太平丸・千葉県御宿岩和田港
千葉県・外房、御宿沖は「カモシ釣りで大物狙い」の季節
予約した10人が揃い、定刻前に出港
『太平丸』は岩和田港の東側岸壁(海に向かって左側)から出船する。集合時刻の15分前、午前4時15分に到着すると、既に船に照明が入り、釣り人が準備の真っ最中。駐車場は至近距離。釣り座は先着順。早速、空いていた右舷トモ(船尾)から2番目に座った。その後3人増えて、予約の10人が揃い、定刻より15分早い4時45分、大野利広船長の操船で出港した。
5分ほど待機して投入合図
船は朝モヤの中を低速で進む。釣り場へは30分も掛からないが、“協定”の竿入れ時刻が5時30分のため、それまでに着けば…と言う訳だ。乗船者の道具立てを見ると、ドラグ機能のしっかりしたリールが多い。また、コマセを入れるバケツに、水鉄砲のような“コマセ注入ポンプ”が立っている。5時25分にポイント到着。5分程待機して船長は投入合図を出した。
カモシ袋にポンプでコマセ注入
「いいですよ、20尋(ヒロ)、30m!」とアナウンスが流れた。1尋は約1.5m。タナは、海面からカモシ袋までの間を尋とメートルを併用して指示が出る。早速、カメラ片手に取材に出掛ける。撒き餌のサンマのミンチは海水を入れて柔らかくして使う。ビル工事で流し込むコンクリートの硬さをイメージする。“コマセ注入ポンプ”でミンチを吸い込んでカモシ袋に注入する。付け餌は、サンマの切り身を短冊にしたもの。
ひと流し1匹の“もどかしい”展開
最初に竿が曲がるまで、たいした時間は掛からなかった。左舷胴の間(中央)の戸田正男さん(東金市)が、いきなりやりとりを始めた。「サバじゃないの?」との声に「サバじぁあこんなに引かないよ」と戸田さん。上がってきたのは小ぶりながらもヒラマサ。幸先の良いスタートとなった。ふた流し目は、そのお隣のKさん(木更津市)の竿が曲がった。乗っ込み色が残る精悍なマダイがタモに納まった。3流し目は、ミヨシの長谷川博さん(練馬区)にマダイが来た。本人が「写真に収めるサイズじゃない」と言うのを無理やり撮らせてもらった。ここまで、ひと流し1匹の“もどかしい”展開。
大物が来たら、船長の指示で周りが協力
4流し目は、右舷ミヨシの釣り人にアタリが来たが、痛恨のバラシ。その直後にまた戸田さんの竿が海中に突き刺さった。先ほどより強烈だ。船長から周りの釣り人に仕掛けを回収するよう指示が出た。大物が掛かった時にはお互い様だ。目測4kg見当のヒラマサが上がった。この時期のアベレージサイズとのこと。
「尋」も「メートル」も慣れれば同じ
残り30分を切ったところで「何事も経験」と、私も竿を出した。初めての私に大野益宏大船長が丁寧に教えてくれた。「道糸には5尋毎に印が付いているから、25尋まで下ろして、コマセを撒きながら指示ダナの20尋まで巻き上げる。難しいことは何もない。PEラインを使う人のためにメートルを併用しているだけ」との説明。「波の高い日はコマセを固めに、ナギの日は柔らか目に調整するように」とも。「尋」も「メートル」も慣れれば同じ、次回に活かしたい。
台風前は大釣りだったのに…
この日は、最後まで“ポツリポツリ”の展開、クライマックスは訪れなかった。長谷川博さんによると、台風前は2日間でヒラマサ3~5kgを5匹、マダイ1.5~4.5kgを8匹の好漁。全員が大釣りだったとのこと。右舷ミヨシの常連さんも「GW明けから毎週来ているけどヒラマサのオデコ(釣果なし)は初めて」と残念がる。台風の影響による「底潮の冷え込み」の回復が待たれる。 船長によると、今年も「カモシCUP2014」(8/1~11/30=開始日は潮況を見て)を開催予定とのこと。例年マダイは8kg級、ヒラマサは10kg超が出るとか。外房・御宿沖はいよいよ「大物狙い」の季節に突入した。
(釣りビジョンAPC・谷口 晴治)
今回利用した釣り船 |
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千葉県御宿岩和田港『太平丸』 〒299-5105 千葉県夷隅郡御宿町岩和田954-1 TEL:0470-68-2900 詳細情報(釣りビジョン) 太平丸ホームページ |
出船データ |
完全予約乗合(限定8名) 料 金:13,000円 (エサ・コマセ・氷付) 集 合:午前4時30分 出船:5時00分(準備出来次第) 沖上がり:11時00分 貸道具:竿掛け~クッションゴムまで無料 (消耗品のハリスとハリは有料) 予約時に申込む |