釣りビジョン

2013.6.15号

弁天屋・神奈川県金沢八景
東京湾口の“梅雨イサキ”が最盛期に突入!!

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舵を握った和田和芳船長
関東地方も梅雨の真っ最中。梅雨から連想する事と言えば一般的には、アジサイやショウブだろうが、釣り人が連想するのは“梅雨イサキ”である。東京湾口・剣崎沖一帯で6月1日からイサキ釣りが解禁になった。「抱卵した“梅雨イサキ”は脂が乗って旨い」と言うのが定評。シーズン本番を迎え「今年はどうか?」と気になるところ。解禁から1週間目の7日(金)、神奈川県・金沢八景『弁天屋』に出掛けた。

LT(ライトタックル)でイサキを狙う

弁天屋特製仕掛け
例年、イサキ釣りが解禁になると、地元は勿論、東京や横浜方面からも剣崎沖に釣り船が集結し、大船団が出来るが、今年は何時もと違い大きな船団になっていない。
まだ解禁から1週間。これから徐々にコマセにイサキが寄って来て、数釣りも期待出来る様になるだろう。『弁天屋』では、LT(ライトタックル)でイサキを狙っている。柔らかい竿と軽いビシは、アタリが明確に出て釣趣満点。潮の速さに合わせ、ビシもFL40号、60号を使い分ける。

仕掛け図
小倉さんトリプル、追い食い成功
加藤さん、良型イサキ

最初のポイントは久里浜沖、30cm級の良型交じり

午前6時頃船宿に着いた。前日の雨の予報が外れ、イサキ釣りには最適な曇り空。大型船に私を含め6人での“大名釣り”だ。定刻の7時15分に出船、久里浜沖まで30分程で着いた。発電所の煙突が雲に霞む中、金谷航路のフェリーが近くを行き交う。舵を握る本田和芳船長から40号ビシの指示が出た。
エンジンがスローになると、「やってみましょう。32~27m。タナは海面から取って下さいネー」と言う船長アナウンスでスタート。最初に竿を曲げたのは左舷ミヨシ(船首)の小倉裕之さん(川崎市)。竿を満月に曲げ、重そうにリールを巻いている。上がって来たのはウマヅラ。コマセを詰め替えて投入すると目の前で、25cm級の良型イサキを釣り上げた。隣も同型を上げた。トモ(船尾)の加藤孝之さん(横浜・金沢区)は沖アミ餌の置き竿釣法。1投目は大型のウマヅラで苦笑い。ミヨシの小倉さんが3点掛けを達成し「追い喰いに成功した」とご満悦。加藤さんも2点掛けを連チャン、入れ喰いモードに突入。
右舷トモの三上正孝さん(金沢区)はコマセを撒きながら、竿をゆっくり上下させる誘い釣り。私もそれを見て、“決めダナ”から“誘い釣法”に切り替えた。竿をゆっくり効き上げ、又静かに降ろし、少しずつタナをかえて行く。上げていく途中でククッとアタリが来たり、降ろしている時にビビッと竿先を揺らしたり、それぞれアタリの出方が違う。1尾ずつながらポツリ、ポツリと釣れ出した。澤谷善悦さん(横浜・神奈川区)は静かにマイペースで釣っている。加藤さんは小型イサキが釣れると黙って放流し、中型が釣れると、「これなら許せるかなー」と、一人呟きながらバケツに放り込んでいる。久里浜沖で釣れたイサキは、殆んど23cm前後から30cm級の良型だった。

ダブルで好調なスタート
脂も乗り、美味しそう
三上さん、いいネー

剣崎沖では、33cm、35cmのジャンボイサキを取込む

正午過ぎ、アタリが遠のいたのを見て、剣崎沖に移動。早出の船が帰港した後なのか周囲には2隻しか見当たらない。剣崎沖は潮が速く、道糸が斜めに流れ、釣り辛い。ビシを60号に替えた。直後、小倉さんに大きなクロダイが上がり、一気に活気づく。キーパーに掛けていた私の竿にも強いアタリで、竿先が引き込まれる。慌てて竿をキーパーから外し、リールを巻くと、断続的に強い引きが襲って来る。ハリス1.5号なので慎重にならざるを得ない。やっとビシを掴み仕掛けを引き寄せ、船長のタモに納まったのは、良型の抱卵クロダイ。この時期、イサキに交じって釣れる嬉しい“ゲスト”だ。
船中をひと回りして小倉さんのバケツを覘くと、ジャンボイサキが泳いでいた。メジャーで測らせて貰うと33cmジャスト。トモの加藤さんにも大きなイサキが上がった。こちらは35cmの腹太だった。私は竿をキーパーに掛けて飛び廻っているので、2度もハリスを切られた。正体はクロダイか大イサキなのか解らないが、ハリスを1.7号にしても切られた。『弁天屋』では、解禁3日目に43cmのジャンボイサキが上がっている。期待が膨らむ。
「クロダイの突っ込みは、竿の弾力で対応出来るが、30cmオーバーのイサキになると、最初の引込みが強烈で、置き竿では難しい」と、小倉さんが言う。

加藤さん、丸々太ったイサキ
ゲストのクロダイ
誘って釣りました

久里浜沖ではイカタン、剣崎沖ではウィリーシャクリに軍配

この日は、場所により、釣り方や仕掛で釣果に差が出た様な気がする。久里浜沖では、全員イカタンの付け餌で釣っていたが、剣崎沖では三者三様で、左舷側はウィリー仕掛けのシャクリ。右舷側はイカタンの誘いに分かれた。久里浜沖ではイカタンで順調に釣れていたが、剣崎沖に来てからペースダウン。左舷側は、ウィリー仕掛けに変えてから逆にペースが上がった。沖アミ餌で通した加藤さんは終始コンスタントに17尾を釣って竿頭。『弁天屋』ホームページに、「両方用意するように」と書いてあった事を思い出した。

腹太35cm
大きなウマヅラを1人で4尾
良型揃い

今シーズンのイサキは良型揃い!

剣崎沖のイサキは始まったばかり。これからコマセが効いて来れば数も期待出来るようになるはず。今、釣れているのは居付きの抱卵イサキで、脂の乗った20~35cmの良型。この日の釣果は6~17尾だったが、型が良いので充分満足出来た。
「タナ・誘い・シャクリ方」、その日に合った攻略法を見つければ、良型イサキを数多く手にする事が出来るはず。手練手札を駆使し、釣り上げる喜びを味わってみては如何だろう。

(釣りビジョンAPC・飯妻 武夫)

今回利用した釣り船
神奈川県金沢八景『弁天屋』
〒236-0027
神奈川県横浜市金沢区瀬戸2-22
TEL:045-701-9061(定休日:毎週木曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
弁天屋ホームページ
出船データ
LTイサキ乗合船
出船時間:午前7時15分、沖上り:15時
貸 道 具:竿・リール500円
仕 掛 け:カラーバリ200円、ウイリー400円
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