作田丸・茨城県鹿島港
茨城県・鹿島沖でショウサイフグの入れ掛かりを堪能!
人生初のカットウ釣りへGO!
様々な取材に出掛けているが、恥ずかしながらショウサイフグ狙いで竿を出すのは今回が初めて。カットウ釣りと聞くと、餌を食べにきた魚をトリプルフックで引っ掛ければ良いと理解はしているものの、十数年前に堤防から見えた大きなカワハギをカットウで釣ろうとして全く引っ掛からなかった経験があり不安が過る。前日、作田一美船長に「初めてでも釣れる?」と聞くと、「なぁ~に、フグのアタリは沢山あるから何とかなりますよ」。あっけらかんとした返事に不安は吹き飛んだ。
釣り場は航程30分の鹿島沖、水深25m
午前4時半、鹿島新港へ到着。『作田丸』の現在の乗船場所は鹿島港が修理中のため鹿島新港になっている。港入口から少しへ進むと、右手に『作田丸受付』と書かれた青い看板。船の前で受け付けを済ませ、午前5時の定刻に河岸払い。この日は、私を含めた釣り人3人&上乗り役の作田大作さんを加えた4人の“大名釣り”。港入口付近は、通常は外洋からウネリが入り多少波立つのだが、この日は湖の様なベタナギ状態。青空にも恵まれ最高の釣り日和。午前5時半、北へ向かっていた船のエンジン音が緩み、船長から投入合図。水深は25m、各々の仕掛けが海中へと沈んでいく。すると、着底と同時に右舷大ドモ(船尾)に座った細野明さんの竿先がプルプルッと震えた。その瞬間、スッと合わせが入った。ビビビッ、ビビビビッ。元気に暴れながら上がってきた船中第1号は25cm級の“本命”だった。
一流し目から全員ヒット!
一流し目から全員にヒット。フグ釣りは3年振りと言う右舷胴の間(中央)の星野謙一さんも幸先良いスタートを切り、次々と25cm級を釣り上げ5尾をキャッチ。そして、少し“喰い”が落ちたため船長から移動の合図が出た。「ここは、根と根の間にある砂地です。今の時期はまだ砂地付近にいる事が多いみたいですね」と、反応を探しながら船長。すると、「おっ、赤い丸い反応が出たね。ここで、やってみましょう」と投入のアナウンス。ここでも3人とも次々と数を伸ばし、気が付けば開始40分で全員が“ツ抜け(10尾超え)”を達成。「逆潮(北→南へ流れる潮)が0.5、0.6ノットくらい流れて丁度いい塩梅ですね。朝のうちが勝負になる事が多いから今の内に竿を出した方がいいよ」と船長。
“0テンション”で待つ
午前7時、船長の勧めに従って急いで準備に取り掛かる。船長に教わった基本的な釣り方は、着底後、糸フケを取り“0テンション”のピーンと道糸を張った状態(オモリが海底に立つイメージ)にしてアタリを待つ。竿先に“モゾモゾ”とか“ピクピク”とアタリが来たら少し早めにスイープに合わせを入れる。カットウ釣りと言うと引っ掛けるので合わせは速ければ速いほど良いと思われがちだが、勢いの良すぎる合わせは逆効果だそうだ。もしアタリが無ければ上下に誘いをかけたり、空合わせをしたりするのも効果的とか。先調子のカワハギ竿に25号のカットウ仕掛けをセッティング。餌持ちが良くなるよう親バリにアオヤギをたっぷり付け、海へ放り込んだ。
明確なアタリに思わずビックリ!!
着底後、“0テンション”の状態に保ち、竿先を見つめワクワクしながら待つ事数秒。クンクン、クン!竿先に目で見て分かるカワハギのようなアタリが出た。「え!?」思わず目を疑ったが、慌てずにスッと1m竿を立て、合わせを入れた。その瞬間、ズシッ!とした重みがバットに乗った。ググン、グン。一投目から掛かってきたフグは25cmのアベレージサイズ。ブーブーとお腹をパンパンに膨らませたフグの身は肉厚そのもの。次の投入でも同じように“0テンション”でアタリを待つ。すると、今度はフワッと軽くなり道糸が弛んでしまった。「オマツリかな?」と思った私は仕掛けを回収しようと巻き上げると、ズン!一気にテンションが掛かり引き始めた。餌を食べに来たフグが勝手に掛かり仕掛けを持ち上げていたのだ。右舷ミヨシ(船首)で竿を出していた大作さんも「置き竿で合わせもなんもしてないのに掛かったよ」とニッコリ。「潮が流れている時には、仕掛けも動くので勝手に掛かる事も良くありますよ」と船長。魚影の濃さに改めて驚いた。
入れ掛かり!2時間で24尾♪38cmの良型登場!
「35cm超えの良型は“前アタリ”がほとんど出ないんです。クッと竿先がほんの少しだけ入ったり、モタッとした重みを感じたり。ほんのちょっとした変化しか出ないのが特徴です」と細野さん。自作仕掛け&自作竿で挑むベテランだ。すると、大きく合わせが入り、細野さんの竿先がグッと入った。グングン、グン。首を振りながら上がってきたのは当日最大の38cm。私もその流しで34cmを釣り上げた。午前9時まで夢中で竿を出したが、足元の桶は、フグだらけになった。数えてみると24尾もいてビックリ。フグのカットウ釣りは難しい印象があったが、それが全く払拭された2時間だった。
竿頭は53尾、2番手も45尾!
その後も順調に数は伸び、沖上がりの正午を迎えた。竿頭は細野さんで53尾、2番手は星野さんの45尾。
2時間で24尾釣った私は、剥き身にしてもらったフグを持ち帰り三枚に下ろして一口大サイズの唐揚げにし、酢橘を絞り大根おろしを乗せ醤油をかけて夏らしくさっぱり頂いたが、プリプリの食感は実に美味かった。手軽に釣れる鹿島沖のショウサイフグ、初めての人こそ是非ここで挑戦してみて欲しい。
(吉田 洋一郎)
今回利用した釣り船 |
---|
茨城県鹿島港『作田丸』 〒314-0253 茨城県神栖市須田2340-102 TEL:0479-46-0283 詳細情報(釣りビジョン) 作田丸ホームページ |
出船データ |
(料金)ショウサイフグ船=10,000円(氷・餌1パック付) ※船上での餌追加販売、仕掛け販売有 |