釣りビジョン

2013.9.1号

第八幸松丸・静岡県沼津静浦
駿河湾・沼津沖でカツオ、キハダを狙い撃つ!

01_main.jpg
カツオ、キハダ(キメジ)が駿河湾に回遊している!昨シーズンは1週間程で同湾から抜けてしまったカツオ、キハダの群れが、今シーズンは沼津沖~御前崎沖のあちらこちらで“ナブラ”を形成。沼津静浦港『第八幸松丸』ではカツオ狙いの初出船(12日)から3kg級を中心に竿頭5、6尾の好釣果を連発している。仲間船は20kg級のキハダもキャッチしている。“蒼い弾丸”を求めて、19日に出掛けた。

最高速力30ノット以上の高速船「第八幸松丸」

カツオやキハダは海中で100km以上の速度で泳ぐと言われている。その“蒼い弾丸”を狙うには、船頭の腕や勘も勿論だが、船の装備も重要となる。「第八幸松丸」は最高速度30ノット以上を誇る高速船。船の周囲に居る魚群の位置も把握できるソナーも完備。舵を握る松坂孝憲船長は、より遠くのナブラが見えるようにと、視力改善のレーシックの手術を行ったほど。「群れを見つけたら、全速力で追いかけますよ!」とカツオにかける思いは熱く、頼りになる船長だ。

『第八幸松丸』
かっ飛ばせばかなりの速度!
松坂孝憲船長

お盆休み明けでもカツオ船は大賑わい♪

仕掛け図
お盆休み明けの月曜日にも関わらず、この日の乗船者は両舷5人ずつ計10人と大賑わい。午前5時「第八幸松丸」は静浦港を出船、南西へと舳先を向けた。今季、カツオの群れは沼津の真沖にいる事も多いようだが、無線では西寄りに“模様”が出ていると仲間船から情報。「今までの傾向では、午前7時頃から釣れ始めますからね。それまですぐに投入できるように準備をしておいて下さいね」と船長からアナウンス。各々が2.1~2.4mのワンピースロッドに中型両軸リールをセット。自信のある人は手巻きでも良いが、不安な人は電動でもOKだ。腕長50cmの天秤に100号のビシをセット。ハリスはフロロ20号2m、ハリはヒラマサ15号。コマセは半分入れ、餌の沖アミはハリに沿って丸く付ける。船長が言うには、カツオは餌の取り方が上手。真っ直ぐ付けると頭だけアタリも出さずにスッと取られてしまうそうだ。

コマセは半分詰めればOK
沖アミは丸くなるように刺す
ハリ&クッションゴム

ファーストヒットは10kg超のキハダ級!?

午前7時、「喰った!喰ったぞ~。ゆっくり!」と船長からアドバイスが飛ぶ。その瞬間、船上にピリッと緊張感が走った。ジージジ…。ドラグ音が響き渡る。ヒットさせた右舷ミヨシ(船首)の藤田勝也さんは、慎重に竿を立ててリーリング。しかし、次の瞬間、竿がグァングァンと引きが突然変わったと当時にフッと軽くなってしまった。痛恨の“高切れ”である。藤田さんは前回の釣行(15日)には3、4kg級のカツオを2尾仕留めていたらしくガックリと肩を落とした。高切れの原因は魚のヒレが何らかの原因で道糸に絡んでしまったのだろう。強烈な引きだっただけに残念である。「10kg級のキハダだったかもしれませんね…」と藤田さんは実に悔しそうだった。

藤田さんのMYタックル
電動のタックルでもOK!
10隻以上の大船団

6人同時ヒット!ワンチャンスが明暗を分ける

この日は何か様子がおかしかった。前々日までと同じく魚探反応は出るのだが、薄く広がったり、一瞬まとまっても海面までほとんど浮かずに、水深30mでひと塊になり、ダンマリを決め込んだり…。9時過ぎまで12隻の船団が出来ていたが、魚探やソナーに反応が出るのだが口を使ってくれなかった。
状況が好転したのは9時半過ぎ。一瞬散った反応が再びひと塊になった場所で海面から魚が跳ねたのだ。フルスロットルで急行、魚が跳ねている内に投入の合図が出る。「はい、すぐやって!20m」。すると、右舷ミヨシ、胴の間(中央)、左舷ミヨシ、大ドモ(船尾)と次々に竿が海面へドスン、ドスンと入っていく。「タモ持って、そっち回すよ」。船長の適確なタモ入れとアドバイスで次々に3kg級のカツオが取り込まれていった。1流しで船中6尾、半数以上がオデコを脱出した。

船中第1号!
藤田さんリベンジ成功!
良い型だね♪

やりました!
無理なやり取りはせず慎重に…
少し小さめかな

8kg級の“蒼い弾丸”キメジ浮上!

やったぜ!8kg級!
6人同時ヒットの直後だった。ドスン、ジーッ!右舷ミヨシから2番目、成瀬慎吾さんの竿が海面へと大きく突っ込んだ。中々竿を立てられないのを見た船長はすぐに操舵室から顔を出してアナウンス。「下へ突っ込んだからそれキメジだよ!慎重にね。周りの人申し訳ないけど全員上げてやって」。10kg超えのキハダも回っているとの情報もあったため、慎重に無理せず巻き上げる。ドラグをギチギチに閉めて釣っていたらハリス切れしてしまうほどの強烈な引きだ。やり取りする事数分、海面下には大きく円を描いてキメジが浮上した。「う~い、やったね」。嬉しい歓声とともに取りこまれたのは8kg級のパンパンに太った“蒼い弾丸”キメジだった。

キメジを狙うなら3尾掛けも有効
価値ある1尾!
人生初カツオをゲット♪

潮温が下がる9月から本格的な喰いが始まる!

帰りには“増し氷”のサービスもある
結局、ポツリポツリと釣果はその後も出たが、竿頭は1尾止まり。ただし、船中10人中オデコは2人だけ。8人は3kg級のカツオ&メジを手にした。この日は潮温も28℃台と高かったせいか、喰いが渋かったが「9月に入れば26℃台へと下がり、カツオ類の喰いも良くなるはず。毎年お盆近辺は、一旦釣果が落ちる時期だからね。これからまだまだ期待十分ですよ」と船長。今シーズンの駿河湾のカツオ、キハダは秋まで期待出来そうだ。

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
沼津静浦港『第八幸松丸』
〒410-0105
静岡県沼津市馬込135-1
TEL:090-2578-8218
詳細情報(釣りビジョン)
第八幸松丸ホームページ
出船データ
カツオ船=15,000円(氷、付け餌付、コマセ使い放題)
午前4時半集合、午前11時半頃沖上がり
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。
プレミアムメンバー