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直前にバスボートが故障!レンタル和船でトーナメント参戦記【琵琶湖】

2024年12月07日公開

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琵琶湖で最大規模を誇るバス釣り大会「琵琶湖オープン」。2024年の最終戦となる第4戦にこの哀れな語り部(←筆者のことです)がエントリー!夏に買ったバスボートで・・・と思っていたら大会3日前にエンジンが故障・・・どうなる!?

「琵琶湖オープン」は日本最大の草トーナメント?

2024年11月24日に開催された、「琵琶湖オープン」第4戦。この大会は琵琶湖のマリーナやレンタルボートを利用する一般アングラーに気軽にトーナメントを楽しんでもらおうというのが趣旨。個人的には巨大な草トーナメントという印象だ。とはいえ、琵琶湖の有名ガイドも少なからず参加していて、上位のレベルはなかなか高い。今やアメリカのバスマスターエリートシリーズで活躍する木村建太選手も、かつてこの大会で名を挙げたひとりだったりする。

ここ数年、腕だめしで参加するようになったこの哀れな語り部。参加者の多くはバスボートに乗っていたりするのだが、私はずっと小馬力の和船レンタルボートで参戦していた。しかし、今年の夏になぜかスキーターを購入したため、前回の第3戦は高馬力のバスボートで出場したのであった(12位/115名)。

ちなみに、これまでの最高成績は去年の第3戦(9月下旬)の2位。今回もなんとか表彰台に上がってみたいものだ・・・。

「琵琶湖オープン」のプラ初日・・・ところで、プラってなんだ?

仕事が忙しかったりして、なかなか釣りに行けていなかったので、少なくとも2日間はプラクティス(練習)をしようと、大会の前週の水木曜日は釣りをすることにした。

プラクティスとは、いいポイントを見つけるための釣りをする・・・だけではない。現在の湖の季節を感じながら、それまではどういう状態で、その後はどうなるのかという時間軸の変化を推理していく、そのための情報収集という意味合いが強いのだ。なので、魚を釣る練習以上に、湖のいろいろな場所を見て魚探をかけていく、という作業が重要になる。

・・・しかし、そんなのはあくまでも建前。プロトーナメンターではないので、プラクティスの釣りも楽しむのが語り部流である。今回はプラのパートナーとして、デプス最年少のフィールドテスターである石橋大洋君と一緒に釣りをすることにした。

まずは、水深10m以上のボトムをマグナムディープクランクで探る、我々。晩秋のウルトラでかバスが釣れる・・・かもしれないメソッドである。

大洋「ボトムにゴリゴリ当たってます…」

しかし、全然アタリがない。トーナメントエリア外でも釣りをしてみたが、ベイトは山盛りいるのに全然ルアーを喰わないのだ。

結局、午後になってようやく語り部にデカい小バスが1匹釣れた。さらに終盤、大洋君が勧めてもいないスイムジグでまあまあサイズのバスを釣ってみせてくれた。これがヒントになるか?

 

恐れていた最悪の事態に・・・大会どころではない!?

そして、プラ2日目の木曜日のことだった。

朝、大洋君を乗せたレ・ザミ3世号(語り部のバスボート)をランチングし、徐々に沖へと出ながらトリム(船外機の角度)を下げていくと・・・ゴロゴロゴロゴロと船体に振動が響いた。いつもはこんな音しなかったよな…と、不安になり、マリーナの隣でメカニック業を営んでいるYOUボートサービスの荒木さんに電話をしてみた。

荒木「それは・・・十中八九、ロワケースのギアが破損してますね。そのまま走ると漂流する可能性が高いです」

ガーン!・・・ついに、というか早くも、恐れていたことが起こってしまった。ボートを買ってからまだ5~6回くらいしか乗ってないのに、船外機が壊れてしまったのだ(ちなみに、ヤマハのHPDIシリーズ2の250馬力)。

荒木さんによると、ロワケースを新品か中古品を探して交換すれば問題なく使えるが、いずれにせよそれなりの修理代が掛かってしまう。それなら中古の4スト船外機に載せ替えた方が妥当な選択なのでは・・・ということ。

なんにしても、「琵琶湖オープン」にレ・ザミ3世号で出場するのは不可能な状況になってしまった。

しかし、そんなことで釣りを諦めるような語り部ではない。大会には長年お世話になってきたレンタルボートひさの屋の和船で出ることにした。ボートの性能の違いが戦力の決定的な差ではないことを教えて・・・やれるのだろうか!?

