つる丸・千葉県大原港
千葉・大原沖のヒラメ解禁!8人が2尾以上!
ヒラメファン8人が集結
3連休明けを中一日挟んだ12日(水)、大原港へ向かう途中の九十九里有料道路正面には綺麗な満月。午前4時、『つる丸水産』と書かれたオレンジ色の建物に寄ると「は~い、いらっしゃい、温かいお茶が入っているから飲んでいって下さいね」と、まるで田舎の祖母の家に顔を出した時のような心地よい雰囲気で女将さんが出迎えてくれた。受け付けを済ませ、午前4時半、船着き場に移動。乗船者は私を含め8人、貸し竿は2人。あとは常連さんのようだ。
航程30分、水深32~40mを狙う
午前5時に河岸払い。本来であれば太東沖の灘寄り(岸寄り)の15~20mへ向かうのだが、この日は前日に模様が良かったと言う大原南沖32~40mへ直行した。波は約1.5m、潮温も20.6℃と前日と大差無く、ウネリもほとんど無い。ヒラメ釣りの条件としては整っていたが沖では北風が吹いていたため合羽の下にトレーナーを着て丁度いいくらいの陽気だった。午前5時半、若船長の正尚さんが手際よく、足元のバケツに2尾ずつイワシを配ったところで「40mです。どうぞー」と投入の合図。
1投目から1.5kg登場!
餌の活マイワシ(約20cm)の口の中から上顎の硬い部分にハリを通す。孫バリはイワシが弱らないように内臓を避け、背中の筋肉に刺す。口切れしないようにイワシを先に海に入れ、そっと80号のオモリを落とし、祈りを込めてクラッチを切った。船宿で借りたタックルは手巻きだが、PEラインが巻いてあるため感度は抜群。水深は一番深い場所でも40m程度なので、手巻きで十分に楽しめる。投入後、10分経過した5時40分、「来たよー!」と船長が叫んだ。ファーストヒットは右舷大ドモ(船尾)の黒川通文さん、1.5kg級のヒラメ。幸先の良いスタートに船内が湧いた。
私の竿にも800gがヒット!
撮影を終えて左舷胴の間の釣り座に戻ると、置き竿にしておいた竿先がモゾモゾと動きがおかしい。キーパーから外して、手持ちで様子を見る。竿先がモタ~っと重くなった、その瞬間軽く合わせを入れ、巻き上げ開始。すると、ドドドドッ、ムーチングタイプの竿が大きく撓る。ゆっくりと慎重に巻き上げ開始。すると、「後ろでも来てるよ!」(船長)。上乗り役の若船長も大慌てで船上を飛び回る。右舷胴の間(中央)からランディング、1.5kgのグッドサイズ。そして、ゆっくりと慎重に巻き上げてきた私のヒラメは思っていたよりも小さ目の800gだった。なんと1流し目から3人が型を見た。
左舷ミヨシ1.5kg、2.7kgが連発!
「下がり切っちゃったね、移動します。流し変えましょう」。前半狙っていたポイントは35~40mのカケ上がり。根の縁を中心に流していく。「ヒラメは気に入った場所には折り重なるようにしてまとまる習性があります。その気に入った場所は大抵の場合、カケ上がりの“首根っこ”もしくはカケ上がりの縁になります」と船長。つまり、ヒラメが集まりやすい場所=ベイトが集まりやすい場所の等式が成り立つようだ。船長は“首根っこ”に入っていく直前やカケ上がりがきつい場合には必ずマイクで教えてくれる。
「これから“首根っこ”に入っていくよ」(船長)。すると、左舷ミヨシ(船首)の齋藤健郎さんの竿先がブルン、ブルンと揺れた。弁当を食べていてよそ見をしていた齋藤さんに若船長が操舵室から「来てるよー!」と声をかける。ゆっくりと合わせを入れ、巻き上げ開始。少し硬めのショートロッドの竿先に鋭い魚信が伝わる。若船長の口から思わず、「良いサイズですね~」と言葉が出たのは、2.7kgの肩がムクッと盛り上がった肉厚ヒラメだった。「この時期にしては身が厚くて美味そうだね」と大船長もビックリ。そして、次の流しでもアッと言う間に1尾追加した。
オモリトントンより少し上で置き竿♪
朝の1投目以来、流しを変える度に右舷ミヨシ、左舷大ドモから2番目、と0.5~2kgを釣り上げていく。しかし、私の竿にはアタリすら来ない時間が続いた。そして、左舷ミヨシの齋藤さんが再びヒット、800gを追加した。オモリトントンの状態をキープしていた私は、もしかしたらタナが違うのではと、若船長に聞いてみた。「オモリは海底にたまーにトンっとつく程度です」。オモリトントンの状態が良いと勝手に思い込んでいた私は、慌てて30~50cm仕掛けを浮かせた。
午前9時、船中8人オデコ脱出!
午前9時前、右舷胴の間に座っていた貸し竿の人にヒット。「これで船中全員が型を見られましたね」。ほっとした声で船長からアナウンス。船に乗っている8人全員が沖上がりの11時半まで2時間半を残してオデコを脱出した。そして、齋藤さんの竿に再びアタリがきた。しかし、ハリ掛かりまでいかない。「もしかしたら私の竿にもチャンスが…」と心の中で期待する。そして、その予感が的中。イワシが暴れ始め、竿先にアタリ。30秒ほど待って、ゆっくりとスイープに大きく合わせを入れる。海面に浮上したのは1.5kgの良型ヒラメだった。
ヒラメはこれから旬を迎える
その後、午前11時半の沖上がりまで順調にアタリが続き、気が付けば船中0.5~2.7kgが2~5尾、今シーズン最高の釣果で沖上がりを迎えた。宿に帰ってから船長にこの日釣り上げた1.5kgのヒラメの捌き方を教えてもらい動画にしたのでご覧あれ。これから冬を迎え、水温も20℃以下になると、ヒラメも脂が乗って魚体も厚みを増してくる。シーズン前半は大原沖から北エリアを中心に狙うが季節とともにイワシを追ってヒラメも南下し、春先には産卵期を迎える。『つる丸』では、4月末まで午前船はヒラメ狙い、午後船はひとつテンヤへ出船する。
(吉田 洋一郎)
今回利用した釣り船 |
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千葉県大原港『つる丸』 〒298-0003 千葉県いすみ市深堀1885-12 TEL:0470-62-1890 詳細情報(釣りビジョン) つる丸ホームページ |
出船データ |
釣り物:ヒラメ (11月まで)午前4時半までに受け付け・5時出船・11時半沖上がり (12月から)午前5時までに受け付け・5時半出船・11時半沖上がり 料金:1万1500円(活イワシ・氷・お弁当付) ヒラメ仕掛け・オモリ販売有り 女性・子供割引・ポイントカード有り |