海秀丸・静岡県清水港
富士山を眺めながら乗っ込みマダイ&アマダイリレー
目の前にシロアマダイがポッカリ!
さて、ここで読者の皆様へ質問!
あなたは今、静岡県の富士山が目の前に見えている最高のロケーションでアマダイ釣りをしています。現在の釣果はアマダイ1尾。沖上がりの時間は刻一刻と迫っている。そんな状況の中、ポッカ~ン!なんと目の前にでっかい超高級魚のシロアマダイが海面へ浮上!?しかも鮮度抜群のピッチピチ!
あなたならどうしますか?
(1) 誰にもバレていなかったら必死に拾って自分のものにする。
(2) 必死に拾ったら恥ずかしいので見て見ぬふりをして放置。
ちなみに私は…それは本文を読んでからのお楽しみ♪
シケの予感!?
今回、出掛けたのは静岡県・清水港富士見埠頭から出船している『海秀丸』。3月28日、清水へ向かう東名高速を走行中、富士IC付近の工場から見える製紙工場の煙突の煙を見ると、真横に靡いている。嫌な予感が頭を過ぎる。
今回のポイントは三保半島の南側に広がる富士山が一望できる景勝地『三保の松原』で有名な三保沖。乗り込んだのはマダイ・アマダイのリレー船。清水港・富士見埠頭へは、国道150号線に出ている看板に沿って行けば船着場まで迷わず着ける。 出船前に、乗船名簿を記入。ライフジャケットは無料で貸し出してくれるのが嬉しい。車は船着場前の岸壁へ駐車していざ出船!
釣り場までは航程30分
「昨日は1~4kgが1人2~4枚釣れたよ!」という船長からの嬉しい情報を聞きながら、30分程で釣り場に到着した。
「三保沖はね~“タイ場"って言われてるんだよ。昔からマダイがこの時期集まる場所として有名なんだよね~」と船長。そのため、釣りをしてもいい時間がキッチリ決められているそうだ。3月は6:30から11:30まで、4月6;00から11:00まで。竿が出せる時間まで早朝の陣取り合戦が行われる。相川船長もスパンカーを立てて陣取り合戦に“参戦"。
予感が的中!
タイ場に着いて間もなく、一時収まっていた風が再び吹き出した。富士ICの予感が的中してしまった。マダイは基本的にはナギが釣り易く、適度な潮の流れがよいとのこと。「最近の傾向は、6時半から8時までが勝負なんだよな~」と船長。 『海秀丸』のマダイ・アマダイリレー船は、餌・コマセ・氷付きなので、朝のうちに船長がコマセ袋を水に付けた状態で用意してくれる。ある程度解凍できたら袋からザルにあけて汁気をとる。
つけ餌はコマセの中から選ぶ。尾羽を切り、尻からハリを通すオーソドックスな付け方でいい。コマセの入れ方は3割~5割程度がベスト。ギチギチに詰めてしまうとコマセが出にくくなってしまう。
「はい、いいよ~!上から25mでやって~」。船長から待望の合図。仕掛けの全長は12mもあるので、コマセカゴを先に投入し、リールのクラッチを切る。そして、そのまま絡まないように仕掛けを触りながら落としていく。道糸のメモリを見ながら27~28mまで落とし、クラッチを戻して仕掛けが馴染むのを待った後で、2、3回コマセを振り、25mまで上げてアタリを待つ。その繰り返しである。
姿を見せた乗っ込みマダイ
三保沖は急なカケ上がりになっていて、そこに魚がつく。三保沖の水深は32m~40m。タナは20m~25mと当日は少し上に反応が出ていた。
釣り始めて40分。船中の沈黙を破ったのは大ドモ(船尾)の大村作年さんだった。誰が見てそれと分かるグングングンというマダイの“三段引き"を味わいながら、1kg弱のお腹がぽてっと膨らんだ乗っ込みマダイを釣り上げ、しばらくすると、ミヨシ(船首)でも歓声が沸き起こり、地元の釣り人・天野充さんが1kgオーバーのピンク色の綺麗な魚体を釣り上げた。
なぜか“根魚"連発!!
