釣りビジョン

2012.5.1号

SHINSEIMARU・静岡県清水港
驚愕のダブルヘッダー!静岡・清水でタチウオ&マダイに挑戦!

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静岡県・清水港『SHINSEIMARU』で新プランがスタートした。その名も“ダブルヘッダー船”だ。港前で好調のタチウオ、乗っ込み時期に突入した三保沖のマダイがターゲット。まさに今が“旬”の魚を2本立てで狙おうと言う贅沢プラン。「何だ、ただのリレー船じゃないか…」と思った人、驚くなかれ、実釣時間は何と10時間以上もあるのだ。17日、仕事を終え、清水港へと車を走らせた。

ベストシーズンのタチウオ&マダイ!

最初のターゲット・タチウオは、清水港入口付近が釣り場。船着き場からも目と鼻の先だ。外海と違い、船酔いの心配もいらない初心者にも打ってつけの釣り物。現在、タチウオは産卵シーズン真っ只中。「この周辺に入って来ている“指3~4本”級のタチウオはほとんど白子か卵を抱いています。脂の乗りも良く、浜値で1kg1500円以上していますよ」と増田憲光船長。そして、もう一方のターゲット、マダイは4月半ばから黒ずんだ魚体が釣れ出し、乗っ込み開始とどちらも“旬”のど真ん中の釣り物だ。

まずはタチウオを狙う
次のターゲットはマダイだ♪
富士山の絶景が見える場所が釣り場

0時出船、タナは上から15m厳守!

午後11時半、清水港へ着くと既に4人が船着き場前に待機していた。「先週、用宗港からタチウオ釣り行って来たんだけど、型も見れなかった。今日は釣れるかな?」。常連同士のそんな会話が聞こえて来た。私は右舷ミヨシ(船首)に座った。持参したサンマの切り身を船ベリに並べ、3mの胴調子マダイ竿を竿受けにセット。竿先には目印になるようケミホタルを装着。道糸はPE5号200m、その先には腕長40cmの天秤、60号のオモリと同じ場所にLED水中ライト(レインボー)を下向きに付けた。ハリスはフロロ8号2尋(約3m)、ハリは1/0号。チモトには蛍光パイプを10cm、その上に蛍光玉、蛍紫玉を通した。午前0時の定刻に河岸払い。清水港内の夜景を見ている間にアンカーが入り、船長からアナウンス。「タナは上から15mピッタリで止めてください。厳守です。あと、群れが散ってしまうので誘いは禁物、喰い込むまで置き竿で待って、竿先がグンと入ってから合わせを入れて下さい。どうぞ~」。

竿先にはケミホタルを装着
餌はサンマの切り身
タチウオ仕掛け図

開始直後から指3~4本級がヒット!

“指4本”の良型をゲット!
船のエンジンが止められ、船上灯が点灯。すると、すぐに右舷大ドモ(船尾)の竿先にアタリ。グン、グングン。慌ててすぐに合わせを入れる。スカッ…少し早かったようだ。左舷胴の間でも「あっれ~、また餌取られてる。アタリはあるのに掛からないね」とタチウオに翻弄されている。すると、「よし来た」。両舷大ドモ(船尾)の竿先が同時に突っ込んだ。釣り開始直後に上がったダブルヒットは“指3.5本”級だった。私もここから参戦、1本バリにサンマの切り身を縫いざしにして投入。船長の指示ダナ15mにセットしてアタリを待った。するとすぐに竿先にアタリ。クンー、クン。餌の先を啄ばんでいるようなアタリだ。ここで慌てて合わせを入れたら負けだと思い、じ~っと我慢。竿先が一気にグググンと海面に向けて突っ込んでからキーパーから竿を外して大きく合わせた。海面には刀のように光る“指4本”のタチウオが浮いた。

良型来ましたよ!
独特の釣り方で楽しいね♪
やりました!“指4本”超♪

狙いは上げ潮と朝マズメ♪

ここでのタチウオ釣りは、潮の干満に喰いが左右される。この日の満潮は午前3時。潮が止まり始める2時半までと4時半頃の朝マズメに喰いが立つと船長は読んでいた。「ここ1週間毎日タチウオ釣りに出ていますが、後半程型が良くなって来ますね」と船長。午前2時半までは船長の予想通り、アタリは頻繁だったが、ハリの寸前で喰うのをやめてしまうタチウオも多く、ポツリポツリの状況が続いた。その中でもいち早く喰いこみのパターンを掴んでいた左舷大ドモの杉山元美さんは、快調に“指3~4本”級を抜き上げていった。午前4時、「これは立派だね」。左舷胴の間の声に駆けつけると、“指5本”級のタチウオが横たわっていた。海面ではタチウオがシラスを追いかけ回し、ギラギラと腹を光らせていた。「これから納竿までは浅い場所で釣れるからルアーでもいいと思いますよ」と船長からアドバイス。早速、ルアーで表層を狙ってみた。すると、1投目からカツカツとアタリ。これはチャンス!と思い、気合いを入れてもう1投。スローリトリーブで海面から2mのレンジをキープして巻いてくる。グン、ググン!今度は乗った。そして、海面から抜き上げた瞬間にアナウンス。「5時になりましたので港へ戻ります。ダブルヘッダーの人はマダイの準備をして下さい」。後ろ髪を引かれる思いで釣り場を後にした。

“指5本”のビッグワン!
後半につれ良型主体へ♪
ルアーでもヒット!

