第一進丸・千葉県飯岡港
千葉県・外房、飯岡沖のLTヒラメ、絶好のスタート!
港を出て5分。この日の釣り場は至近距離
平日にも関わらず、私を含め13人を乗せた「第一進丸」は、午前5時に岸壁を払った。「釣り場は近いですから準備しておいて下さいね」。港口を出てすぐ伊藤船長からアナウンス。周囲はモヤに包まれ、港の防波堤がモヤの中に消えてしまうと岸からの距離感が全く分からなくなった。Tシャツ1枚で乗船した私にはやや肌寒くさえ感じる程涼しい。すると間もなくバケツリレーで餌のイワシが配られた。「いいですよ、水深10m。LTの方は40号、ノーマルの方は60号のオモリを使って下さい」。早速、左舷大ドモで竿を出した。水深10mの浅場ともなると、アッという間に底ダチが取れる。オモリを引きずらない様に船の揺れでたまにトンとオモリが底を叩く程度にタナを切って竿先に集中する。その1流し目、船中最初に竿を曲げたのは左舷ミヨシ(船首)2番目のLTの釣り人だった。ショートロッドを気持ちよく曲げて上がってきたのは目測1kgオーバーの立派なヒラメ。産卵期を終えて間もないにも関わらず予想以上の肉厚に驚かされる。2流し目にも右舷ミヨシでLTの釣り人が肉厚の1kg級をキャッチ。「今年は“根魚”や“青物”も太っていますよ」と伊藤船長の言葉通り、この日上がってくるヒラメ以外のクロメバルやイナダといった“ゲスト”もコロコロと丸みを帯びて見える。
ドキッ!とする程アタリはダイレクト
続いてアタリが来たのは私だった。「ガツガツガツ!」と音はしないが、視覚的に捉えた竿先の動きはかなり派手なもので、竿を握る手元に感じられる衝撃は、下手をすればビックリ合わせしてしまいそうな位。「潮が幾らも流れていないので、アタリがあったら十分に喰い込ませて下さいね」。ラインテンションを張らず緩めず、伊藤船長の指示に従って竿先を下げ、ジワジワと道糸を送り喰い込みを待つ。相変わらず竿先は派手に叩かれるものの、次の大きな引き込みがない。と思っていた所、フッと竿先の生命感が消えた。「(餌を)放された」。思わず天を仰いでしまったが、LTのダイレクトに伝わる感触が竿を握る手に残っている。後になって言える事だが、やはり視覚的にも興奮度はかなり高いタックルバランスである。
1kgオーバーの良型揃い!
船中3尾目のヒラメは再び私の竿に来た1kg級だった。今度は失敗する事なく、親バリをノドの奥まで飲み込ませてキャッチした。それと同時に竿を曲げたのが右舷ミヨシの釣り人。LTで2尾目の良型を難なくキャッチ。潮の流れが無く、船もほとんど流されない為アタリも遠いのだが、流しかえる度に1人、また1人とヒラメを釣り上げて行く。そのほとんどが1kgオーバーの良型で1㎏に満たない“ソゲ”サイズは船中で2尾しか上がらなかった。「ヒラメのアタリが欲しければ、小型中心のポイントもありますが、せめて“お造り”に出来るサイズを持って帰って欲しいからね」。小型のヒラメでは満足出来ない伊藤船長らしい粋な計らいである。ポツリ、またポツリと船中“本命”の数が伸びて行く。中には見事な“尺メバル(30㎝級)”も交じり、苦心の操船が実を結んで行く。私にも仕掛け回収途中に引っ手繰る様なアタリで丸々と太ったイナダが上がり、晩のオカズにもう一品加わった。
トップ4尾が2人、最大3.6kg浮上!7/12には3人で25尾の爆釣!
午前10時過ぎ、モヤが晴れて来ると皮肉にも極端にアタリが無くなった。しかし、この日は最後にドラマが待っていた。沖上がりまで残すところ30分、僅かな風に任せ船を横に流し始めた時だった。久し振りのアタリで私に1kg級、続いて隣で竿を出した同行のスタッフに同サイズ。さらに左舷ミヨシ2番の釣り人のLTロッドが大きく曲がった。水深は12mと浅いものの強烈なやり取りが続き、中々その姿を見せない。幾度も突っ込みをかわして大ダモに収まったのは後検量3.6kg、この日最大サイズだった。
結局、トップ4尾が2人、3尾が3人。残念ながらオデコ(0尾)が1人出てしまったが、潮が流れない悪条件の中では十分な好成績。そして、今年の飯岡沖の魚影の濃さを裏付ける釣果が12日にも記録されている。何と3人で25尾!1人8、9尾という大爆釣である。それぞれのクーラーBOXには10kg以上のヒラメが収まったというのだから凄まじい。浅場で釣れているこの時期、LTでの挑戦がオススメだ!
夏のヒラメはマグロで言えば赤身
ヒラメに脂が乗る時期は冬というのが一般的だが、夏のヒラメはマグロで言えば赤身。そう言うのは伊藤船長だ。私も活き締めを施して下処理後4日間冷蔵庫で寝かして食べたが、淡白だが甘味の増した刺し身はとても美味しかった。さらに伊藤船長は「ヒラメは歩留まりがいい魚だよね」と続ける。要するに捨てる所が少ないという意味だ。頭は煮付けで、尾ヒレは唐揚げなどで香ばしく、内臓も少ない。さらに今年はイワシの回遊が多く肉厚のヒラメが釣れるとなれば、釣るだけでなく帰ってからのお楽しみも増えるはず。
タックル選びは慎重に!
LTの魅力を伝えている『第一進丸』だが、伊藤船長が1つ気になる点がリールだと言う。それは“ドラグ力”。大きな魚を掛けた時にしっかり巻ける事がリール選びの基本になる。「この間6kgオーバーの“大板”を掛けたお客さんがリールが巻けなくて、私が手で手繰ったんですよ」。この時はドラグを締め切っても道糸が出てしまい、仕方なく伊藤船長が助けに入ったと言う。6月24日には88cm7kgのブリもキャッチされている他、これからの時期は“青物”も多い。LT入門に際してリール選びは、くれぐれも慎重に!
(津端 雄大)
(カメラ・兵頭 誠司)
今回利用した釣り船 |
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千葉県飯岡港『第一進丸』 〒289-2706 千葉県旭市下永井689 TEL:0479-57-6668 詳細情報(釣りビジョン) 第一進丸ホームページ |
出船データ |
ヒラメ予約乗合 エサ・氷付 11,500円 集合4時30分。出船5時。 沖上がり12時(もしくは餌が無くなり次第) ※ 午後ひとつテンヤマダイも受付中 ~第10回ヒラメダービー開催中~ 詳細はHPにて! |