栃木丸・神奈川県長井新宿港
長井港の船長が指南!“釣り教室”でスルメイカを狙う!
2名限定の“釣り教室”は平日もOK♪
土日は予約で埋まっている事が多い2名限定の“釣り教室”も、この時期の平日ならば空いている可能性が高い。21日、大船長に電話で聞いてみた。「あの~イカの道具(電動リール&竿)を持っていなくてスルメイカ釣りは1年振りになるんですが…教室の参加はOKですか?」。すると、「全然大丈夫ですよ。初心者は勿論ですが、久し振りにイカ釣りをする人にも是非“釣り教室”を利用して頂きたいと思っています。料金は8500円で貸道具一式は無料、氷付きです。仕掛けやオモリも必要な分だけ買えばいいので、手ぶらで来てもらって大丈夫ですよ」と気持ちの良い返事。持参したのはクーラーボックス、合羽、長靴、ライフジャケット、そしてお弁当とまるでピクニック気分で出掛けた。
仕掛け&オモリは船宿で購入
カーナビに『栃木丸』の電話番号を入力すると一発で案内してくれた。午前5時半、船宿前の駐車場に車を回すと大船長が駐車場所を案内してくれた。港前の船宿で受け付けを済ませ乗船名簿を記入。その際、仕掛けとオモリを1個ずつ購入。仕掛けは1000~1100円、オモリは500円だ。「初めての人は釣具店に寄って色々な仕掛けを買ったり、自分で作ってくる人もいるのですが、最初に1組買ってもらえれば、後は船でも買えますので、その方が安上がりで済みますし釣果も違いますよ。今日“釣り教室”で使う仕掛けは、上が18cm3本、下の14cmが2本とミックスで行きましょう」と船長。
釣り場は“沖ノ瀬”、航程55分
午前6時半の定刻に河岸払い。釣り場は航程55分の“沖ノ瀬”。三浦半島の先端と大島を結ぶ線の丁度中間に位置するイカ釣りの好釣り場だ。「先月までは城ケ島沖で釣れていたんですけどね、少しノリが悪くなったんで今日は沖ノ瀬に向かいましょう」(大船長)。この日舵を握るのは、イケメン若船長の栃木拓さん。27歳にして4児の父親だ。三浦半島を左に見てぐるりと回った所で少し風が強まった。「今は風が10m以上ありますが、予報では少しずつ凪いでくるということなので様子見ながら釣って行きましょう」(大船長)。左舷胴の間(中央)に座った私の前には竿・リール、竿受け、投入器、仕掛け、オモリまで全てセットされた道具が並んでいた。まるで“ご接待”を受けているようだ。
水深225m海底付近狙いが基本
「はい、どうぞ。水深225m、150mから210mに反応が出てますね」。若船長からアナウンス。そして“釣り教室”が始まった。投入はヤリイカ釣りやマルイカ釣り等で経験があるため今回は誘いを重点に教わった。「オモリをフワッと上に投げて投入します。そして、サミングしながら落としていきます。中層に反応が出ているので落とす時にキーパーに置いておくのはダメですね。必ず手持ちでサミングしながらやる事で、フォール中のアタリも取れるようになります」。アタリが無かったら底まで落として糸フケを取り、ツノを躍らせるイメージでチョン、チョンと頭上まで竿先を上げる。竿先を上げた後はすぐにその分巻き上げるのではなく、再び同じタナで竿先を下げ2、3度同じ動作を繰り返すとの事。これが誘い方の基本だが、大きく下から上まで素早く上げてくる誘いや、リールを巻きながらの誘い方もあると言う。
船長がお手本中にヒット!
「スルメがノると、竿先を上まで上げた時に伸びずに曲がったままになってアタリが取れます。アッ、ほらノった」。竿先を見ると、大船長の言う通り竿先が曲がったままになってクン、クン、クンと動いていた。「ノったらそのまま電動のレバーを入れて下さい。巻き上げ速度は中速15くらいでOKです。残り50m近くになったら竿をキーパーに置きますが、全て置いてはダメです。キーパーに付けたままリールの上のグリップを持ってイカがバレないように船の揺れを吸収しましょう。特に今日みたいに少し波のある日には、これをやらないとせっかく釣ったイカが逃げてしまいます」。そして、見事1尾のスルメイカを仕留めた。これを皮切りに船内が一気に活気づき、右舷大ドモ(船尾)の横手直樹さんは直結12本ヅノを巧みに操り何と9尾掛けを達成。右舷胴の間でも馬場正勝さんが2尾掛け。「うわっ。顔に墨くらっちゃったよ~」と言いながらも満面の笑み。釣ったスルメイカを手際よく開きながら船上干しを作っていく。そして、スルメイカの卵を見るなりそのままパクリ。「卵もうまいよ~」と一言。しかし、右舷ミヨシから2番目にいた常連の菅原春雄さんが「俺はスルメイカの卵は生じゃ食わないけどね(笑)」。とても風が10mも吹いているとは思えない雰囲気。笑いが絶えない時間がしばらく続いた。
フォール中も油断は禁物?
