釣りビジョン

2011.11.15号

作田丸・茨城県鹿島港
茨城・鹿島沖のヒラメ解禁!竿頭19尾の好スタート!

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11月1日、茨城県・鹿島沖の一部(北緯35度52分以北から北緯36度00以南)でヒラメ釣りが解禁になった。鹿島沖には海岸線に平行して大陸棚が広がり、変化に富んだ海底はヒラメの好釣り場。既に6月から解禁になっている鹿島灘の「ヒラメ刺し網漁」は、例年よりも魚影が濃く好漁続きだと言う。解禁初日、鹿島港『作田丸』へ出掛けた。

解禁日で活気が溢れる鹿島港

午前4時半、港から数百m手前から煌々と光る無数の水銀灯が見え、港内には溢れんばかりの車が並んでいた。流石に解禁初日、港全体がお祭り騒ぎである。各船長のアナウンスが港全体にこだまし、無線が飛び交う。鹿島新港に新しく出来た『作田丸』看板下の受付では女将さんと常連さんとの会話が弾んでいた。5時半の定刻前、舵を握る作田一美船長から出船のアナウンスがあり、13人が乗船して河岸払いとなった。

『作田丸』の受付は黄色の看板と白い旗が目印
船着き場前には台船も復活!

釣り場まで航程30分

港口から出ると2m近いウネリがあり、風速5m程の北風が吹いていた。ウネリは底荒れやバラシの原因になり、ヒラメ釣りには“天敵”だ。2mのち1.5mと少しずつ穏やかになっていくと言う波予報に期待するしかない。航程30分程で最初の釣り場に到着。大ぶりな餌の活マイワシが2尾ずつ配られ、「潮の速さと向きを見ていますから、準備をしていて下さいね」と、船長からアナウンス。潮は逆潮、1ノット強の適度な速さで浜なり(北から南)に流れている。

『作田丸』オリジナル仕掛け&オモリ
水深は30m。中層には小魚らしき反応
船は1.1~1.2ノットで流れた

怒涛の連続ヒット!

「はい、どうぞ~水深30m」。エンジンをかけたまま横流しでスタート。まずは右舷側が潮先になるようにミヨシ(船首)を沖に向けて流していく。最初のアタリはすぐに来た。「はい、ミヨシ中央(舳先)来ましたよ~」(船長)。舳先に座った常連さんの4.2mのインナーロッドが絞り込まれ、まずは500g級のソゲ(小型)が上がった。「これはいい型かもよ」。すぐに左舷大ドモ(船尾)から声が掛かり、1.5kgのナイスサイズが釣り上げられた。同時に右舷ミヨシ(船首)2番目、左舷胴の間と立て続けにヒット。撮影するのが追いつかない程の釣れっぷり。気がつけば一流し目の30分間で0.5~2kg級が船中12尾のヒラメが上がり、心配したウネリの影響は全くないようだ。

1流し目にヒットした1.5kg級
右舷ミヨシでも1.5kg級
左舷大ドモでも良型がヒット

これぞ正真正銘の入れ喰い!

一流し目の釣れっぷりに度胆を抜かれたが、次の流しでもすぐに右舷胴の間(中央)の竿が曲がった。軟調の竿が綺麗に弧を描く。海面付近で幾度となく短い横走りを見せながら上がって来たのは3kg級のグッドサイズ。「投入する度に掛かって来ちゃう。笑いが止まらないよ」と釣った本人も興奮気味。この人、次の投入でも良型のマトウダイ、その次にはイナダを釣り上げた。まるで下で魚が口を開けて待っているかのようだ。続いて、左舷胴の間では竿をのされる勢いで竿先が入った。「これは青物ですね~」と、横で船長がタモ入れの準備に取り掛かる。海面下に白い腹に黄色いラインが入ったワラサが見え、一発でランディング。

厚みのある3kg級
良型のマトウダイも交じった
良い引きを見せたワラサ

初めての人も前半戦で2尾ゲット

仕掛け図
午前8時の時点で、船中では50尾超えの“大爆釣”。ウネリも1mまで下がり釣りやすくなって来た。左舷胴の間に座ったのは、この日がヒラメ釣り初めてと言う宮田伸明さん。会社の先輩と一緒に3人での釣行。既に各々の桶にはマトウダイ、イナダ、そして“本命”のヒラメが数尾ずつ入っていた。「ちょっと船酔い気味ですが、最初の1時間半くらいでヒラメ2尾とイナダが釣れたので大満足」と嬉しそうに話す。御年23歳。ヒラメ釣りは老若男女関係無く楽しめる釣りなのである。魚影が濃く、アタリが頻繁にある今の時期なら初心者でも十分に楽しめるのだ。

“潮先”になった時がチャンス!

横流しの釣りでは、船の下に道糸が潜りこんで行く時と、沖へ払い出して行く時がある。下に潜り込んで行く時は、自分の仕掛けが反対の舷の人の仕掛けよりも常に新しいポイントへと先に入っている。そのため、底さえ取れていれば“潮先”、つまり下に潜り込んでいく側が若干有利となる。ただし、あまり糸を送ってしまうと、裏側の人とのオマツリになってしまうため、底はマメに取り直す必要がある。船長は右舷と左舷をなるべく交互に船の向きを変えて流すのでチャンスは平等にある。“潮先”になった時がチャンスなのだ。

ミヨシの常連さんも良型ゲット
3kg、2kgと連続ヒット
こちらも2kg級

イワシが海底付近を漂うようにイメージ

午前10時、少しアタリが遠のいたため水深25mラインへ移動した。この時点で右舷ミヨシの山澤伸行さんがトップで16尾。竿頭はほとんど確定であった山澤さんに誘い方を聞いた。「誘い方と言う誘い方はありません。ただ、イワシを常に海底スレスレを泳がしているようにイメージで竿を持ち続ける。それが大切です。オモリはたまに底につく程度でいいです」。つまり、イワシは自分で泳いでアピールをしてくれる。そのため、底から上がり過ぎていなければ、誘う必要は全くないと言う訳だ。次の流しでは右舷ミヨシから3人が同時にヒットした。

2.5kgの良型もヒット!
0.5~1.5kgを中心に19尾の竿頭!

餌が無くなり異例の早上がり

その後も終始、逆潮が1ノット程のスピードで流れ、潮回しする度にアタリが続いた。そのため、通常では考えられない程の早さで餌が消費、午前11時15分に早上がりになった。「餌切れで早上がりなんて、最近では記憶にないなー」と、船長もビックリの釣れっぷり。竿頭は何と19尾を釣り上げた山澤さん。乗船した13人の平均が7尾前後でスソは船酔いをしてしまった宮田さんの2尾。茨城沖のヒラメ釣りは、12月に全面解禁になり、サイズも徐々に大型化して水深40m台に落ちていく。初心者は解禁直後の数を狙える今がお勧め。上級者は1~2月の大型を狙ってみるのも面白いだろう。

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
茨城県鹿島港『作田丸』
〒314-0253 茨城県神栖市須田2340-102
TEL:0479-46-0283
詳細情報(釣りビジョン)
作田丸ホームページ
出船データ
釣り物:ヒラメ
午前5時集合・5時半出船・12時沖上がり
料金:1万2000円(餌・氷・昼食・お土産付)
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