寿々春丸・千葉県富津港
衝撃映像!!千葉県富津沖のイイダコ、絶好のスタート!
4人中3人が束釣り!
147尾、129尾、102尾、85尾。この日の乗船者4人の釣果は、出船初日としては上々の滑り出しだった。しかし、『寿々春丸』の主人・鈴木茂一さんは、大いに不満だったようで、「潮温が高過ぎますよね。富津沖で28.3度、盤洲(東京湾北部)じゃ30度以上あったそうです。途中、何度かノリが渋くなったでしょう。潮温がもう少し下がれば、確実に2束(200尾)はいったはずですよ」と話す。
乗船者全員が絶好のスタート
この日、午前6時前に出船。まずは第二海堡の北側を狙った。水深4m足らず、朝方は全く風がなかったため、海底に着いたテンヤに縛ったラッキョウがハッキリと見えた。次の瞬間、白いラッキョウが見えなくなった。イイダコが乗った証拠だ。すかさず竿を立てると、心地よい重量感で10cm足らずのイイダコが釣れて来た。まだ下げ潮が少し効いていた時間帯ということもあり、乗船者全員に次々にイイダコが掛かり、絶好のスタートを切った。
誘いは、あくまでも小さく!
しばらく入れ掛かり状態が続いたが、下げ潮が止まり、北東風がそんよりと吹き出すと、急にノリが渋くなってしまった。最初の内は、テンヤが底に着いた途端に“アタリ”があり、次々にイイダコが釣れて来たが、徐々に誘いを掛けないと乗らなくなった。イイダコの誘いは、あくまでも小さくが基本。全長7、8cmのイイダコテンヤの先端部分が海底から離れない程度のコヅキを繰り返し、時々きき合わせをしてみる。これを飽きずに続けられる人が数を伸ばせる。ノリのいい時には、この日の冒頭のようにテンヤが底に着くや着かずの内に釣れてくるので、それ程大きな差は出ない。差がつくのは、むしろノリの悪い時間帯だ。この間にいかに数を稼げるかで釣果に大きな差が出る。この日の乗船者は、ノリが悪くなっても手を休めず、まめにコヅキを繰り返していた。結果、4人中3人が束釣り(100尾以上)を記録出来たのだ。
今シーズンは11月まで出船!
その後も時折、ノリが渋くなったが、午前10時を過ぎ、上げ潮が効き始めると、再び好調に釣れ出した。しかし、それにしても船長が言う通り潮温が高過ぎる。イイダコの動きが一息鈍かったのも無理はないだろう。それでも冒頭の釣果なのだから、今シーズンの群れの濃さには太鼓判が押せる。翌5日の成績も32~181尾とトップは2束に迫る釣果だった。また、全体に小型が多かったことからも“本番”はこれからだ。元来、イイダコの“イイ”とは、飯(米粒)のこと。頭(実際には腹部)に米粒のような卵が一杯詰まることから付いた呼び名である。“イイ”が入ってくるのは、通常11月頃だが、この頃になると、釣り場の水深も深くなり、富津沖のイイダコ釣りのシーズンも終わる。しかし、「今シーズンは、釣り人さえ来てくれれば11月になっても船を出しますよ」と船長。この日の釣果から手応えを感じたようだ。
冷凍室でも冷凍保存可能
「100尾も200尾も釣ってどうするの?」と思う人も多いだろうが、イイダコは、冷凍保存が効くので全く問題ない。1度に食べる分ずつ小分けにし、釣ったままの状態で冷凍しておけばよい。イイダコの墨は防腐剤効果もあり、ほとんど味は変わらない。家庭用冷蔵庫の冷凍室でも2ヶ月や3ヶ月は全く問題なく保存出来る。
絶品のタコ飯、1度お試しあれ!
イイダコは、どんな料理にする場合でも、墨袋を取り、塩でヌルがきれいに取れるまで揉む。そのまま茹でてワサビ醤油で食べても美味いが、おでんの種、サトイモなどと煮たり、シャブシャブなどにするのもいい。しかし、とくにお勧めなのが“タコ飯”だ。米1合に対してイイダコ10尾くらいの割合で入れ、醤油、酒、調味料などで味を整えて炊けば出来上がりだ。小豆で炊いた赤飯色に仕上がり、イイダコも柔らかく実に美味い。是非1度お試しあれ!
(野口 哲雄)
今回利用した釣り船 |
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千葉県富津港 『寿々春丸』 〒293-0021 千葉県富津市富津1949 TEL:0439-87-2627 (定休日:第3金曜日) 詳細情報(釣りビジョン) 寿々春丸ホームページ |
出船データ |
料金:午前船(5時半集合6時出船、正午納竿)7000円、女性5500円、中学生4000円、小学生3000円。 午後船(1時出船、4時納竿)4500円、女性3000円、中学生2500円、小学生2000円。 |