午前9時過ぎまで流しを替える度に船中誰かしらに1尾、2尾とノるのだが数は伸びない。ポツリポツリといった状況が続いた。そして、再び流し替えの第1投目、私を教えていた船長の竿にアタリがあった。「フォール中に来ましたよ。ブランコはこれだからいいですね」。サミングしながら投入、190mラインを通過している時に仕掛けが一瞬止まったのだ。直結仕掛けだと仕掛け自体に弛みがないため中々そうはいかないようだ。1回合わせを入れたあとすぐに巻き上げ開始。良型スルメイカが2尾掛け。同時に左舷大ドモから2番目、左舷大ドモが3点掛け、4点掛けと常連さんも釣り上げ、この日2度目の時合に突入した。気がつけば頭上のロープにズラリとスルメが干されていた。「ほんとはヤリイカも交じるといいんですけどね。今日は200mより浅場にあまり反応が出ないですね」と若船長。
スルメイカ釣り初の人と仲良く1尾ゲット!
この日、私と同じ境遇の釣り人が左舷ミヨシに座っていた。「イカ釣りをやってみたくて道具だけ買っておいたのですが、常連さんに迷惑かけてしまうんじゃないかと来るのを躊躇していたんです」と言う石田博之さん。『栃木丸』のHPに貼ってある動画(オフショアマガジン8月1号)で船長の人柄の良さが垣間見えたため、それに後押しされて来たと言う。船長から投入方法等を教えてもらっていたため10時過ぎには投入も完璧になっていた。そして、その石田さんに教えている船長が大声を出した。「ほら、ノったね」。石田さんに「ノったの分かりました?」と尋ねると、「今回は分かりました」と嬉しそうに頷いた。この時点で初獲物はゲットしていたのだが、波があったのでアタリかどうか明確に分からなかったようだ。そして、2尾目を無事取り込み丸々太ったスルメイカを手にして記念撮影。私も負けてはいられない。船長に習った通り、着底後リズミカルにツノを躍らせるイメージで誘い上げる。すると…ウンウン、ウン。すかさずレバーを中速に入れて巻き上げ開始。幾度となく魚のような強い引きを見せたため、「これ本当にイカ?」と半信半疑だったが海面には良型のスルメイカが浮いて一安心。その後、13時に再び船中全員ヒットの時合が訪れ、沖上がりの13時半を迎えた。
これからはヤリイカのシーズンに突入!
この日の竿頭は直結12本ヅノで9尾掛けを達成した横手直樹さんで、スルメイカ34尾にヤリイカ1尾。“釣り教室”で大船長に教えていただいた後は撮影に専念していた私は2投で1尾と言う釣果。大船長に教わりながら頑張った石田博之さんはまずまずの3尾。「奥が深いなぁ、ハマりましたね、リベンジ決定です。もう一度出直してきます」と笑顔で帰って行った。現在はスルメイカがメインの沖ノ瀬。水深200mより深いポイント中心だが、これからヤリイカが回遊してくれば200mより浅いポイントも攻めていくので慣れている人は11、14、18cmの3種類のツノを用意して来てほしいと大船長。初めての人も久し振りの人も、是非この“釣り教室”を試してみて頂きたい。
(吉田 洋一郎)
今回利用した釣り船 |
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神奈川県長井新宿港『栃木丸』 〒238-0316 神奈川県横須賀市長井5-3-9 TEL:046-856-2446(定休日:第1・3金曜日) 詳細情報(釣りビジョン) 栃木丸ホームページ |
出船データ |
イカ釣り教室=8,500円(氷付) 午前6時までに受け付け、午前6時半出船、13時半沖上がり |