蒲谷丸・神奈川県金沢漁港
今年は“当たり年”!東京湾のタチウオ
船長の紹介で仕立船に乗り込む
『蒲谷丸』の待合所は、漁港右側の防波堤にある。船は待合所の真ん前に係留している。午前7時30分出船と聞き、約一時間前に到着。既に店の前には釣り人の荷物が山積。当日の出船予定は2隻とも仕立てとのこと。早速、タチウオ船を操船する蒲谷政徳若船長に挨拶すると、仕立船の幹事役、千枝保さんを紹介してくれた。
船長のレクチャーを受けて出船
千枝さんによると、乗船する仲間はIT関連会社(横浜市西区)の釣り倶楽部とのこと。「忙しいけど、何とかやりくりして年3回程、季節の釣りものを楽しんでいる」とも。全員が乗り込んだところで、船長が船首側で餌のつけ方、誘い方など、丁寧にレクチャーしてくれた。船は7時40分、14人の釣り人を乗せて出港した。
水深48mで期待の第1投!
船は猿島を右手に見て南下する。ポイントの観音崎沖へは30分程で到着。既に30隻以上の大船団が形成されていた。東京や千葉など湾奥の船も多数集結していた。今シーズンの好調ぶりと人気の高さが見て取れる。船長は、慎重に旋回して投入合図を出した「水深は48m、底から15m上まで探って!」。期待の第1投だ。
いきなりの“クリーンヒット”
早速、カメラ片手に取材に回ろうとした。するといきなり右舷トモ(船尾)から2番目に座った野崎光則さん(横浜市西区)がリールを重そうに巻き始めた。時々、竿先が絞り込まれるのが見える。慎重にやりとりして、まずまずのサイズが取り込まれた。高校野球に例えるなら、試合開始のサイレンが鳴り終わるや否やの“クリーンヒット”といったところ。続いて左舷胴の間(中央)でも同型が上がった。先ずは幸先良いスタートだ。
上達への近道は「習うより真似ろ」
総じて魚の「食い」は渋いものの、ポツリポツリと取り込まれた。右舷胴の間のKさんは1人快調なペースで釣り上げる。全くアタリのない人は、Kさんのシャクるピッチや幅を真似する。「習うより真似ろ」が上達の近道と言う訳だ。シャクリ方を変えたり、釣れている人を見学したりと“汗と涙の努力”でオデコ(釣果ゼロ)が1人また1人と消えていった。
11時を回ったところで私も竿を出した。思った以上に潮が速い。仕掛けが船底に潜り込んで釣り辛い。この後、予想外の展開が待っていた。
“雷様”の登場で港へ一目散
気が付けば暗雲が立ち込める怪しい気配。西側の雲間からは稲光が見え始めた。地震の次に怖い“雷様”の登場だ。間を置かず大粒の雨とともに雷鳴が轟いた。「これはイカン!」。船長は全員にキャビンに入るよう指示を出した。船は雷雲を背にして一目散に逃げ出した。
好漁時の喜び倍増を信じて
これからという時に無念の早上がりとなってしまった。印籠が出る前に、黄門様のドラマが終わってしまった感じだ。しかし、安全には代えられない。自然が相手だからこういうこともある。最終結果は0~5匹。残念ながらオデコが私を含めて2人出てしまった。今年の東京湾のタチウオは、条件さえよければトップで40、50匹の釣果も記録されている。“当たり年”間違いなしだ。好漁時の喜び倍増を信じて次回に期待したい。
(釣りビジョンAPC・谷口 晴治)
今回利用した釣り船 |
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神奈川県金沢漁港『蒲谷丸』 〒236-0013 神奈川横浜市金沢区海の公園9番地(金沢漁港) TEL:045-781-8552(不定休) 詳細情報(釣りビジョン) 蒲谷丸ホームページ |
出船データ |
【ショートタチウオ】 乗船料金:7,500円(サバ短冊、氷付き) ※女性・子供(中学生以下)4,000円 出船時間:午前7時30分、沖上がり:13時00分 【午前・午後LTアジ】 乗船料金:6,000円(アオイソメ、コマセ・氷付) ※女性・子供(中学生以下)3,500円 出船時間:午前7時30分、午後12時30分 |