宝生丸・千葉県勝山港
奥の深さを楽しむ!千葉県・内房、勝山沖のカワハギ
船の真横が受付所
『宝生丸』は、勝山港口に最も近い場所から出船する。午前4時30分に到着すると、既に船に照明が入っていた。船の真横が受付所だ。先ず“船形”から座席札を確保する。次に乗船名簿を記入して餌の“アサリの剥き身”を購入する。私は空いていた右舷ミヨシ(船首)から2番目に座った。私の後から釣り人が続々と到着。予約が入っていた13人全員が揃ったので定刻よりも少し早く5時40分に高橋賢一船長の操船で出港した。
双耳峰からの日の出に「ルンルン気分」
港を出ると、船は正面の浮島を右手に見て南下した。すると三浦半島からも見える房総の象徴的な山、富山(とみさん)の双耳峰の真ん中から陽が昇った。“ダイヤモンド富士”に劣らぬ景観は、カメラマニアには垂涎の被写体では?これだけでも来た甲斐があったとルンルン気分。5分程走ってエンジンがスローダウン。船長は慎重に旋回して「ハイやってみて下さい。水深は15mです」と、投入合図を出した。
桶に海水だけでは寂しいから
早速、左舷側から撮影を開始した。ほどなくミヨシの釣り人がリールを巻き始めた。取り込まれたのは小型ながらも“本命”。「後で放流するから…」と遠慮がちに桶に入れた。確かに桶に海水だけというのは寂しいもの。その気持ち、よく解かる。次に上がったのも小型。すかさず仲間から「可哀想だ」とジャブが飛んだ。15分程して3番目に座った釣り人がキープサイズとしては第1号を取り込んだ。
このままでは全員1桁釣果…
1時間30分程、左舷側で撮影したがトップでも3匹止まりという超食い渋り。右舷側に回っても同様、大苦戦の様子。ここで船長はこのポイントを諦めて浮島の西側に移動した。そこでもポツリポツリと上がるが後が続かない。このままでは全員1桁釣果の様相。さらに船長は、保田(ほた)沖への移動を決断した。このポイントは鋸山の南側だ。
やっと良型が上がり始めるが、私だけは…
ここでやっと良型が連発し始めた。1人上げると2、3人が続く。右舷でアタれば左舷でも。急に桶の中が賑やかになって来た。上手な人は着実に数を伸ばして行く。「これなら私でも」と11時を回って竿を出した。しかし、投入する度にアタリはあるものの“本命”は顔を見せてくれない。ゴールキーパー(“外道”)が立ちはだかって中々得点できないイメージだ。1時間ほど粘って釣り上げたのは、たったの1匹。周りは釣れているのに、なぜ私だけ…ウーン×▽◇。
私の周りは大会優勝者ばかり!
終了間際になって、私の周りは「錚々(そうそう)たる顔触れ」であることが判明した。その内の1人、小山政敏さん(君津市)の情報によると、左舷ミヨシの茅野俊也さん(君津市)は昨年のTKB(東京湾カワハギバトル)優勝者とのこと。TKBと言えば東京湾内14軒の船宿で競うビッグタイトル。本人は「3匹の合計長寸だから運が良かっただけ」と謙遜するが、予選会まで含めれば数千人のトップだ。また坂本正俊さん(木更津市)は3年前のNスポーツカワハギ大会優勝者、田中郁子さん(君津市)も同大会女性部門の優勝者とのこと。そうと知っていれば、もっと注意深く観察していたのに…。
諦めずに山頂を目指す!
途中までは、どうなることかと思ったが、最終結果は4~20匹(私の2匹は味噌っかす)。船長によれば「今年は海の季節の巡りが少し遅れている。秋が深まれば魚が深場に固まってくる筈」とのこと。私的には、今回ほど「カワハギ釣りの奥深さ」を思い知らされた釣行はなかった。しかし、山頂には山頂の楽しみ、裾野にもそれなりの楽しみがある(負け惜しみも少々)。諦めずに山頂目指して登り続けたい。
(釣りビジョンAPC・谷口 晴治)
今回利用した釣り船 |
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千葉県勝山港『宝生丸』 TEL:0470-55-2777 詳細情報(釣りビジョン) 宝生丸ホームページ 宝生丸ブログ |
出船データ |
カワハギ予約乗合 料金=8,500円(氷付 HPに割引券あり) アサリ餌 1パック1,000円(受付時に購入) (6時出船、13時沖上がり) 貸し道具無料(予約時に申し込む) ※別船でワラサ・マダイ |