 大声を出したりしている訳ではありませんよね。
- 当社
- 言葉遣いについて、好き嫌いの範疇なのかなと解釈しております。
- 委員
- そうですね。それでいいと思います。
- 当社
- 続きましてバス釣り番組「テッペンDASH」で、七色ダム・ダムサイト下流200mの釣り禁止場所で釣りをしているのではないかという指摘があり、番組の該当箇所を確認し、ダム管理者に確認したところ、ダムサイト下流300m以内までは釣り禁止区域であったことが判明し、すぐに該当箇所を差替え対応いたしました。
- 当社
- 撮影前にダム内の禁止場所はどこか確認しておりますが、「ダムサイト下流300mは釣り禁止」という話は出ていませんでした。また本来であればその部分に目印をおかなければいけませんが、何もありませんでした。
- 委員
- 他のダムでも上流はブイを置いていることが多いですが、下流はないことが多いですよね。
- 当社
- 色々なケースがあります。確認を徹底していきたいと思います。
- 委員
- わかりました。
【報告1 プレジャーボート協議会(仮称)について】
- 当社
- 来月協会に伺って海上保安庁の方が協力的になってくださっておりますので、具体的に立ち上げ行動していきますので、結果がわかり次第ご報告させて頂きたいと思います。
- 当社
- 我々もプレジャーボートの番組を作りたいと思っています。番組を放送したときに視聴者の方からご意見もくると思いますので、話し合いができる協議会ができていれば撮影ができるのかなと思っております。
【報告2 その他】
- 当社
- 最後に、スタジオ番組「つりステーション」のコーナー「遊魚の部屋」で河川や湖での安全ルールや一般マナーについても説明が欲しいというご指摘があり、確かに2~3年前に放送してから扱っていなかったので、また専門官と相談して進めていければなと思っております。釣りビジョンのHPでは、過去の放送の動画は全て視聴することができます。
- 委員
- わかりました。
- 当社
- また海外でも釣りビジョンの番組が見られるように字幕英語付番組をインターネットで配信し始めました。「fishingvision.tv」で検索頂ければ現在15番組ほど視聴することができます。「日本の釣り文化を海外へ」ということでやらせていただいております。
- 当社
- それでは長らくありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。以上で番組審議委員会を終了致します。
終了時間 15:30
以上