釣りビジョン

2011.7.15号

深川 吉野屋・東京都深川
東京湾・金谷沖でタチウオ“夏の陣”開幕!

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細長い魚体からは想像できないパワフルな引きで釣り人を虜にするタチウオ。東京湾でも人気のターゲットであり、『深川 吉野屋』ではそれを夏と冬の2シーズンに分けてルアー(ジギングとワインド)で狙っている。7月1日電話を入れると、「今日は1人で指4~5本を20尾とりましたよ!いよいよ“夏の陣”開幕です」と、代表の吉野吾朗さん。瀬戸内海、駿河湾ではタチウオ釣りの経験はあるが東京湾では人生初。6日に出掛けた。

今年初のタチウオを求めて…

午前6時、船宿に到着すると偶然バスプロの鈴木利忠さんを発見。ここの常連さんとのこと。そよ風に揺れた真っ白な暖簾をくぐって中に入ると、ひんやりとした風が体をクールダウンさせてくれた。涼しい待合室で常連同士会話が弾む。出船前の“オアシス”と言ったところ。午前7時定刻に河岸払い。9人を乗せて午前8時30分に金谷沖へ到着。海上は晴天ベタナギの釣り日和、しかし、天気とは裏腹に周りの釣り船は静まり返っていた。

日焼けが似合うバスプロの鈴木さん
暖簾をくぐるとそこはオアシス
ジグを忘れても受付で購入できる

2日前のシケは吉と出るか凶と出るか

「どうぞ、10~30mを狙って下さい」。タチウオ船の佐久間誠船長から投入の合図。色とりどりのジグやワインド等思い思いの仕掛けで開始。すると、1投目から右舷胴の間(中央)のカップルに丸々太った良型のサバがヒット。幸先のよいヒットに喜んだのも束の間、流しをかえてもサバがポツリポツリとヒットするだけ。正午を回っても“本命”が顔を見せてくれない。
「2日前のシケの影響で状況が良くなると思っていたのですが、逆に悪化しましたね。潮が澄んでしまい、晴天だし余計にタチウオが警戒して喰い渋っているのかもしれません」と船長。他船でも“本命”の顔が見れていない状況の中、午後1時に仲間の船から1尾上がったと連絡が入った。ポイントに急行すると5隻の船団が形成されていた。すると、まずは左舷胴の間で声が上がった。「やった、きましたよー!」。静まり返った船での1尾目はお祭り騒ぎ。そして、情報通り指4本級の良型だった。右舷胴の間のカップルも仲良く2尾ずつ釣り上げた。同時に右舷ミヨシ(船首)、大ドモ(船尾)、左舷大ドモでもヒットして1尾ずつ釣り上げたが、時合は10分で終了、そのまま沖上りの時間を迎えた。

ファーストヒットは指4本級!
赤金のジグにきた新群れのタチウオ
女性も2尾連続ヒット

2日後の再取材、時合は11時から始まった

7月8日に再取材。今日こそは、取材を早めに終えて東京湾初のタチウオを釣り上げる!と意気込んでカメラを握る。天候は曇り。金谷沖へ到着すると下げ潮と南の風がぶつかって少し白波が立っていた。潮色は2日前と同じく澄んでいたが、海の中が暗い感じがする。「今日はローライトコンディション(曇り)だからいいかもね」と、2日前に納得のいく釣果が出ず再チャレンジとなった鈴木さん。そして、その予感が的中する。午後11時前の時点で船中サバのみで“本命”はなしだった。しかし、移動先には7隻の船団が出来ていた。船団の横に船をつけて投入開始の合図が出る直前、鈴木さんが叫んだ。「出たよ!横の船でタチウオが上がったからチャンスだよ」。

鋸山にも雲がかかる
12mと極浅場に濃い反応
隣の船に急接近

ワインドで連続ヒット!

「はい、どうぞ。水深10~20mでやって下さい」。1~1.5onzのジグヘッドに蛍ムラカラーの90mmのワームを付けて投入、糸フケを出しながら一定のリズムで誘いをかける鈴木さん。すると…「キター!」と右舷大ドモで歓声が上がった。大きくロッドがしなり、サバとは違うタチウオ独特の突っ込みを見せる。船中初ヒットルアーは80gのピンクカラーのジグ。そして、右舷ミヨシでワインドをする鈴木さんも叫んだ。「よっしゃー!きたー」。そして、これを皮切りに右舷胴の間、左舷大ドモと指3~4本級が連続ヒット。そして、正午を回った頃、魚群探知機に反応は出ているものの、喰いがパタリと止まった。しかし、そこで怒涛の5連続ヒットを見せたのがワインド一本に絞っていた鈴木さん。「また来ましたね~」。前回の釣行時に悔しい思いをしているだけに満面の笑み。

文句なしのデカさです♪
ワインド楽しいですね~
鈴木氏のヒットした指4本越え!

ワインド初体験の1投目からヒット!

「ワインドの強みは同じレンジを探れるとこですね。更にスピニングタックルよりもベイトタックルでやると同じレンジをキープしやすくなって魚探に反応は出ているけれどもアタリがない時には有効です」と鈴木さんから最高のアドバイスをもらい、ワインド釣法に初挑戦。
タチウオがヒットしているのは15mラインと言うことで、まずは幅広くレンジを探るため潮の流れも考慮して25mまで沈めた。そして、自分の目線から竿先を一気に下げて糸フケを出し、すぐに上へあげる。その糸フケを少しだしつつ上へ誘ってくることが重要だと鈴木さん。すると、20mを切ったところで、竿先にガツガツ!とアタリがきた。すかさず大きく合わせを入れると、グン!一気にロッドに重みが伝わった。教わった通りにやっただけでなんと一投目からヒット。気分よくあげてくると胴の間の釣り人も「いきなりデカイですね」。指4本半のでっぷりとした白子を孕んだ腹パンのタチウオが上がって来た。

強い引きを見せてくれたタチウオ
水深10mより浅場で竿が絞り込まれる
タチウオの歯は鋭いので注意!

“夏の陣”は9月一杯楽しめる!

その後、沖上りの午後2時半までに2尾を追加、1時間半弱で合計3尾を釣り上げて納竿になった。この日の竿頭はワインド釣法で数を伸ばした鈴木さんで15尾、2番手は8尾。釣り人は私を除いて6人だったが、その内ワインド初挑戦は4人。各々がジグとワインドを使い分けて楽しんでいたようだ。タチウオ“夏の陣”はこれからが本番。取材日後も竿頭は“ツ抜け”(2ケタ)をキープ。20~30尾台の安定した釣果だ出始めるのもそう遠くはないだろう。指2~3本級の新群れも入ってきているだけに9月にかけて熱い釣りを楽しめるのは間違いなさそうだ。出掛ける時にはジグとワインドの2種類のタックルを持っていくことをお勧めする。

初心者の私も良型を中心に3尾ゲット(1尾はおまけ)
仕事熱心な佐久間船長
タチウオのフライは絶品!

仕掛け図(スピニングタックル)
仕掛け図(ベイトタックル)

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
東京都東京都深川『深川 吉野屋』
〒135-0042 東京都江東区木場6-12-7
TEL:03-3644-3562
詳細情報(釣りビジョン)
深川 吉野屋ホームページ
出船データ
タチウオ船=9500円(予約乗合)
午前6時半集合午前7時出船午後4時頃帰港
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