乗っ込みマダイを求めて三保沖へ!

タチウオ釣りの竿頭は序盤にパターンを掴み、数を伸ばした杉山さんの16尾。私は10尾だった。港へ戻った船は、私以外が全員入れ替えになり、三保沖を目指した。航程約20分、移動中にコマセが配られた。「コマセは良質なので付け餌はコマセの中から拾って下さい。6時に竿入れですのでそれまでゆっくりと準備をして下さい」と船長。水平線から太陽が昇り、美しい富士山を照らした。海上はベタ凪。釣り場に到着、魚探を確認すると真っ赤な反応が出ていた。潮も1.7~1.8ノットで流れている。これは期待大だ。タチウオ狙いからマダイ狙いへの仕掛けチェンジは非常に簡単。天秤から下をそっくり替えるだけ。マダイのカゴや天秤を持っていなかった私は一式レンタル(無料)を使用。コマセをカゴに詰め、付け餌の沖アミは抱き合わせにして付けた。午前6時、待ちに待った投入の合図が出た。

杉山さんも最後に良型ゲット!
底にはマダイらしき影が映る
マダイのセット一式

タナは上から19m!良型ヒット!?

「いいですよ~。上から19mでやって下さい」。24mまで沈めて20秒糸が馴染むのを待って大きくシャクリ、コマセを撒きながら巻き上げてくる。19mまで巻き上げてアタリを待とうとしたその時だった。「左舷胴の間、乗ったね♪」船長からアナウンス。駆け付けると、やり取りの真っ最中。海面には1kg級のマダイが顔を見せた。2流し目、再び24mまで落とし誘いをかける。リールのメーターが19mになった時、竿先に変化が出た。グググ…ググン、アタリだと思ったその瞬間、竿先が激しく突っ込んだ。ドドン、ムーチングタイプの竿が胴から綺麗に曲がる。間違いなく2kg級はあるマダイの引きだ。慎重にゆっくりと竿の弾力を活かして上げて来る。コマセマダイで1kg超えを掛けたのは久し振り。マダイの引きを存分に味わおうと思ったその瞬間。フワッと軽くなった。そう痛恨のバラシ。原因は“合わせ不足”。突然の良型にビックリしてすっかり合わせを入れるのを忘れてしまっていた。

マダイ仕掛け図
船中第1号のマダイ
2kg級のマダイ

私の竿に1kg級のマダイが連発!

三保沖のマダイは前半1~2時間が勝負になる場合が多いと言う。そして、3流し目、再び私の竿にアタリは来た。今度はコマセを振って置き竿にしている最中だった。慌てて竿受けから外し、少し強めの合わせを入れた。先程のような重量感こそないもののマダイ独特の三段引きを見せて上がって来たのは黒ずんだ魚体の1kg級のマダイだった。「後ろでも2尾上がったよ」。釣れた余韻に浸っていると船長からアナウンス。私の竿(右舷ミヨシ)、左舷胴の間、大ドモと3人ほぼ同時ヒットだった。左舷大ドモでは2kg、胴の間では800gが上がった。マダイの活性は非常に高く次の流しでもアタリが来た。左舷胴の間ではクロダイ、大ドモでは1kg級のマダイ、そして再び私の置き竿も絞り込まれた。先程よりも強めの引きに、船長もタモ入れに出て来た。しかし、海面に浮いたのは鮮やかなピンク色のほぼ同型の1kg級マダイだった。

1尾目は乗っ込み色
嬉しいゲストのクロダイ
2尾目の美しいマダイ

タチウオ&マダイ狙いは5月一杯まで

結局、その後は潮が止まり、沖上がりの11時を迎えた。竿頭は3尾、私ともう1人が2尾。こうして、私の“ダブルヘッダー船”への挑戦は幕を閉じた。釣果としては“指3~5本”のタチウオ10尾、1kg級のマダイ2尾と大満足の釣果。帰宅後、マダイ&タチウオともに捌くとお腹には卵&白子を持っていた。今回はダブルヘッダー船で挑んだが、『SHINSEIMARU』では、他にもリレー船、マダイ船、早夜タチウオ船、夜タチウオ船と様々なプランを用意している。勿論、釣り大好きな人にはダブルヘッダー船をお勧めしたい。

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
静岡県清水港(袖師・江尻)『SHINSEIMARU』
〒424-0932 静岡県静岡市清水ドリームプラザ前マリーナ内
TEL:0543-53-8880
詳細情報(釣りビジョン)
SHINSEIMARU ホームページ
出船データ
(料金)・ダブルヘッダー船=15,000円0時出船11時納竿
 ※タチウオ(氷付・餌別)・マダイ(氷・コマセ・付け餌付)
・リレー船=11,000円3時出船9時納竿
 ※タチウオ(氷付・餌別)・マダイ(氷・コマセ・付け餌付)
・早夜タチウオ船=8,000円(氷付・餌別)18時出船23時納竿
・深夜タチウオ船=8,000円(氷付・餌別)0時出船5時半納竿
・マダイ船=9,000円(氷・コマセ・付け餌付)5時半出船
 11時納竿
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