深川 吉野屋・東京都深川
東京湾奥のシーバス船でとことん遊べ!!
乗合船のシーバスは超お勧め!
ルアーで釣るシーバスフィッシングは若い世代を中心に大人気!ただ、その大多数は陸から釣る“オカッパリ”か、水中に立ち込む“ウェーディング”のどちらかだ。しかし、ビギナーがこれらのスタイルでシーバスをキャッチするのには正直難易度が高い。バスやトラウトフィッシングをやっているアングラーでも、タイド(潮)という未体験の要素とジギングメソッドが加わり勝手が違うし、エリア(トラウトの管理釣り場)の釣りとは更に様子が違う。そこでお勧めしたいのが、このシーバス乗合船。魚を釣るのに一番の近道であることは間違いないからだ。釣りを覚えるには純粋に魚を釣った経験値の高さに比例して上達するものだ。実際に魚を釣りながら色々覚えられる遊びが“シーバス乗合船”なのだ。
観音崎沖の80mで…とは!?
出掛けたのは12月24日(土)。世間ではクリスマスイヴと浮かれているようだが、私にはシーバス調査の方が断然大事-と強がりを言いつつ朝6時、船宿に到着。現在、深川『吉野屋』では、シーバス船の他にタチウオ船とアジ船を出しているが、朝イチに代表の吉野吾朗さんから興味深い話を聞いた。観音崎沖約80mラインから下浦エリア(三浦海岸の沖)で釣っていた前日のタチウオ船で、60~70cmクラスのシーバスが連発したとのこと。どうやらこれはスポーニングに向かう途中の固体らしく魚体もプリスポーンのグッドコンディションだったと言う。当然この情報を共有するシーバス船担当の大森健吾船長に早速戦略を聞いてみると、「今日はキャスティングもジギングもやってみます。魚はやはりスポーニングエリアを行き来していますからね」とのこと。私を含め9人が乗船、定刻7時に出船。一路、羽田空港沖へ向かった。
まずはシャローエリアをチェック
航程約30分、新設された羽田空港第3滑走路の目の前に到着。消波ブロックの約50m沖合い水深13mラインから流し始めた。「魚群反応は中層に出ています。キャスティングで広範囲を探ってみて下さい」と言う船長のアナウンスに、全員一斉にテイルスピンを投げた。私は60gのメタルジグを遠投し、念のために一旦底まで沈めてから斜めに引いた。そして30分、ルアーへの反応は薄く、このシャローエリアを早々見切り、川崎方面へ移動。次は東扇島付近の沖堤防の角を狙った。「底から中層までビッシリと反応が出ています」と船長のアナウンス。たちまち15~20cm級のセイゴが入れ喰いになったが…小型過ぎる。私は55~65gのジグを使いボトム中心を探った。すると40cm中盤のサイズがポンポンと数尾釣れ、そしてなんと30cm後半の丸々と太った分厚い大アジも釣れて来た。しばらく同じ場所で粘り、他の釣り人にも同サイズのシーバスが数尾釣れたが9時40分に移動。今度は川崎沖から横浜沖の障害物周りを攻めた。
船長直伝!釣り方講座を公開!!
障害物周りの水深は19m前後。船はストラクチャーから大きく距離を取りながら一帯を広範囲に探る展開。そこでポツポツではあるが50cm級も顔を出した。私も引き続きジグを遠投し、ボトム付近を徹底的に狙いフッコクラスを数尾キャッチした。パターンは、60gのジグを海底まで沈めてから5~10m巻いては落としての繰り返し。アクションは付けずタダ巻きのみで、フォーリングでも巻き上げでも喰って来た。遠投しているので遠くから手前までのボトム付近にいる居着き型も回遊型も同時に攻めるイメージ。カラーは頻繁に換えてみたが、朝はゴールド・レッド系に反応が良かったように思えた。逆にバイトはあるが途中でバレるカラーは喰いが浅いからバレるのだと割り切って、どんどん色を間逆に換えてみたのが結果に繋がったのかも知れない。
ドラマは起こったが…
その後もジグを遠投しボトム付近を狙った。時間は11時ちょっと前。着底したジグを2mほど巻き上げた瞬間、今までに無い重いバイトを感じ即座に合わせを入れた。ズンズンズンッ!とトルクフルで強烈な引きに「エイか!?でもシーバスならデカイ!」と慎重にやり取りして上がってきたのは紛れも無いランカーサイズ。そしてタモに収まったのは全長79cmのパンパンに太った腹太スズキだった。「おめでとうございます!」と船長に祝福されたが…やってしまった微妙な空気感と、皆の視線が刺さりイタイ瞬間でもあったが、自己記録更新に思わずニンマリ。更にその後も60UPを釣ってしまい、しばらくは竿を置いて取材に専念した。
シーバス調査、結論は…!!
船長はシャロー、ミドル、ディープと各レンジの魚探反応を見ながらルアーを入れた結果を検証していた。前日に鳥山が立ったという沖のフラットも狙ってみたが、この日は海面がザワつくことは無く、一時サバが入れ喰いとなっただけ。しかし、これがまん丸に太ったマサバでどう見ても美味そうな魚体。嬉しいお土産が追加出来た。ただ、シーバスは反応を追って拾い釣りをしているという感じ。障害物周辺を釣ってみても釣れる時と釣れない時がハッキリしていたのは、群れの性質なのか、シーバス個々のやる気の問題なのかは不明。また、釣った魚体を見ても太いものもいればゲッソリと痩せている魚も同じ場所で釣れてくる。こんなに状況と魚のコンディションが違うのは、やはり端境期の真っ只中であるという証拠。
この日の結果は、申し分のない内容で定刻通り16時頃に帰港。「もう間もなく群れは固まって、もっとイージーに釣れるようになりますよ」と船長。この元旦号を読んで出掛けるのが丁度良いかもしれない。深川『吉野屋』では新年2日から営業。是非チャレンジして頂きたい。「ビギナー大歓迎。分からない事があれば何でも聞いて欲しい」と代表の吉野吾朗さんや大森船長(彼女募集中)が声を揃える。
シーバス(フッコ、スズキ)は江戸前を代表する美味しい魚!
シーバス、つまりフッコ、スズキは、寿司屋さんでもよく耳にする江戸前を代表する美味しい魚。旬は夏と言われる魚だが、自分で釣ったものは冬だって美味しい。釣ったら是非持ち帰って食べて頂きたい。深川『吉野屋』では、魚が捌けない人のために下処理をやってくれるサービスがある。出船時に申し込むことや混雑時での対応など、詳しくはHPをチェックして欲しい。「キャッチ&リリースだけがゲームフィッシングじゃないんだよ」と船宿では提案している。
(鈴木 恭介)
今回利用した釣り船 |
---|
東京都深川『深川吉野屋』 〒135-0042 東京都江東区木場6-12-7 TEL:03-3644-3562(定休日:毎週火曜日) 詳細情報(釣りビジョン) 深川吉野屋ホームページ |
出船データ |
乗船料金:9,000円(女性・子供は割引あり) ※前日までに予約の事。 貸し道具:500円 ※但し紛失や破損した場合は5,000円を負担。 出船7時~帰港16時頃 |