そして、やっと私の竿にもアタリが来た。しかし、それにしても引かない…。そして上って来たのはトゴットメバルだった。ここは底が岩礁になっている場所が多く、根魚類やカワハギなども釣れるポイントだと船長は言う。その後、立て続けに、真っ赤なカサゴ、オニカサゴの子供を追釣する自分。いったい何を釣りに来たんじゃいワシわ!?
当日は日曜日ということもありプレジャーも含めて船が多かった。船長が言うには、各船が各々のタナでコマセを撒いているためにマダイの群れが散ってしまっているとのこと。
しばらく粘ったが、アタリすらなくなってしまったため、見切りをつけて清水沖のアマダイポイントへと移動した。
リレー船では、仕掛けのシフトチェンジが大変な釣り物もあるが、マダイ⇒アマダイのシフトチェンジはいたって簡単。竿、リール、テンビンまでは全てそのままでOK!コマセカゴだけ抜いてオモリも80号のままでOKだ。あとはクッションゴムを外してアマダイの3本バリ仕掛けへチェンジすればよい。
アカアマダイをゲット!
航程20分程で清水沖へ到着。水深は32~100mと幅広い。アマダイは、海底に這うように生息しているためベタ底の釣りなのだが、仕掛けが4.5mあるため、最大4m程タナを切って探る。ポイントを移動して30分経過、まずは大村さんにイトヨリダイが釣れて来た。それを羨ましげに見ていた私の竿にも、それまでの3尾とは違うアタリが来た。クンクン!水深が深いため決して豪快な引きではないが、明らかにそれまでの魚とは違う。そして海面に姿を現したのはピンク色の綺麗な魚体。人生初のアカアマダイであった。そして、冒頭のクライマックスがやって来た!何とアカアマダイを取り込んだ自分へのご褒美とばかりに目の前に超高級魚のシロアマダイが海面にポッカリと浮いて来たのだ。もう頭の中はパニック。
はい!正直に言います。無我夢中で竿をほっぽり出し、船から身を乗り出してシロアマダイをすくっている自分がいました!
えっ?それはすくった自分の物にしようとしたのかって?い~え、ちゃ~んとお返ししました、ハイ!
冷静に考えてみると、後ろの大村さんが、「せんちょ~!なんか船の下に引っかかって仕掛けが上ってこないよ~!」と叫んでいた。それが、かれこれ10分以上前。そのシロアマダイが、めぐりめぐって自分の目の前に浮いて来たというのがオチである。
三保沖のマダイはこれからが本番!
当日の釣りは、これにて終了。船中の釣果は0.8~1.2kgのマダイ2尾、25cmのアカアマダイ1尾、34cmのシロアマダイ1尾、ガンゾウビラメ2枚、カサゴ1尾、オニカサゴ1尾、シロムツ1尾といった貧果であった。そんな中、大村さんは、本命のマダイはもちろん、シロアマダイまでゲットと勝ち負けのはっきりわかれたマダイ⇒アマダイのリレー船であった。
今後、アマダイ釣りは間もなく、シーズン終盤を迎えるが、三保沖の乗っ込みマダイは、これからが本番だ。
(吉田 洋一郎)
今回利用した釣り船 | 清水:海秀丸 〒424-0907 静岡県静岡市清水区折戸4-8-13 TEL:080-1629-0789(定休日:毎週火曜日) 詳細情報(釣りビジョン) 海秀丸ホームページ |
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船長名 | 相川 秀之(あいかわ ひでゆき) |
天気 | 晴れ・波1.5m・強い北東の風あり |
釣り場と水深 | 三保沖 水深32~40m 清水沖 水深32~100m |
出船データ | 4:30集合⇒5:00出船、12:00帰港 清水港富士見埠頭 乗船料金:コマセ、餌付き1万円 “海秀丸特製仕掛け”マダイ・アマダイ共に1組200円にて販売 |