オーシャンサポートサービス 代々丸・和歌山県白浜・富田浦袋港
キンメ、クロムツ、和歌山県白浜沖のLT深海釣り
白浜沖は潮の流れが緩む冬~春までが深海釣りのチャンス!
出船は午前6時。富田浦 袋港からキンメ、クロムツのポイントまでは通常なら約30分の航程。ところが想定外の波高2~3m、風速6~7mの風が行く手を阻む。この日乗船したのは『代々丸』船長の兄、濱本浩船長が舵を握る「丸浩丸」。普段の倍近い時間をかけてポイントまで辿り着いた。
白浜沖は水深200mぐらいまではなだらかに深くなっていくが、それより沖はいきなり落ち込んで、アップダウンの激しい海底山脈が続く。このあたりの海域は、潮の流れが緩む冬~春までが深海釣りのチャンス!
船長は“魚探”を睨み、「330m。ここからやってみましょう」とアナウンス。左舷トモ(船尾)の田中さんから仕掛けの投入を開始。仕掛けは8~10本バリの船宿オリジナル。餌はサバの切り身。田中さんはこの日が深海釣りデビューだけに、いささか緊張気味。
ミヨシ(船首)側では、釣り仲間で深海釣り5回目の藤井さんが竿を出した。2人ともタックルはオールレンタル。仕掛けは1000円の船宿オリジナルを購入。深海釣りといってもクーラーだけ持参の気軽な釣りだ(『代々丸』では大型クーラーは車に置いて乗船。船のイケスと大型クーラーを使用する)。タックルもライトでOKなので人気がある。
なんと1投目から藤井さんにアタリ!かなりハッキリとした強い引きで、期待が膨らむ。しかし、これは歯が鋭く、道糸やハリスをアッサリと切っていくクロシビカマスだった(関西では「ヨロ」と呼ばれている。小骨が多いが美味しい魚)。
メダイとクロムツのトリプル!
波と風はいぜん強いままだが、太陽が高くなると寒さは幾分ましになった。投入を繰り返す内、トモの田中さんに初のアタリ!暫く様子をみてからゆっくりと巻き上げにかかる。300m以上もある海底から竿先に魚信が伝わってくる。深海釣りはこうした視覚による楽しみと、かすかなアタリから深い海の底に思いをめぐらせ、イマジネーションの世界で遊ぶゲーム。
たぐり上げた仕掛けにはメダイ、クロムツが3匹掛かっていた。どの魚も冬の光を浴びて輝き、いかにも美味しそうだ。「ビギナーズラックですよ」と謙遜する田中さん。
暫くして、トモの田中さんにまたまたビミョ~なアタリ?「上げてみて」と船長。スローで巻き上げると、一番下のハリにナイスサイズのクロムツが食っていた。ラッキー!
一方、ミヨシ側で竿を出す藤井さんは、夜光のタコベイトを半分にカットして、サバの切り身と一緒に刺していた。そのせいでクロシビカマスが来たのかも?と船長。オレンジ色のタコベイトだと、クロシビカマスばかり釣れることもあるという。タコベイトを外した藤井さんにもクロムツが来た。田中さんにリードされ「美味しいところを全部持っていかれた」とボヤいていた鈴木さんにやっと笑顔が戻った。そんな藤井さんにまたまたアタリが…。
ラストの1投でキンメのトリプル!!
ポイントを少し移動。「次の流しで終わりにします」船長のアナウンスがあって暫くして、藤井さんの竿先にアタリ。「何かいる…」。自分に言い聞かせるようにつぶやく藤井さん。
「ハイ、それじゃあ終わりにしましょう」と、船長が終わりを告げた。同時に電動の巻き上げスイッチON。慎重にスロースピードで巻き上げる。時折、竿先がおじぎをする。「あと30m…。10m…」。「オーッ!いたいた、赤い!いるぞ~!あっ!まだいる!もう1匹いる!」。最後の最後にキンメが釣れた。しかも、この海域では良型サイズの30cmオーバーが3匹。白浜沖では伊豆や高知沖のような大型のキンメは釣れない。40cmもあると「いい型だなぁ~!」となる。数もそれほど出ない。それだけに貴重だ。
してやったりの表情の藤井さん。明日から再びシケの予報が出ている海を急いで港に向かった。
(上野 英輝)
今回利用した釣り船 |
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和歌山県白浜・富田浦 袋港『代々丸』 〒649-2325 和歌山県西牟婁郡白浜町富田 TEL:090-3168-1739 詳細情報(釣りビジョン) 代々丸ホームページ |
出船データ |
深海釣り(キンメダイ・クロムツ) 乗合:大人1人14,000円(カードでの支払い可能) 貸し道具:3,000円(ロッド・リール・バッテリー・キーパー) 仕掛けワンセット1,000円(エサ・氷付き) |