興英丸・静岡県用宗港
駿河湾・石花海のヤリイカ好調!
5時ダヨ!全員集合!
集合時間の午前5時、港には7人が船の前にクーラーを置いて待っていた。すると、興津勝義船長の車が到着。「はい、全員集合!これからジャンケンで釣り座を決めますよ」。アッという間に釣り座が決められ、いっせいに乗り込んだ。午前5時30分、定刻に河岸払い。辺りはまだ真っ暗、ポツリポツリと外灯のついた用宗港を後にした。ポイントまでの航程は約1時間30分。前日のウネリと風の影響が朝の内残るとの予報だったため、キャビンに入った。
サバに邪魔され四苦八苦
午前7時、ポイントに到着。「はい、いいですよ。水深170m」。船長の合図とともに、いっせいに備え付けの投入器から7~8本のプラヅノがシュパパパーと出て行った。「オモリは基本的に150号を推奨していますが、この限りではありません。オマツリの原因は仕掛けの長さ、道糸の太さなどの影響もありますし、潮の流れが良ければオマツリにはなりませんからね。違う号数使う人は、ひと声かけて下さい」と船長。釣り人の疑問には何でも親切に答えてくれる優しい船長だ。1投目からサバの邪魔が入った。投入する度に途中でサバが掛かってしまう。右舷大ドモ(船尾)ではサバの4点掛けでヒーヒー言っていた。船長もたまらず移動を決断した。
船中第1号は3点掛け
「今日はいつになく反応が出ないよ」。ヤリイカは基本的に魚探反応が出ないのだが、捕食している餌が映るのだと船長。しかし、この日は朝のうち思ったような反応が出なかった。「はい、入れて~」船長から合図。何回か流しを変えた午前8時過ぎ、左舷大ドモ(船尾)で歓声が上がった。「おっ、いい型だね。まだ下にいるよ」。朝日に頬を照らされた釣り人にも思わず笑顔がこぼれた。船中第一号が“本命”の3点掛けで船中もドッと沸いた。その流しで3人がボウズを脱出、流しを変える度にポツリポツリと釣れる状況が続いた。
ヤリイカ狙いはプラヅノ11cmがベスト!
ここで私も竿を出した。船長に投入方法と仕掛けについて聞いてみる。ツノ数は初心者なら5本、慣れている人は7、8本。投入に少し不安があるので迷わず5本ヅノを選択した。プラヅノは11㎝。スルメイカ釣りではスッテなども入れるが、ヤリイカの場合はプラヅノオンリーがお奨めだそうだ。仕掛けのタイプには直結、半ブラ、ブランコとあるが、船長が奨めるのはブランコ仕掛け。枝スは5~10cm。「この時期のヤリイカは大型化しているため、直結だとバレる可能性が高くなります。直結仕掛けは、サバに邪魔される時や入れ掛かりで活性が高い時には有効ですが、基本的にはブランコ仕掛けがいいですね」と教えてくれた。
誘い方は少し早めに上げてストンと落とす
足元には何もない状態にし、投入器を竿の右側に置く。そして右手でオモリを持ち、左手には一本目のツノを持ってオモリを投入、全部海中に入ったらリールのクラッチを切ってサミングしながら着底を待つ。着底したらすぐに糸フケを取り、ゆっくりと50cm程竿先を上げる。そして、上げた分を一気にストンと落とす。その繰り返しが基本的な釣り方だ。底から5m程上げてアタリが無ければ今度は仕掛けを落としていく。その時にも誘いをかけて落としていくと有効だそうだ。
右舷ミヨシ側で6点掛け!全員が同時ヒット!
船長に教わりながら投入をしていると、船全体で同時にヒット!右舷ミヨシ(船首)から2番目の橋本耕一郎さん(藤沢市)は、6点掛けを達成。これは“時合”だ。私も船長に言われた通り、着底後、50㎝程竿先を上げ、ストンと落とす誘いをかける。すると、2回目にストンと落とした瞬間に違和感があった。仕掛けがいつものようにスッと落ちていかないのだ。「仕掛けがスッと落ちないのが、イカが乗った合図だよ。少し上げてごらん」と船長。言われた通り上にあげてくると、竿先がククンと入った。船長に教わった一番バラシにくい速度15で巻き上げ開始。この日は波の影響もあったため、船の揺れをロッドで吸収しながら巻いて来ると、海面に2尾の良型ヤリイカが見えた。
“時合”到来!良型スルメイカに良型ヤリイカが連発
12時30分。残り30分、船長も必死に反応を探す。「いい反応が出たよ!水深225m」。すると、着底すると同時にアタリが連発した。船中ほとんどの竿が着底して数回誘う度にヒットを繰り返す。特に右舷ミヨシ2番目の橋本さんの竿がギュンギュンしなり、再び6点掛けを達成。それも4尾は大型ヤリイカ、2尾はスルメイカの良型だった。その次の流しでも左舷大ドモ、右舷胴の間(中央)、大舷ドモで2点掛けを達成したところで納竿時間を迎えた。竿頭は、ヤリイカ18尾、スルメイカ6尾の合計24尾
「もう少し早く、“時合”が来てくれたら釣果が伸びたんだけどね」。と船長も後ろ髪を惹かれる思いで釣り場を後にした。私の釣果はヤリイカ5尾。まともに竿を出したのは2時間程度と考えれば十分な釣果。竿頭は、6点掛け2回を記録した橋本さん。ヤリイカ18尾、スルメイカ6尾の合計24尾。「もう少し数が欲しかったけど、これだけ型が揃えば…。また来たいですね」と、笑顔で話していた。ツ抜け(10尾以上)は3人だけだったが、取材日の翌日も竿頭は32尾。今後も期待大だ。『興英丸』では、例年3月までヤリイカの乗合船を出している。身が厚い今のうちにぜひ出掛けてみてはいかがだろう。(吉田 洋一郎)
今回利用した釣り船 |
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静岡県用宗港『興英丸』 〒422-8046 静岡県静岡市駿河区中島606 TEL:054-286-1784 詳細情報(釣りビジョン) 興英丸ホームページ |
出船データ |
釣り物:ヤリイカ 午前5時集合午前5時半出船、午後1時沖上がり 料金:(駿河湾内)1万2000円(氷付)、(駿河湾外)1万3000円(氷付) |