慣れ親しんだひさの屋船で参戦!

「琵琶湖オープン」当日。約5ヶ月ぶりにひさの屋船で琵琶湖に浮かんだ。なんだ、この感覚は。バスボートを所有しているという「夢」からハッと覚めたような感覚と、同時に、実家に帰ったかのようなしっくりとくる感じ。これは・・・実になじむぞ。

しかし、高性能魚探やスポットロックのできるGPS付きエレキをバスボートから移植する余裕はさすがになく・・・この日はノー魚探、ノーGPSエレキというクラシックなスタイルで挑むことにした。

なので、沖の沈みモノを狙う釣りは一切やめて、目に見えるウィードなどを巻きまくって一発デカいバスを釣ろうという作戦である。晩秋のシャローはムラがあるものの、ロクマル級のビッグバスの可能性も秘めているのだ。

朝7時30分、アサヒマリーナからスタート!

ひさの屋船をフルスロットル!うなれ、トーハツ、20馬力!

大馬力のバスボートにどんどん抜かれていくが・・・ピンスポット狙いではないので、全然OKだ。

着いたのは北湖東岸の水深3mくらいのフラット。ウィードパッチの周辺にてスピナーベイトのBカスタムやウォーイーグルを巻きまくる。ちょっと水がクリアなところは、グラスピースも巻いた。

して、巻き続けること4時間。一切、なんの反応もない。これはダメだな・・・と諦め、魚探がなくても山立てで位置がわかる沈みモノを狙うことにした。

プランは崩壊したが、リカバリーの釣りで1本キャッチ!順位は?

狙うは北湖東岸の5m付近にある、沈みモノが点在するエリア。ここは夏からずっとモロコやハスが多く、バスもポツポツ釣れていた。ちなみに、今年の「琵琶湖オープン」第3戦では2匹のバスをヒットさせたもののラインブレイクしてしまった場所でもある。

時刻は11時20分。帰着時間は13時だが「琵琶湖オープン」の帰着は混雑するので、釣りができるのはせいぜいあと1時間くらいだろう。集中して釣ろう。

まず、ダウンショットリグを投げると・・・すぐに大きなブルーギルが釣れた。悪くないぞ。続いて、ディープクランクでゆっくり中層を引くと…ズドン!という重いバイト。巻き合わせをくれると・・・これはなかなかデカい・・・と思った瞬間にバレてしまった・・・。

諦めないぞ。今度はワームのリアクション的な釣りをすると…また明確なアタリがきた!バスが首を振る幅からしても悪くないサイズだ。前回の反省を踏まえ、こまめなドラグワークをしつつ・・・なんとかランディングに成功!やった!レンタルボート最高!

あと、1匹同じサイズを釣ればお立ち台だな・・・と思いつつ、もう時間がない。
ウェイイン会場の山の下湾へ、ひさの屋船を全開で走らせた。

計測の結果、1匹、2320g。晩秋の琵琶湖はやはり厳しかったようだ。ウェイイン(検量)できたのは参加者105名中31名。語り部は7位という結果だった。

お立ち台の夢は叶わなかったが、ノー魚探、ノーGPSエレキのレンタルボートでも釣り方次第ではフル装備のバスボートに負けないという証明が・・・いや、違う、負けたのか(笑)。私はしっかり負けたのだ。

来年は生まれ変わったレ・ザミ3世号でお立ち台を目指したいと思う。参加者の皆様、運営の皆様、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします!

施設等情報

レンタルボートひさの屋
〒520-0525 滋賀県大津市小野306-89 
TEL:077-594-3288
レンタルボートひさの屋ホームページ

施設等関連情報

営業時間;日の出~17:00(夏季)、日の出~16:00(冬季)
レンタルボート代金:1人乗り7000円(9.8馬力)、8500円(20馬力)。2人乗り8800円(9.8馬力)、11000円(20馬力)、3人乗り13200円(20馬力)
公共交通機関:JR湖西線 小野駅下車 徒歩約17分
車:湖西道路 真野IC下車 約6分
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

望月 俊典
千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。
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